BPMSが米国市場に現れてから、10年あまり。
その間の変遷を粗々で見て行こう。
■ベンダーの収斂とM&A 2003年ころのベンダー数は驚くほどあった。Gartnerが毎年発表するBPMS部門のMagic Quadrantの2003年版には、100社以上あった。 ちなみに最新版では、十数社。この傾向は新しい分野での傾向であるので決してBPMSだけの事ではないが。OSでも、ネットワークOSでも、DBでも同じことが起って、最後は1,2社に収斂していく。
BPMSもあと数年を経て、1,2社に収斂していくだろう。 この数年の超大手によるこの分野でのM&Aは、BPMSの今後のITシステム・IT産業・IT社会に占める位置の大きさを示すことでもある。
■標準化 BPMNの標準化は、数年前からOMGが担務とすることで大きく進められてきた。BPMNの利用が国際的に普及すれば、BPMSベンダの1,2社への収斂が起きてもBPMNの利用で十分に吸収できるであろう。従来の移行の難しさに比べれば非常に小さなものと思われる。
■SOAとBPMは表裏一体、そしてEAを実現する 2003年ごろのEAフィーバ、数年前のSOA旋風、日本の話である。両方とも今はあまり聞かない、聞かれなくても正しく理解され、徐々に実践されているのならばいいのだけれど。 米国ではSOAのアーキテクチャを実践するのにはBPM(BPMS)が必要で、BPMを進めるにはSOAが、つまり双方表裏一体と言っている。そして目指すはベンダロックにならないEAです。その三者のイメージが描け実践していくところに次のITシステムがありそうです。
■一人遅れている日本IT業界 日本のガラパゴス化が、政治・経済いろいろな分野で云われたのは3年前くらいからでしょうか? 私感ですがIT分野はそれよりもっともっと前からガラパゴスではなかったでしょうか?上記のSOAもEAも日本流SOA・日本流EAとなり今は泡沫状態です。BPMに関しては日本流BPMの話題にすらなっていません。ところが欧米はもとより、韓国・中国・インドのBPM浸透度は日本以上といろいろ見ることができます。昔日、国際標準と云えば国内大手コンピュータベンダー等が我先にと人員参加をさせ、大きな貢献と事業利益を得て来たはずでしたが。
■日本でのBPM意識 先日のBlogに書きましたが、BPMの三側面として?業務分析手法、?IT実装プラットホーム、?経営規範を書きました。日本でのIT関係者のBPM意識の低さはあまりこの10年変わっていませんが、ユーザ企業の業務分析・業務改善への熱い意識は最近強く感じます。JUASが例年行っている調査報告にもその点は明確です(近々Blogに書きたいと思ってます)。 業務プロセスという言葉は、J-SOXもあり日本でも相当人口に膾炙してきたのでしょう。
■それでは次に何を この10年、BPMに関して世界には大きなChangeがありましたが、日本は?といったところが私の感じです。それでは次に我々は何を!となります。 いろいろありますが、ユーザの業務分析の定着をIT展開へ連結し、その利点を実感するという事と思います。 それをMediaMixではありませんが会社Mixで社会Platformとして作り上げるという事でしょう。
その実践をすすめながら、見えるようになりましたら、いろいろ紹介させていただきます。その節はよろしくお願いします。
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