「他社さんはどうされてます?」 ――ビジネス・プロダクティビティ研究会のススメ

村田聡一郎(Soichiro Murata) 2010-11-07 06:42:00

私共リアルコムでは、ビジネス・プロダクティビティ研究会(略称:BP研究会)を主宰している。これは一言でいうと、マイクロソフトのSharePointを利用しているユーザー企業どうしが集まって、SharePointをよりよく使いこなすやり方を研究する会である。

リアルコムは、「企業内の情報共有の促進」とか「情報・ナレッジを切り口にした業務変革」といった分野のコンサルティングを専門としている(詳細はこちら)が、SharePointに限らずこうした情報共有系のコンサルティングでお客様から必ずと言っていいほど聞かれるのが、

   「他社さんではどうされてます?」

という質問である。しかし、これは決して「他人の動向ばかり気にする、安易にマネをする」とかいった話ではない。むしろ逆である。

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よく使われる英語の慣用句に Don't reinvent the wheel (車輪を再発明しようとするな)というのがある。他者がすでに発明・実用化しているもの(車輪)が存在するのであれば、素直にそれを取り入れて使えばよい、わざわざ再度自力で発明しようとするのは無駄である、という警句だ。

   【ご参考】
   ◆ Don't reinvent the wheel (O'reilly Commons)
   ◆ 車輪の再発明 (Wikipedia日本語)

各社の基幹系システムは業態に合わせてさまざまであっても、情報共有系システムやその「上手な使いこなし方」については、実のところそれほどの差はない。

したがって、もし他社がすでに同じような課題に取り組んだ先行事例があるのなら、まずそこから素直に学び、その上でさらに自社独自の要素を付け加えてアレンジしたほうが、よほど投資対効果が高い。(もっとストレートな表現をすれば、「地雷を二度踏む必要はない」のである。)

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「他社さんではどうされてます?」という問いに対しては、私たちも、これまでに知り得た範囲で、そしてもちろんコンサルタントとしての守秘義務に反しない範囲で「たとえばある会社さんではこんなふうに苦労されていますが、こんな工夫をしてうまく行っていますよ」といった情報を提供している。

しかしリアルコムのような小さなコンサル会社が「知り得た範囲」などたかが知れているし、やはり我々から直接はお話しできない類のお客様固有の情報もたくさんある。

それでも依然として、毎日のように「他社さんでは...」と聞かれる。それならいっそのこと、お客様どうしで直接情報交換をしていただく場を作れば、お互いに有益な情報交換ができるのでは、と考えた。これが「ビジネス・プロダクティビティ研究会」設立を思い立った背景である。

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企画を始めたのが2009年夏。初回の例会を行ったのが2009年10月15日で、そのとき参加いただいたのは19社。始めてみたところ、やはりニーズはあったのか、会員企業のみなさまからはおおむね好評をいただけているようである。その後会員数は少しずつだが順調に伸びて、1年で40社に到達した。年会費30万円をいただいている会としてはまずまずではないかと思っている。SharePointのユーザー企業層を反映してか大企業が多く、社員数の平均は10,000人を軽く超えている。

例会は年4回。研究テーマは毎回設定し、各社にアンケートやヒアリングして自社の状況を開示してもらい、それをまとめて発表する、という形式をとっている。各社ともアンケートには積極的に回答くださっているが、「自社1社の情報を提供すると、39社分の情報が得られる」というしくみなので、たしかにオトク感はある気がする(笑)。まさに「ナレッジ系ビジネス」の典型例である。

また毎回、会員企業の中から1社に「ユーザー事例講演」ということで、40分ほどお話いただいている。こちらも毎回大好評である。まさに設立の主旨どおり、「他社さんはどうしてます?」のニーズを満たすことを主眼に運用している。

会費をいただいているとはいえ、BP研究会単体での採算はまだ赤字である。しかしBP研究会を通じて得られる知識と人脈は計り知れない。今のところSharePointユーザーに限定して運営しているが、実のところ研究テーマのほとんどはSharePoint以外でもほぼ通用するものが多いから、将来的には参加資格を広げてもよいのかもしれない。もちろん、内容を英語化さえすれば、海外進出も可能なはずだ。

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実のところ、私がこのブログで披露している「ITお作法」は、BP研究会のメンバー企業の方から教わった、あるいはヒントをいただいたものも多い。

BP研究会の参加資格は3つだけ。SharePointのライセンスを保有している企業であること、BP研究会に関する契約書(実態はほぼ機密保持契約)を締結いただけること、SharePointをビジネス商材としている企業ではないこと、である。次回の例会は11月24日(水)に行うので、興味のある企業は事務局までお問い合わせいただきたい。

 ご参考リンク:
   ■ビジネス・プロダクティビティ研究会
   ■リアルコムWebサイト「ビジネス・プロダクティビティ研究会
   ■ユーザー会通信「ビジネス・プロダクティビティ研究会」(IT Leaders)

 

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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