スパムの語源、今後のスパム、spam、スパム

呉井嬢次(Johji Kurei) 2007-08-21 17:06:00

スパムの定義

 スパムとは、「不特定多数に電子メールなどでメッセージを送りつける行為」である。スパムは英語でSPAMと表記される場合があるが、SPAMを商標にしている企業に配慮すれば、小文字でspamと表記するのが適切だ。でも、スパムを受け取って不愉快な思いを持った者が怒りを込めて、大文字で「SPAM」として使われている場合が多い。でもスパムという単語は少なくとも70年以上の歴史があり、インターネット以前から使われていることを知っていただろうか。それゆえ、単語から想像されるイメージが異なる。

クイズ 「スパムと聞いて何を思い出しますか?」

モンティ・パイソン
 テレビ番組の「空飛ぶモンティ・パイソン」を思い出した人は、テレビ世代(40歳以上)かもしれない。英国のバンドであるモンティ・パイソンが出演した番組で、「スパム」を連呼していたことで。ちなみに、プログラミング言語のPyson(パイソン)とは無関係である。しかし、故意に関連つけて冗談を効かすスパイスとしても使われる。

沖縄料理
 ここでのスパムは、沖縄料理には欠かせない材料を指す。沖縄に関係が深い人、沖縄料理に興味を持つ人かもしれない。このスパムは、 http://www.spam.com/ のスパイス入りのハムで、Spiced Hamから略されて、SPAM(スパム)となっている。このメーカーがSPAMとしての商標をとっており、送りつけられるスパムは、spamとして表記することを希望している。米国製の製品が何故、沖縄料理の食材に浸透したのか。これは第二次世界大戦時代まで時代はさかのぼる。

 沖縄が日本に返還されるまで、戦争による影響で食料確保の手段として、戦勝国である米国からSPAMが大量に流入し、普及した。スパムは、味付けされた動物性たんぱく質で、缶詰で、しかも保存性に優れている。軍の食材としては適していたのである。それが民間にも流れていった。当時の沖縄では、動物性たんぱく質が容易に入手が難しかった時代。味付け済みのSPAMは炒め物に最適だった。こうしてSPAMは沖縄の食文化に浸透したのである。

 しかし、軍隊での料理は、美味しいことが最優先ではない。エネルギーの補給が優先され、長期保存性、携帯性に優れている必要があった。そこで、兵士は繰り返しSPAMを食べることに飽き、「またSPAMか!」と言うことも多かった。

 主にSPAMを食べたのは連合軍の兵士であり、そこには英国の兵士もSPAMを口にした。繰り返される味に飽きて、そこから発せられる言葉が「スパム」となった。戦後、SPAMは、英国BBCのモンティ・パイソンのテレビ番組に登場することとなったのだ。

迷惑メール
 これが今回のテーマとなるが、インターネット世代または、インターネット時代で迷惑メールの総称となっている。電子メールによる無差別大量送付による迷惑な行為となるが、紙によるダイレクトメールに対しても、スパムと呼ぶ。つまり、スパムはインターネット以前から存在する。

 紙による広告を各家庭に配布する宣伝行為は、古典的な営業方法だが、その宣伝に使われた広告製品が、なんとSPAM(スパイス入りハム)だったのである。アメリカの家庭に配られる広告チラシに、しばしばSPAMが載っていた。

 こうして、アメリカ、英国そして日本の沖縄と、インターネットが登場する以前からスパムの基礎(外堀というべきか)は、できあがった。そして20世紀末、インターネットが浸透して、宣伝的な要素が加わったメッセージが大量に配布されることで、「スパム」の名前が浮上したのである。

スパイスが追加され、進化するスパム

 スパムの特徴は、その追加されたスパイスにある。当初はダイレクトメールの延長上にあったスパムも、今では色々な意味で悪意のあるスパイスが追加され現在に至った。例えば、偽金融機関のサイトに誘導するスパイスによって、受信者のIDとパスワードを盗み出すフィッシング詐欺がある。また、コンピュータウイルスやスパイウエアを添付することによって、不正アクセスを誘うスパムが登場した。こうして、スパムは、新しいスパイスを加えて、利用者の元に勝手に届けられるようになった。

スパムの賞味期限の短縮化が撲滅の鍵か

 生鮮食料品では5日程度を目安として消費期限を定めるが、缶詰のスパムの場合は保存期間が長いので、賞味期限となる。しかし、現在問題となっているスパムは、その内容が何年も鮮度を保つメッセージ性を有していない。つまり、スパムを撲滅させるには、内容に記載されているホームページのURL、記載内容との対比によって、自動的に消去するセキュリティ対策が登場することが予想できる。

 では、スパム送信側は、どんな対処をしてくるのだろうか。簡単な対策として、ダイナミックDNSなど、動的にURLを利用してくるだろう。また、これからのスパムは、同じ情報を送りつけるのではなく、利用者の嗜好性、ドメイン名を考慮したエンジンを搭載して、利用者に送りつけるかもしれない。そこから先は、手元に届くスパムが教えてくれるだろう。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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