熱意は伝搬し人を動かす

前川賢治(Kenji Maekawa) 2013-09-26 11:00:00

いや~、2020年東京オリンピック決定には久しぶりに痺れた。どのくらい痺れたかというと、サッカー日本代表が初めてワールドカップの出場を決めたときや、WBCで野球の日本代表チームが優勝したときぐらい痺れた。発表の瞬間をテレビの前で正座して待ち、TOKYOがコールされた時は、思わず「よし!」と声を出してしまった。
しかし、不思議なものである。前回の東京オリンピック誘致のときには、確かに東京にオリンピックが来れば楽しみが増えて嬉しいは嬉しいけど、どうしても来て欲しいと思った訳でもなく、少々冷めた感覚でさえあったのに、今回の誘致活動では、途中から直接的にはなんら関係のない僕でさえも随分と熱くなった感がある。

一般的には、ロンドンオリンピック後に行われた銀座の凱旋パレードから国民の気運が高まったようなことも言われているが、僕はどうも違うような気がする。むしろ、オリンピック招致委員たちの活動する姿がテレビなどで報道され始めてから、彼らの熱意や熱気がいつの間にか日本中に伝播したのではないだろうか。

フェンシングの太田選手が発表の瞬間に号泣していたけど、その気持ちは痛いほど理解できる。もしも僕が同じように最終プレゼンの役目を担ったとすると、緊張のあまり気絶していただろうと思うし、下手すれば心肺停止状態に陥ったとしてもおかしくない。

最終プレゼンだけではなく、プロジェクトにかかわるその他のスタッフも、それぞれが最後の最後まで自分の役目の中でベストを尽くそうとする熱意は十分伝わってきた。オリンピック招致という大きなプロジェクトであるから、これまでの活動の中で多少意見が食い違ったり、お互いにカチンときたりしたこともあっただろうと想像するが、それでも皆が目標に向かって自分の役割の中でベストを尽くそうとしているひたむきな姿勢と熱意が、今回の最大の勝因であったと思う。

やはり熱意は他の人にも伝播し、人を動かすものなのである。

そして、オリンピック招致委員が全員で国民の期待に応えようとベストを尽くしたのと同じように、僕らには何とかお客さんの期待に応えようとする熱意が絶対に必要だと思う。

極論すれば、技術的スキルもマネージメント能力も外から借りてくることができるが、お客さんの期待に応えようとする熱意だけは借りてくることができない。

現状の自分達を振り返ってみて、正直、期待して頂いているお客さんに対して、少なからず申し訳ない気持ちはないだろうか?
自分達のリスク・マネージメントとタスク・コントロールに重心を置いた仕事が普通になっているとすれば、僕たちの会社に存在価値はない訳で、数年後に会社が存続していることは難しいであろう。だから、僕たちも集団としての熱伝導率を“今”上げなくてはならないと強く思う。

そのためには、経験やスキルや年齢に関係なく、最も熱量の多い人を組織の中心にするべきで、スキルを持った人やマネージメント能力のある人は、むしろスタッフとして熱意をサポートする役割を担えば良い。何故なら、中心にある熱意こそが、様々な役割を担う人を巻き込み、熱を伝播させ人を動かす源泉であるからだ。

実は、そんなことを話し合いながら、僕たちの会社の来年度(1月から)に向けた、大きな組織変更の骨組みがまとまったところである。

そして、その組織変更に伴う話をするために大連に出張し、その帰りの飛行機の中で、このブログを書いているような訳で、大連のスタッフに自分の思いを熱く語った余韻のためか、いささか文章が「松岡修造的」になってしまったようである。

機中にて

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前川@ドリーム・アーツ

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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