2010年総括:BPM、私的振り返り

宇野澤 庸弘(うのざわ つねひろ) 2010-12-30 01:54:30

IBMのLombardi、ProgressのSavvionのM&Aの話題で始まった2010年。大晦日を前に「2010年、日本でのBPM諸々」をまとめてみます。断るまでもなく私自身の五感の範囲内の素材を、私個人のスタイルで挙げさせてもらいます。

まず、2010年後半の半年に注目です。前半は2009年の延長でしたが、後半に以下の動きが強く見られたわけです。

1. 新規ベンダ参画活発に

米国を中心とする海外ベンダが日本で活動を開始しました。従来からのOracle、SAP、Software AG、Intalio等に加え、IBM/Lombardi、Proggress/Savvion、Cordys、Pegasystems、BP Logixが目立って活動しています。一方、国内ベンダーもクエステトラ(Questetra)、エッジスクウェア(BizPresto)など、BPMをキーワードにした製品が登場しました。

IT製品を導入するだけでBPMは定着しないことは十分理解されてきていますが、OMGが指摘するまでもなく、BPM実現にITツールとしてのBPMSが大切な一つであることには間違いありません。また、ベンダが騒ぐとみんなが勉強するという日本特有の悪癖もこの際は甘受したほうが良いとも思います。

2. BPMSの価格もいろいろ

BPMSは高価というのが一般的なイメージですが、低価格帯の製品も登場してきたのが2010年です。安簡速楽(安くて簡単、早くできて楽しい)な物が求められている昨今、ピッタリかもしれません。

3. 興味人口の増加

BPMに興味を持つている人が着実に増加してきました。BPMは、経営規範としての面と業務改善手法としての面、そしてITプラットホームとしての三つの面を持っています。それになぞらえて説明しますと、経営者はこの2〜3年、業務プロセス改善と事業改善をITシステムに望んでいたのです(JUASのレポートなどでそれは明らか)。業務の現場の方々も、IT技術者よりBPMに切実な関心を待っています。ユーザー企業の情報システム部門の方も、ITシステムを意識しながら現場の業務改善の目線でBPMを見始めています。そして、SIerの数社も関心を持ち始めています。BPMのステークスホルダーが、それぞれの立場で興味を持ち始めてきたといえるでしょう。

4. BPMセミナーの開催増加

ベンダ主催は勿論、SIer、メディア主催のセミナーが、(アバウトさをお許し願えれば)昨年と比べ3〜4倍多く開催されていると感じます。恒例のガートナの年次イベントでもBPM関連のプログラムが本格的に揃えられてきました。来年早々、毎週BPMのセミナーを開催するベンダーも出てきている状況です。また、BPMをテーマにしたイベントは、集客力が高い点も特徴です。

5. BPM研修の必要性と体系化

製品研修以外でも、BPMの進め方などの研修がいくつか提供されています。とはいえ、量質ともにまだまだ不十分なのが現状。BPMS製品の研修はさておき、どう業務を抽出するのか?どう現場に定着させるのか?BPMシステム化の際の全社の開発手法とのリンクは?等々、企業状況によりいろいろな疑問が提示されます。米国は体系化された研修が豊富ですが、日本でも対策が求められています。BPM協会、OCEB&コミュニティ、BPAPなどで検討を進めています。

6. BPM知見の共有の場の必要性

BPMは、経営の面でも業務改善の面でも、従来から行ってきたことをベースとしてますので、決して新しいものではありません。BPMSも技術的に見れば決して新規の技術ではありません。今までまったく別々の役割と立場で行ってきた人々が、BPM手法で繋がり、経営の目標ビジョンを業務に刷り込み、それをITツール(BPMS)を有効に活用して、その繋がりを継続改善という連綿たる輪に紡ぎあげるのです。

そのためのノウハウはこれから蓄積する必要があります。その共有の場が望まれてきているのです。BPMの実践関係者による問題解決が一番有益だということでしょう。ご存知のように、米国ではそれらのグループは片手では足らないくらい存在します。

いかがでしょうか?来年の年末はどんなことを……と、鬼が笑うようなことを考えながら終わりにします。BPMはIT産業だけでなく、いろいろなことを変えて行く力を持っていると感じています。卯の年である来年は、BPMにとって大きなジャンプの年になるような気がします。皆さんにとってもよい年でありますように。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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