旧交を温めつつ自分の視野の狭さを恥じる

前川賢治(Kenji Maekawa) 2019-08-01 09:00:00

先日、偶然にもアメリカ在住の先輩と後輩からほぼ同時に、今度一時帰国するので飲みに行きましょうとのお誘いを受けた。先輩の方は僕が入社した当時、神様のように思えたエンジニアで、その後30年近くアメリカのIT企業でソフトウェア開発の仕事をしており、後輩の方は、僕が27歳の頃に新入社員として入社してきた当時の部下で、その後アメリカの大学で博士号を取得した後、現在はニューヨークでIT企業を立ち上げたとのこと。

お酒を飲みながら懐かしい昔話をしていると、30年近く前のことが徐々に思い出され、すっかり当時に戻ったような気がして本当に楽しい時間であった。しかし、飲みの席では僕の武勇伝として定番の笑い話になっている昔話は、いくら若気の至りであったとはいえ、自分がいかに視野の狭い人間であるかを改めて気づかされる恥ずかしい話でもあるのだ。

古き良き時代と言えばそうであったかも知れない。僕の入社当時、世の中でコンピュータを使って仕事をする人はほんの一握りであったが、そこから瞬く間にコンピュータは爆発的に世の中に浸透し、さらにインターネットの登場でテクノロジーは革命的に進歩することになる。

その渦中にあった僕らには参考にすべき前例も経験もなく、業務上の上司もいなかった。すべてにおいて余裕はなかったが、将来に対する不安は全くなかった。ただ、今になって思い返すと、仕事でもプライベートでも、どこかで自分の劣等感と戦っていた部分はあったと思う。

何はともあれ、20代の僕はちょっとチヤホヤされだすと途端に天狗になった。

自分ができることを他人ができないことは理解できなかったし、それは自分と同等の努力をしていないだけだと切り捨てた。

新しい技術についてこないオジサン達をダサい存在として馬鹿にした。

他の会社から望外のオファーを貰うようになると自惚れは頂点に達し、会社という漠然としたものに対して何かと批判し反抗した。
そんなことで自分のことを大きく見せられると思ったのだろうし、それで自分の劣等感を払拭できるような気もしたのだろう。まったく愚かなことである。

どれだけ視野が狭く、幼かったことか…。

ただし、自分に対して周りから注がれる愛情をしっかり感じていたことだけは間違いない。それゆえに、愛情を確認するためにわざとダダをこねるようなことをするところは、まさに幼稚園児のわが娘と同じレベルの幼さであったのである。

ところで、「視野の狭い人の特徴とは?」とGoogle先生に聞いてみた。

結果をまとめてみると、要は「自己中心的で人の意見を聞かず、理想論を振りかざし、自分の意見が通らないと不機嫌になる」という、少なくとも友達にはなりたくない、かなり嫌な奴なのであった。

  • 視野が狭い人は自分の考えをしっかりと持っているため「べき論」が多く、他人から共感を得にくく、仕事においても「この仕事は○○課でやるべき。それが常識」と、自分の考えを押し通そうとします。人それぞれ考えが違うのは普通のことなので、周囲から賛同されなくても否定されたことにはならないのですが、相手が自分を認めてくれないことに不快感を持ちます。
  • 視野が狭い人は自分で決めた理想の姿と外れることは認められないので、自分で自分をさらに狭い世界に閉じ込めてしまいます。少し考えの幅を広げられると良いのですが、頑固なので今までの自分を変えることはしません。恋愛においても、相手に多くを求めすぎて疲れさせてしまうことがあります。
  • 視野が狭い人は自分と違う考えを受け入れることができません。たとえ相手の言い分が正しいと思ってもプライドが高いのでどうしても素直に認めることができません。それどころか、なにかしらアラを見つけて反論してしまいます。誰かにアドバイスを求めても、結局は他人の言うことは聞かないので、周囲もアドバイスをするのをやめてしまいます。結果として、視野が狭い人は孤独なことが多いです。
  • 視野が狭い人は自分に自信を持っています。そして自分の言い分は正しいと信じて疑わないので、周囲が自分の意見に賛同してくれないことに納得しません。職場で周囲に敵を作ってしまいがちですが、あくまでも自分は正しいと思っていることが原因なので、敵意があるわけではありません。敵意を抱いているわけではないのに正しい意見を受け入れてもらえないので、本人からすると「いじめられた」と感じてしまうこともあります。

    特徴1:とかく独善的であること 
  • 常に自分の価値観で物事を話し、人の価値観を理解しない
    他人の意見に耳を貸そうとせず、自分の意見を押し通す
  • 自分の知識や経験だけで判断する
    とにかく自身のこだわりが強く自信がある

    特徴2:想像力に乏しい 
  • 理想だけが正義、理想だけを並べ立てる 
  • 一般的な「正しい」ことにこだわる 
  • 固定観念が人一倍強い 
  • 目先のことだけにとらわれやすい

    特徴3:周りへの配慮ができない 
  • 相手に対して共感しようとしない 
  • 人の気持ちが理解できない

    特徴4:怒りっぽい 
  • 自分の意見が通らなければ機嫌が悪くなる 
  • 立ち振る舞いに余裕がない 
  • 周囲の人に甘やかされて育った

やはり僕もかなりの素質があるかも知れない… (冷汗)

視野が狭いということは、物事に対して端的にしか考えることができないということであり、様々な側面から考えることができないために自分の人生も損をするし、ときには誰かをひどく傷つけてしまうこともある。
そして視野の狭さは、我々ドリーム・アーツが目指す「協働・協創」という価値観とは真逆のベクトルにあると言えるだろう。

視野を広げるためには、多様な人と触れ合い、様々な体験をし、たくさんの本を読み、人間的に大きな器を持つことが必要であるが、特に僕のような元々の器が小さい人間は、事あるごとに自分の胸に手を当てて自分自身を見つめ直してみる必要があるようである。

その意味では、久しぶりの懐かしい昔話は、若く生意気で独り善がりであった僕を、人生の先輩諸氏が愛情を持って辛抱強く育てようとしてくれていたこと、僕の狭い視野を広げるために様々な機会を提供してくれていたことを、今更ながら改めて思い返す機会となった。

そして、先輩から見れば、極めて狭い視野で反抗を繰り返す面倒臭い不良社員であり、部下から見れば上司らしいことは何一つしていないパワハラ上司であったと思うが、それでも、30年近く経過した今でも、楽しくお酒を酌み交わせる関係を続けさせてもらっていることに感謝しなくてはならない。

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前川@ドリーム・アーツ

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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