人は見た目で判別される確率が高い

前川賢治(Kenji Maekawa)

2013-11-25 11:30

僕は渋谷に住んでいるので、週末は代々木公園を散歩するのが習慣であるが、代々木公園を散歩するなら紅葉の季節が一番だと思う。桜の季節のお祭り騒ぎは少々騒々し過ぎてほとんど居酒屋にいるような感覚であるのに比べて、紅葉の季節は落ち着きがあって、落ち葉を踏みしめながら散歩していると、自然に「物思いに耽るモード」のスイッチが入るのである。

そんな紅葉に染まった代々木公園を一人で散歩している途中、すれ違う人達を見ては、いちいち勝手な分類分けをしている自分に気が付いた。自分とは全く関係ない人達まで勝手に分類分けをするなんて、相手にとっては随分と失礼な話ではあるが、僕が仕事でもプライベートでも、出会った人をすぐに一定のタイプに分類しようとするのは、自分なりに人付き合いをうまくこなすための防御策なのかも知れない。

しかし、これは僕だけの嫌らしい趣味ではなく、恐らく誰もが無意識のうちに、自分の過去の経験から同じパターンの人を検索して一定の分類分けを行っていると思う。僕の場合は、この分類癖はどうも年を重ねるごとに顕著になっていくような気がするが。

初対面の場合、まずは見た目(顔、態度、しぐさ)や話し方、声、服装、持ち物などによって、第一段階の分類分けを行い、その分類タイプに合わせた対応を行う中で、第一段階でのカテゴライズを微修正してみたり、過去の経験からより詳細なサブカテゴリを検索して、過去に出会った人の中で同じタイプだと思われる誰かに当てはめようとするのが一般的だと思う。

特に、仕事関係で出会う人達については、まずは第一印象による分類分けで判別され値踏みされる確率が極めて高いと言える。そして、プライベートの友達とは違って、最初に行われた分類分けが後から修正されるほど継続してその人と付き合える確率はそう高くない。

分類分けのサンプルとなるデータ母数は人によって異なるが、僕の場合、データベースに登録してある名刺は約3,000件あり、データベースに登録してない名刺がその倍ぐらいある。さらに名刺交換していない人も含めると、就職してから25年間で仕事として出会った人の数は仕事関係だけで少なくとも1万人ぐらいにはなると思う。恐らく、僕と同じぐらいの年齢の人であれば、同じ程度以上のサンプルとなる経験値を持っているだろう。

人の分類と言っても、血液型によるカテゴライズほど単純ではないのだ。

これらの自分の経験値をサンプルとした分類分けが、その人に対する行動パターンを選択する最も大きい要素であると思われる。

さらに仕事の場合、その人の見た目や立ち振る舞いから、その人が所属する会社や組織がどういう個性を持った会社であるかを推し量ろうとするのが普通であろう。

なぜなら、人は知らず知らずのうちに周りの環境に影響を受けるので、会社・組織の文化や雰囲気が、組織に所属する人達に共通した雰囲気として反映されることが多く、その人の持つ雰囲気が、会社や組織全体にも当てはまる確立はかなり高いからある。

その意味では、少なくとも仕事においては、自分の見た目、服装、持ち物、態度、しぐさなどが、どういう雰囲気を醸し出しているか、また、その第一印象によって相手は自分をどのようにカテゴライズするだろうかということを想像し意識してみることも必要なのだろうと思う。

ちなみに僕の第一印象は人からどのように分類分けされているのだろう?

まずは大分類として「変な奴」というカテゴリに含まれることだけは間違いないのだが…

僕の場合、見た目から知らない人からも「音楽関係のお仕事ですか?」と聞かれることが極めて多い。(今日も空港の待合室で知らない若者に声を掛けられた)

あるとき、お店で同じように声を掛けられたのだが、いちいち否定するのも面倒なので、適当に「あ、そうですよ。」と答えてしまったことがある。しかし、この下らない小さな嘘のために、その後、その店にはなんとなく行きにくくなってしまった。

やはり嘘をつくと、ろくなことはないのである。

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前川@ドリーム・アーツ

※このエントリはZDNETブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNET編集部の見解・意向を示すものではありません。

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