BI 成功の鍵は情報リテラシー

米野宏明(Hiroaki Komeno) 2007-09-08 18:20:19

今またちょっとしたBusiness Intelligenceブーム。お客様先でも 「ビジネス インテリジェンス」 で通じるほどメジャーな単語になりました。OLAP なんてもう古い、ダッシュボードだ BAMだ、いや CPM (Corporate Performance Management) だと、もはや、テクノロジーなのか概念なのかの区別もつかないほど、さまざまな手法が登場しています。

こうなると導入する側も大変ですよね。これからは CPM の時代です、敷居の高い OLAP も 「BI コンピテンシーセンター」 がレポート作成を一手に引き受ければ大丈夫。「見える化」 すればみんな見るようになりますよ、だそうですが、本当ですかねえ?本なんか読んでみると、まあそりゃそうだよねえ、なんて思えたりしつつも、今までIT のことなんか一切無関心だった社長が感化されて急に 「見える化」 しろなんて言いだすと、まずあんたの頭の中を見える化してくれよ、なんてヒネてみたり。

自己紹介が遅れました。ご縁あって ZDNET でブログ寄稿させていただくことになった、マイクロソフトの米野と申します。かくいう私も、BI 系製品のマーケター。担当製品は Excel と、この秋発売される Office PerformancePoint Server 2007、これまた例の CPM 製品です。いや、でもね、別に自虐ネタを書くためにブログを引き受けたわけではありません。

これまで営業、SE、コンサルタント、マーケティングと経験してきましたが、「やっぱり使えなかった BI」 を導入してしまう決定的な要因が、導入する人、導入を支援する人、使う人それぞれの 「情報リテラシー」 の低さにある、と感じています。ツールを操作できるかどうかという 「IT リテラシー」 ではなくて、情報から真実を見つけ出しビジネス価値につなげていく能力そのものです。IT はタダの道具、人のできないことは IT にもできやしません。

IT の発達により情報流通量が爆発的に増加、それがビジネスのルールを変えつつあります。私が最初に勤めた証券会社なんてまさにそう。今も全国各地に支店を持つ大手ですが、採用も窓口も減っています。

入社はバブル崩壊直後でしたが、まだ多少希望を持っていた時代。毎朝流される系列シンクタンクからのレポートをもとに投資の提案をしていました。コミュニケーション手段は電話か対面。店頭には常にだれか来店しており、UNIX ベースの端末 (しかも一部はまだグリーンディスプレイ) で株価チャートを表示したり、連続紙のラインプリンターでモノクロ出力した紙で見比べたりして、投資の相談をしていたものです。当時ファミコンから専用モデム経由で株取引ができる 「ファミコントレード」 というサービスも登場しましたが、あまり普及しなかったみたい。

ところが今や、新聞社や通信社、インターネット専業メディアがニュースを無料で配信し、ちょっと検索すれば出どころの怪しい噂まで、情報なら何でも手に入ります。情報を仲介するだけの証券マンは存在意義が薄れネット中心のディスカウント ブローカレッジへ、対面はターゲットを絞った高付加価値サービスにシフトしました。

利益は差別化要因により発生します。以前は 「情報の有無」 が差別化要因でしたが、今はそうではありません。技術だっていつかは漏えい、コピーされる。情報を価値に変える 「スピード」 こそ重要。他に先駆けて、いち早く情報から真実を探り出す、人の判断力とビジネス モデルが、資本と設備に勝る差別化要因となる時代です。

その中で、組織や企業はどうあるべきか。ビジネスマン個人はどうあるべきか。情報から、顧客やマーケットの真実をいち早く発見することが、この大競争時代に生き残っていくための必須条件です。しかし、システム導入の現場、巷に溢れるニュースなどを見るにつけ、人はまだこの現状に十分追いついていないのではないか、という危機感を感じたりもしています。

データから真実を発掘する BI、それを使いこなすための 「情報リテラシー」 を向上する BI 的な発想が、特にホワイトカラーの生産性が低いといわれる日本企業にブレークスルーをもたらすと信じています。今後このブログでは、BI 的なアプローチを身近に感じていただけるように、今回のような自身の経験や、ニュースや視点をご紹介していきたいと思います。

米野宏明@マイクロソフト

※ 本エントリーの内容は筆者個人の見解に基づいており、マイクロソフトの見解を示すものではありません。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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