しばらくブログを中断していた間に、なんと不肖・前川54歳にして第二子となる男の子が生まれるという事件が発生した。しかし、5年前に一人目が生まれた時の大騒ぎとは異なり、まあまあこっちも落ち着いたものである。しかし、あまりに余裕を見せすぎていたら、嫁のお母さんに「ちょっと手を抜きすぎです!」と怒られてしまった。
- 一人目の時は考えられる限りのものを買って出産の準備したのに対し、二人目には生後4か月が経過した今に至るまで何一つ買っておらず、すべてを誰かからのお下がりで済ませている。嬉しくてやたらとブランド物の子供服を買っていた親とは思えない、どうせすぐに着られなくなるからとは、恐ろしい手のひら返しである。
- 一人目の時は随分早くから名前を考え、PowerPointを駆使してプレゼン資料まで作ったのに、二人目の場合は、「もう生まれるよ、名前どうするの?」と催促されて、何とかギリギリで「仁務(ひとむ)」という名前をひねり出した。しかし、改めて考えてみると、なんだか天皇陛下の名前のようである。そのうちに「仁務天皇陵」とか発掘されるのではなかろうか。
- ミルクの時間と量を正確にExcelに記録して管理し、神経質に毎回哺乳瓶を消毒していたことが嘘のようである。今となっては、泣いたら飲める分だけミルクを飲ませるという作戦に変更し、少々時間がたって冷たくなった飲み残しのミルクも平気で飲ませているが、今のところ何の問題もない。
- 初めての予防接種の注射で、抱っこしているこっちの方が冷汗をかいたのは何だったのか。二人目になると、面倒なので、両手両足に一本ずつの計四本を一気に注射してもらう作戦に変更した。勿論、猛烈に泣くが、それも一瞬のことである。
ちなみに、買ったけど全く使わなくなってしまったモノ三選:
- 第1位:哺乳瓶の消毒器 毎回消毒なんて面倒臭くてやっていられない。最悪、鍋で哺乳瓶を煮れば十分。
- 第2位:電動のバウンサ 普通のバウンサを足で揺らした方が手っ取り早い。電動のものは大きくて邪魔なので、単なる洗濯物の一時置き場と化した。
- 第3位:おむつ専用のごみ箱 臭いを封じ込める優れモノだと思ったのだが、毎回の操作が面倒なので使わなくなり、今は行方不明。
いずれにしても、二人目が男の子ということもあり、長女と比較すると、とにかく扱いが圧倒的に雑であることは否めないのだが、意外にも母親にとっては下の男の子が可愛くて仕方なく、癒しでしかないらしい。恐らくペットのような存在なのではないかと思われる。
なるほど、生まれたときからこれだけ扱いに違いがあるのであるから、姉弟であっても、それぞれが全く違う性質・性格になるのは当然であろう。
考えてみると僕自身の家族構成も同じであった。学校も姉貴は私立、僕は公立だったし、姉貴は田舎で考えられる限りの習い事(ピアノ、バレエ、英語、そろばん、習字、水泳など)をしていたが、僕はほとんど何もやっていない。金銭的な面でのコストは僕の方が圧倒的に安く済んでいると思う。勉強についても姉貴には母親が付きっ切りであったのに対して、僕の方は完全に自由で、結果に関係なく何をやっても褒められた記憶しかない。今でも姉貴は僕に対して「ホント、あんたはいいよね~」というのが口癖である。
親(特に母親)の期待を背負った姉貴が優しくて責任感の強い性格であるのに対して、ただただ母親に溺愛されて育った弟の僕は、根拠なく楽天的で極めていい加減な性格に出来上がったのは当然の結果であり、それが子供の世代でも全くの相似形として同じことが繰り返されるのはほぼ間違いないだろう。
しかし、そんないい加減な性格である弟でも何か得意なことはあるもので、幼い頃から常に姉貴のやることを見てきたので、人のやることを見て何となくザっと理解するということは比較的得意であるように思う。
結局、人はみんな生まれた時から違いがあり、それぞれに異なる個性を持ち、それぞれが何らかの「強み」と「弱み」を持っている。多くの場合、それらは長短同根で表裏一体であるとも言えるだろう。
かのドラッガーは、それぞれが苦手なことを努力によって克服したとしても、個人としてはやっと人並み程度になるだけであり、それよりも、それぞれ異なる個性が集まってチームを組むことで、お互いに苦手なことを補完し合い、得意なことを伸ばすことで成果に結びつくのだと言っている。
以下は、幼稚園の年長さんにはまだ早いとは思いつつ、寝かせつけの時に子供に読み聞かせするネタ本として買った齋藤孝さんの「こどもシリーズ」の一冊、『こどもドラッガーの言葉』という本に書いてあった一節。
- どんな人でも成果はあげられる。
- 特別な才能なんていらないよ。
- 成果はいつも「強み」から生まれるよ。
- おたがいの「弱み」を消して「強み」をいかす。それがチームのメリットだよ。
- すぐれた人だけ集まっても、すぐれたチームができるとは限らないよ。
- 成果をあげたいなら、人の好き・嫌いなんて気にしてはいけないよ。
- 失敗したことがない人は、挑戦したことがない人かもしれないよ。
年長さんになった娘が家でいつも歌っている「忍たま乱太郎」のテーマ曲、「勇気100%」という歌に感化され、毎夜ドラッガーを読み聞かせする父親なのでありました。
(作詞:松井五郎 作曲:馬飼野康二、Webサイト「歌詞タイム」からの引用)
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前川@ドリーム・アーツ
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