オープンソースの10年間

宗近龍一郎(Ryuichiro Munechika) 2007-07-05 19:01:42

私がオープンソースに関わり始めたのが1997年。今年で10年になる。

10年前はようやくLinuxが世間に知られるようになった時代であり、1995年にWindows95が発売されたこともあり、Windows全盛の時代であった。

サーバOSも1996年にWindowsNT 4.0の販売が開始されたこともあり、圧倒的にWindowsNTを選択するユーザが多かった。

筆者も当時はWindowsNTの上で動作するOracleを使ってアプリケーションを開発するエンジニアであった。

ところが、Windows上で動作するOracleは時たま不安定であり、これをもっと安定するOS上で動作しないものかと考えていた。

もちろんSolarisという選択肢もあったのだが、まだまだハードウェアが高価で廉価なインテルサーバ上で動作するものが無かった。

私は、Linux上でOracleが動作しないか情報を探していたところ当時のデータベース雑誌にSCO Unixで動作するOracleの体験版がCD-ROMで収録されたこともあり、必死に情報を集めた。

同好の士が他にもいることがわかったのでメーリングリストを開設することにし、1998年7月にスタートさせた。当時米国のオラクル本社はLinux版Oracleを発売することを公表していたものの、日本オラクルについてはまだ態度が決まっていなかった。

1998年の後半にメーリングリストの参加者は当時としてはめずらしい2000名を超えるものとなり、これを無視できなかったのか1998年12月、日本オラクルはLinux版を1999年から出荷するとアナウンスを行った。

今までこのようなユーザの声が大企業に届いて製品化に結びつけたというのは異例ではないだろうか。

このようにオープンソースは人や企業を揺り動かす原動力になりえるということを実感できた。

このようなこともあって2000年前半には「Linuxバブル」という状況が出現し、Linuxでビジネスをしようとする企業が多数現れた。

いくつかの企業はインベストを受けて大きくなり、オープンソースに関わる人材を多数雇用するようになった。私自身もそういう企業に席を置いた時もあった。

2002年頃にはバブルが終焉したと言われ、期待感の大きさからかしばらくはLinuxという言葉はあまり語られなかったように思う。

しかし、終焉後もユーザ会等コミュニティは着実に地に足が着いた活動を行っていたと思う。

ここ数年で、またオープンソースは勢いを盛り返してきたように思う。

ひとつのきっかけとしては、楽天のようなITサービス企業が自社のサービスのベースにオープンソースを採用したことがある。もしオープンソースを利用しなければ、コストが膨大になり早期にあのような大きなサービスを立ち上げることは不可能だったであろう。

楽天の他にもライブドアのような競合する他の企業も同じようにオープンソースを利用したことで、早期にサービスを立ち上げることができた。

これらの企業のすばらしいところは、運用で得たノウハウ等を積極的に公開しコミュニティに還元したことにある。

Linuxバブルの前後では、企業とコミュニティの関わり方が変わってきたように思う。しかも以前より良い形でだ。

これからも企業とオープンソースは良い形で関わっていけると思う。

私も以前からと同様にこれからも企業とオープンソースの橋渡しがしていければと思う。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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