本日夜10時より Microsoft Ignite 基調講演の日本語ライブ中継

米野宏明(Hiroaki Komeno)

2016-09-26 09:00

 

本日から今週いっぱいまで、米国アトランタで Microsoft Ignite という有償技術イベントが開催されるのだが、例によって日本マイクロソフト本社で Ignite 基調講演のリアルタイム映像を見ながら、日本語で解説したり雑談したりするライブ イベントを企画している。本日夜の 10 時 ~ 11 時半まで、スコット ガスリーの登壇時間に合わせての中継である。ガスリーは、Azure や SQL、Windows Server、Visual Studio などのインフラ系サービスや製品を統括する、クラウド&エンタープライズ グループのトップだ。つまり、この時間帯に、これらに関連した新サービスなどのニュースが発表される可能性が高い。今回は Windows Server 2016 のラウンチがあることもすでに発表済みだし、ここで何等かはあると考えるのが妥当なのである。

Ignite 系としては初のライブ ビューイング

例年春にサンフランシスコあたりで開催される開発者イベントの 「//build」 や、冬頃に Visual Studio 製品絡みのオンライン イベントとして開催されている 「Connect();」 では、何度も同様の試みをしてきたが、Ignite では今回初めてである。先の 2 イベントは主として開発者向けの先端技術系ということもあり、一種のお祭り的ニュアンスを出したくてニコニコ生放送で展開してきた。しかし今回はそれに比べてだいぶマジメ路線なので、自社のライブ配信プラットフォームのみで頑張ることにした。想定視聴者も違うし正直若干不安はあるのだが、とにかくまずやってみよう。

弊社に限らず、日本における IT 系のオンライン イベントやトレーニング コンテンツへのアクセス実績は、他国と比べて桁違いに少ない。セキュリティ設定で企業内ネットワークからの視聴ができない、今案件で関わっているテクノロジーにしか興味がない、転職しないため自宅でも自主的に学習しない、などの仮設を立て、調査によってもそれらはまあまあ裏付けられてしまっている。//build や Connect(); でニコニコを使ったのは、上記のような前提に縛られにくい若手にターゲットを置くためであった。両イベントとも本体の実施場所が西海岸のため、日本での開催がかなりの深夜になっているのだが、それでも毎回 3 万人を超える参加者を集めることができた。今回はイベントの性格上、かつてオンライン ビデオに対する親和性が低いと仮定していたど真ん中の層がターゲットである。しかし、この激変の時代にあってそのようなマインドも変わりつつあることを信じ、チャレンジしてみるのである。

個人的なみどころ

基調講演の内容についてはライブ ビューイングでのお楽しみであるが、ブレークアウト セッションで個人的に気になっているものの 1 つは、Windows Server 2016 の Azure Stack である。料金を気にせず Azure Blob Storage を使ってみたいという個人的な思惑もあるのだが、一般論としても、プライベート クラウドに Azure と同じ概念を持ち込むことでサービス拡張が容易になれば、企業内 IT プラットフォームの進化のスピードがさらに増すと考えられる。あらゆるビジネス モデルが IT を組み込むようになる今後の世界において、その進化のスピードは競争力の要である。ポートが空いていないとか、顧客のプロジェクトからトレーニング工数取れないとか、そんな低次元の話をしている場合ではないのだ。

もう 1 つ気になっているのは、SQL Server 2016 Polybase のセッションである。SQL Server 2016 のラウンチは今年の 6 月だったのだが、ちょうど弊社の年度末月ということ含め当方はこれに手を出せる状況になかった。そもそも No-SQL の接続先が必要だし、でもそのためだけに Hadoop 立てたり Azure 契約したりするのも何だなぁ、と躊躇していたのだ。ところが先の Azure Stack で Blob Storage を作れば手元のサーバーで環境構築が簡単にできそうで、一気に気持ちが再燃したわけだ。実は当方は年初に 3 か月ほど本社に滞在し、Azure ML を使った一種のマーケティング セグメンテーション モデルの設計をしてきており、そこには社内運用の No-SQL からのデータ抽出も含まれている。もちろん当方に直接手組させてもらえるわけではないのだが、元データベース屋の当方としては、実際自分の手で動かしてみたい誘惑に駆られているのである。

Ignite 日本語版 「Tech Summit」 も乞うご期待

なにはともあれ、この Ignite は、今これから必要となる先端の解を提供してくれる場なのである。Ignite が始まったのは去年からなのだが、実は、東日本大震災前まで日本でも実施されていた TechEd と、SharePoint Conference などいくつかの製品系の有償カンファレンスを統合して誕生したものである。エッジの効いた要素技術が満載の、主に Developer を中心にとらえている //build と比べて、もう少し地に足の着いた、主に IT Professional や Business Decision Maker に向けてヒントとソリューションを提供するのが Ignite なのだ。

 

 

そして、Ignite の日本語版である 「Tech Summit」 が今年 11月 1~2 日、お台場のヒルトン東京で開催される予定である。有償で、早期割引なら 68,000円である。我が統括本部のエバンジェリストたちが素晴らしいコンテンツを準備中である。まだ全部出そろってはいないが、セッション情報も公開中だ。今日の Ignite 基調講演のライブ配信Ignite 本体のサイトもあわせてご確認のうえ、関心を持っていただけたらぜひお申込みを。

なお、//build の日本語版となるのは、今年 5 月に第 3 回の実施を済ませた、当方のチームが主幹となる 「de:code」 である。第 4 回の予告はそういえばまだしていないのだが、また来年の 5 月を予定している。あまりに先過ぎてほとんど何も言えないのだが、毎度大変高い評価をいただいている自慢のイベントである。de:code の立ち上げが、当方が現在の部門における最初の Big Project だったのだが、この 3 年間で認知度も上がり、かつ内容もどんどん進化している。次回もぜひ期待していただきたい。

※このエントリはZDNETブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNET編集部の見解・意向を示すものではありません。

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