はこだて未来大学大学院 システム情報科学部の学生さん二十数名に、「BPM概論」と題して1時間半ほどの授業を持つ機会を頂き、先日行った。
はこだて未来大学の設立は2000年、システム情報科学部一学部からなる単科大学で、あの函館の夜景写真で有名な函館山と対峙する広大な丘陵地に位置する。その学舎は総ガラス張りの現代風、矩形ベースの建物。そのガラスの建物が広大な自然の緑とマッチしなかなかの風景。紅葉が始まろうとしている初秋の日、東京の喧騒が嘘のようにゆったりした気持ちにさせてもらった。
ところで授業内容はというと、実務経験のない学生さんを相手に、業務改善云々をお話しするのも知恵がない。 また、1時間半でBPMを説明してもお役に立ちそうもないので次のような点を通してBPMを話した。
1. ITシステムが、IT技術主体から利用者主体のシステムになる。それは、計算や記録中心のアプリケーションから利益を生み出し実際の会社業務に役立つアプリケーションを実現したいという経営者の強い要求を意味している。
2. IT技術に疎い一般の利用者にも理解できる業務のモデル化言語(OMG制定のBPMN)の利用が、国際的にも標準である。
3. BPMN表記から、自動的に実行システムが生成されるので、アプリケーション開発が短期にできる。
4. 業務のPDCAが当然であるように、業務システムのPDCAも当然で、BPMを実行するエンジンソフト(BPMS)はその機能を持っている。
5. 今後の携帯端末(スマートフォン等)が現行のPC以上に、業務を行うツールとして使われ、BPMシステム上の業務プロセスともリンクを取っていく。
6. 業務の広がりは海外も含め、広がっていく。
7. 上記の件も含めて、ITシステムが大きく変わり、IT産業・IT社会が大きくChangeしていく。
中々鋭い質問もあり、常日頃から真面目に勉強をしていることがうかがえた。 受講印象記として簡単なレポートが近々送られてくるとの事、楽しみでもあり少しドキドキもする。
来年、別の2、3の大学で四半期、あるいは半期の長さでBPM研修を持つ予定である。そこでは、IT技術的視点でのBPMは当然だが、経営の視点・業務改善の視点とリンクしたBPMをお話ししていきたいと思っている。また、BPMを考えていくと、仕事とは?業務とは?業務プロセスとは?といった一番基本的な命題にぶち当たる。もっとも、この問「業務プロセスとは何ぞや」は、某社長も指摘されていたが「BPMの最初に明確にする問」で、かつ、「日本で一番はっきりしていないポイント」と。 確かにその通り。いつか本ブログでとも思っている。
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