喋るより聴こう

前川賢治(Kenji Maekawa) 2008-06-27 22:04:32

 PowerPointに代表されるプレゼンテーションツールが日本でも使われ始めるようになったのは、たしか1990年代後半じゃなかったかと思います。Windows 95(とOffice)の普及と同時に、経済のグローバル化の波に乗って欧米人のプレゼンテーションを目の当たりにする機会が増えて、こういう手法があるのかと、日本のビジネスマンに瞬く間に広まっちゃった。

 僕なんかが若い頃は、透明なシートに文字を書いて投射するOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)が当たり前だったけど(書き直しは大変だった)、今やプレゼンテーション=PowerPointみたいな感じになってしまった。

 世の中はどんどん進んでいて、ある高校では修学旅行の報告会を情報学習も兼ねてPowerPointで行なっているとか。新入社員がPowerPointをそれなりに使いこなす姿を見て驚いたことがあるけど、どうやら学生時代からすでに慣れ親しんでいるらしい。

 プレゼンテーションのハウツー本もたくさん売られているし、スキルを磨くセミナーを用意してくれる会社もある。製品やサービスを効果的に訴求するために、プレゼンテーションスキルをなんとしてでも身につけたい・高めたい、と思っている営業マンも多いはず。

 ただ、どうなんだろう。お客さんの立場からすると、売れ売れ的な気持ちが強く出過ぎて自社製品のことばかり一方的に喋ってくるような営業マンは、ちょっとばかり煩わしいし、かえって信用が置けなく感じてしまうこともあるかもしれない。

 それよりも、自分達が社内で抱えている問題や悩みを聞いてくれることだったり、納入後も製品に対する要望をきちんと受け止めてくれるといったことを、営業マンに求めているところもある。

 お客さんも話をすることで、気がついていなかったことが具体的な形になるかもしれないし、不満を抱えている場合はガスが抜けることもあるかもしれない。それに人間ってのは誰しも自分の話は聴いてもらいたいものだと思うしね。

 だから、そういう意味では、プレゼンテーションスキルも大切とは思うんだけど、それ以上に、「リスニングスキル」とでもいうような能力が求められるんじゃないんだろうか。日本語でいう「傾聴」がそれ。あと、相手から話を「聞き出す」・「引き出す」能力も大切。

 人様の話を聴くってのは、簡単そうで意外と難しい。たとえば、聴く側が仏頂面だったり、話を途中で遮ぎられたり、生返事ばかりじゃ、話す側が不快になっちゃう。やはり最後はコミュケーション能力なのかな。

 ということで結論は、パソコンにばかりかじりついていないで、生の対話をする時間を増やして欲しい(それがうちの製品のコンセプトでもあるんだけど)。そしてできれば、自分の喋りは少し控えめにして、相手の話をたくさん聴くように心掛けること。その結果、社内・社外ともに、相手との人間関係が円滑になるんじゃないかと思うわけです。

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前川@ドリーム・アーツ

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