PCバッテリーで発火事故が発生

呉井嬢次(Johji Kurei) 2006-09-21 14:09:00

 とうとうIBM製Think Pad T43の発火事故が米国(ロサンゼルス空港)で20日に発生した。発火によって、該当バッテリーが純正(IBM製)か、サードパーティー(他メーカ製)の区別は未だつかない。詳細については、IBMのホームページを見るべきか、それとも、IBMが売却した先のレノボが連絡先なのか、気になるところだ。

 前回のブログでバッテリーの問題について書いてきたのに、事件が起きて残念だ。その後、東芝が充電放電ができなくなる可能性が一部の製品で無償交換サービスを発表した。日本では経済産業省が8月24日の時点で、国内パソコンメーカーに対して調査するよう指示している。効果が表れてきたと考えるべきか、その判断は微妙だ。

交換バッテリーの違いは1箇所

 ちなみに、前回のブログで届かなかったDELLの無償交換バッテリーだが、申し込んから23日目にして、やっと届いた。個人的にはアップルがホームページで申し込んでから、4日後に到着している事例を知っているので、DELLの対応は遅かった。しかし、良い面もある。これまで、データのバックアップは定期的に行っていたが、事故が発生する確率が高まったことで、バックアップする頻度を高くした。おかげで、バックアップする習慣が身に付いた。他人任せ(正確には情報システム部門任せ)にするセキュリティ意識が少し変わったように思う。

 届いたバッテリーをノートPCに交換後、現在のところ問題は起きていない。交換バッテリーを見たが、形状、色は同じバッテリーだ。唯一違う点は、日本製から韓国製になったこと。バッテリーの製造メーカーは不明だ。

デジタルデバイドからナレッジデバイドへ

 数年前にデジタルデバイドという言葉が流行した。ITを使いこなせない人はITを駆使できる人と比較して、情報化社会についていけず、社会的な問題が発生するという危惧から生まれた言葉だ。デジタルデバイドを無くすために、税金を大量に投入して、パソコン教室を開催したりした。しかし、最近はバッテリー交換だけでなく、部品の欠品が原因であるにも関わらず、メーカーのユーザーサポートで有償になるケースと無償になるケースが出てきている。

 あるデジタルカメラでは、欠品が原因となっているが、通常のユーザーサポートの窓口では約1万円の修理代を請求される。しかし、インターネットを使って利用者の声が集まっているホームページを探すと、欠品で無償交換となった話がワンサカ出てくる。このようなケースは昔からあった。メーカーの対応を批難するホームページはあったし、クレーマーという困った顧客は存在した。

 しかし、最近顕著になってきたのは、ITを駆使できる者が正しい情報を見つけ出し、ITを駆使できない者が、情報を知らずに経済的に損をするいわば、「ナレッジデバイドの時代がやってきた」、ということだ。これは消費者だけではない、企業にとっても同じことが言える。2ちゃんねる、SNSなど色々な所に情報が集まっているが、それを企業が囲い込む、もしくは、管理下にあるか(正確には情報収集できる範囲内かな)でメーカー自身が評価され、見込み顧客を失っていく危険性がある。

そして生き残るのは独占企業、寡占企業?

 企業は、顧客のナレッジデバイドをどう解決するのか。その解決策がOKWave( http://okwave.jp/ ) の利用かもしれない。OKWaveを取り上げたのは、たまたま19日のセミナーにOK Waveの方が出席してくれたので、取り上げただけで、深い意味はない。他の方法もあるにちがいない。そして、ナレッジデバイドの解決についていけない企業はITを駆使した賢い利用者に避けられ、市場競争から離脱していく。

 最後には、体力のある大企業だったり、独占、寡占企業によって淘汰される、、、そんな予想は個人的な心配だけに終わるのだろうか。

ホームページでアナウンスするだけでいいの?

 こんな想像に至った背景には、今回の交換バッテリーの問題がある。インターネットで受注生産方式、ネット注文して購入日を知っているメーカーは、顧客を特定する情報を持っている。バッテリー交換の対象となる顧客はある程度特定することが可能だった。しかしメーカー自ら顧客に連絡せず、案内の手紙も出さない。そしてホームページを見て申し込んだ顧客のみに、バッテリー交換サービスを提供している。こうした企業の姿勢には疑問を感じる。

 松下電器がファンヒーターの回収騒ぎでは、社員一人に20枚のお知らせを配り、近所のポストに入れて、人的な回収の努力を行った。バッテリー交換については、もっとメーカーは努力してもいいと思う。

 米国では事故が起きている、日本では起きないことを願いたい。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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