(続)ファイル名は日付で始めよ

村田聡一郎(Soichiro Murata) 2011-02-20 08:30:27

なんと中2ヶ月もあいてしまい、申し訳ありません。ある案件にどっぷり浸かってしまっておりましたが、気を取り直して再開したいと思います。よろしくお願いいたします。

さて、前回のエントリー、「ファイル名は日付で始めよ」は、これまでになく多くの方からコメントをいただいた。それだけ身近でみなさんの関心が高い分野だということであろうし、またそれだけ筆者の解説に至らない点が多かったということでもあろう。そこで今回は、いくつかのコメントに回答させていただく形で、前回の補足としていきたい。

(はてなブックマーク、Twitter等にコメントしてくださった方は、実際には「筆者に対して」発したわけではない方もいらっしゃると思います。勝手に題材としてしまい申し訳ありません。もし不都合でしたら削除いたしますので、筆者までご一報ください。)

■ファイル名で管理しようとしている時点でしょぼい感じが。時系列が大事だったら Subversion とかに放り込んだ方が良いように思うが...。

コメントありがとうございます。おっしゃる通り、この稿はなにも機能のない“しょぼい”ファイルサーバーを使っていることを前提にしている。確かに、なんらかのコンテンツ管理システム(CMS)を使っている企業であれば、その機能を使ったファイル管理の手法があるはず。

それでも、なぜあえて「ファイル名自体に日付を入れる」べきかというと、おもに4つの理由がある。

■1) 現実、CMSの機能に全面的に依存できないため。

たとえば、前稿の文中でSharePointの例を出したが、

さらに、たとえばSharePointにアップロードされていたファイルをダウンロードすると、そのファイルの日付は元ファイルのもの(=本質的な最終更新日)でなく、今現在のものになってしまう。これではお話にならない。

なんてことがあるのが現実なので。要はシステムに全面的に任せておけるか?というと「おけない」ことが多いのである。

■2) 仮に今のシステムは任せておけたとしても、将来はわからないため。

企業内情報共有システムはほぼ5年おきに更改され、別ベンダーのシステムにリプレースされることもありうる。しかしその際、旧システムのコンテンツ管理機能を使って管理していた部分が新システムに引き継がれない恐れは十分にあり、そうなると過去のファイル管理情報はすべてチャラ、となりかねない。

ツールベンダーの立場からすると、そうしたファイル管理機能の工夫こそが差別化および進歩の源泉であり、したがって他社との“互換性”を保つことは難しい、ということになるので、これを一概に非難するわけにもいかない。また、ファイル管理情報の「移行」は技術的には可能だが、移行作業にコストがかかるがゆえに結局移行はしない(ファイル管理情報は引き継がず、ファイルだけを新システムに新規に投入した形にする)ケースも多い。

したがってユーザーの立場からすると、そうしたシステム切り替えが起きても大丈夫なように備えておくに越したことはない、ということになる。その点、ファイル名は「引き継がれない」ということはありえないので安心だ。

■3) 「しょぼいファイルサーバー」を使っている企業が、実際には圧倒的であるということ。

筆者は仕事柄、数百社(大半が社員1,000名以上の大手企業)の情報共有システムについて見聞きしているが、筆者の知る限り「社内でファイルサーバーは一切使われていません」と明言した企業はたった1社しかない。それどころか、依然としてファイルサーバーがファイル管理の主役を占めている企業が大半を占めているのが現実なのである。

■4) 自分で見てわかること。

実はこれが最大の要因かもしれない。勤務先にCMSがあっても、あなたも結局、個人PC上でもファイルの管理をしているのではなかろうか。それなら、CMSの世界を離れても、「ファイルの本質的な日付」がわかったほうが便利ではないか?

■自分だったらバージョン管理ツールを使う。 手動でなんてやってられない。特に複数人でする場合は。

コメントありがとうございます。ファイルの「バージョン管理」は、本稿および前稿の「ファイル管理」は実はちょっと違う領域なのだが、実際には密接に関係があるので、バージョン管理とセットで考えるべき事項である。バージョン管理については次稿で取り上げることにするので、よろしくお願いします。

■ファイル名のYYMMDDの後にアンダースコアないしハイフンを入れるべきでしょうか?もし入れずに、たとえば「101210○○資料.docx」のように続けたとしたら、不都合は生じますか?

唯一の不都合は、日付の直後、○○のところにいきなり数字が入るケース。その場合、数字が続いてしまうため、日付の区切りが分からなくなるし、検索にもかからない。たとえば「2010年生まれの赤ちゃんに多い名前」というファイル名だったとすると、

「1102192010年生まれの赤ちゃんに多い名前.docx」

となってしまい、ちと不便。

ただし、「そういうケースの時だけアンダースコアで区切ることにすればよいのでは」という意見にも説得力はあるので、普段は入れなくてもよい気もする。アンダースコアはJISキーボード上では押しにくい位置にあるので入力が面倒でもあるし。

■個人的な管理には適してるかもしれない、でも複数人では破錠するだろうな。

コメントありがとうございます。たしかに、これをグループ全員に徹底するだけでも簡単ではない、のが現実である。

しかしそれでも他の手段に比べれば実行の敷居は低く、一方で効果は大きいので、まずはこれを「お作法」と定めて普及させていくのが「忙しさの緩和」への第一歩であると筆者は考えている。

■Windowsにはファイルの作成日時という項目があってだな。。。

コメントありがとうございます。しかし「コンテンツの本質的な意味にあった日付を入れよう」という本稿の主旨からいうと、ファイルの作成日時は「更新日時」よりさらに使えないプロパティである。

たとえば「100401_年頭あいさつ.pptx」という、昨年4月に作ったファイルを使いまわすために今日コピーすると、その瞬間に2011年2月20日という日付が記録され、しかも固定される。しかしそのファイルを実際に使うのは今年3月かも、4月かもしれない。つまり2月20日という日付自体は、コンテンツ利用者にとっては何の意味も持たない。ファイル作成日付でソートしているフォルダのビューを見かけたことがないのはそういう理由だろう。

■ライフハック系の話を作法というのはなぁ・・・。

コメントありがとうございます。筆者は「ライフハック系」がどの範囲までを含むのか、言葉の定義の理解が心もとないのだが、おそらくITお作法は「組織レベルでのライフハック」であると考えていただいてもよいように思う。

このブログが取り上げる「ITお作法」のほとんどは、しごく普通なちょっとしたアイデア・工夫で仕事の能率を上げることができる施策だ。ところが、これを組織レベルつまり複数人が絡むワークで実践しようとすると、とたんに実施のハードルが上がる。なぜなら、メンバー全員がそれを実践しないと意味がないからだ。

たとえばこのファイル日付についても、皆がYYMMDD_○○と入れているのに、一人だけ20YYMMDD_○○と入れる人がいたら、意味がなくなる。ファイルが日付順に並ばないのだから。

組織レベルでライフハック施策を実践するためには、メンバー全員が足並みをそろえて同じやり方をする必要がある。だから「作法」という呼び方をしているのである。もっとも、「作法」がすぐに身に付かないのも世の常ではあるが...

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コメントしてくださったJULYさん、cola-zeroさん、sankasekiさん、PonKotumaruさん、TOKOROTENさん、ほかのみなさんに感謝いたします。

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

3件のコメント
  • モグ

    私も以前からファイルのバージョン管理などの目的で日付を入れることがあります。
    しかし、先頭に付けることには反対です。
    先頭が日付では、関連するファイルがバラバラになってしまい、整頓に困ります。
    作成日付は重要ではなく、何のための書類なのか、どこに使用された書類なのかが、一番重要ですから、書類に書かれているタイトルが最重要項目になり、探す時の、「○○会議の何月分」とか、「○○報告書の□□宛」などと探すのが一般的です。

    日付はあくまで作成や編集のバージョンであって、ファイルの内容に関連のある項目ではありません。
    後日に探しやすくしようと思ったら、ファイル名には内容がイメージできる名称か、または管理された規則による名前をつけるべきです。
    当社では、ファイル名規則を以下のようにしています。

    ◇□△-○○○○○_●●●●●●●●●●_YYYYMMDD
    または、
    ◇□△-○○○○○_VV

    ここで、
    ◇    :場所記号(支店記号)
    □    :分類記号(職場の分類)
    △    :区分記号(書類の種類分類や)
    ○○○○○:連番(職場と書類毎に0001から始まる連続番号)
    ●●●●●●●●●●:書類タイトル(必要なら書類の名称をつけても良い)
    YYYYMMDD:西暦日付
    VV    :バージョン記号(A~ZZ)

    つまり、番号体系/ファイル名規則が整っているのです。
    日付を先頭にとか、ファイル名に工夫を・・・という発想は、企業で行う管理方法ではないと思います。
    書類の管理体系も決めていないいいかげんな会社か、個人管理などだけで有益な方法だと思います。

    2011年02月25日

  • まさぼう

    私は、以前、日付から始まっているファイルで管理されていたルールを廃止しました。

    主な理由は以下の2つです。

    1)
    正しいバージョンのファイル日付を覚えておかなければならないが、そんなことはできない。

    見る方は、新しいファイルほど正しいと正しいと思いがちですが、
    書く方はどうやら、単なる履歴管理の為のしているという管理のギャップです。
    このため、間違ったファイルをお客に送る、見せるのトラブルの連続だったために、即刻廃止しました。

    2)
    ファイルサーバがいらないファイルであふれだす。
    気がつけば、90%以上はいらないファイルだったりします。

    3)
    日付だけが共通化されていても、それらのファイルは結局他の人から見られることはない。
    多くの人が、1つのファイルで伝えたい内容を完結して記述されているわけではなく、
    Wordのファイル、Excelのファイル、PowerPointのファイルとそれらを関連して1つのドキュメントとしています。
    従って、1つのファイルを見ても、さっぱりのケースがほとんどだと思います。
    だったら、それらのファイルが関連していることをファイル名からわからなければいけないと思います。

    そこで、これから、タスクに関するファイルは
    [TASK_ID]_[種別].(docxなど)
    のようにしました。
    種別は、業務にあわせて作っていきます。
    SALESとか、DATAとか、これで、種別毎にファイルを検索しやすいでしょうし・・・

    TASK_IDは、エクセルなり、システムなりで発行していきます。
    タスク管理をしないのであれば、ドキュメントだけ管理してもしょうがないですし、
    その場合には、どうせ他人が見てもわからないファイルなのですから、
    共有のエリアに置かないというルールも必要だと思います。

    ちなみに、Wordファイルは版管理にしました。
    難しいと思うかもしれませんが、これでファイルをひたすら探す業務でつぶされるということは軽減されました。

    2011年02月22日

  • その他プラ

    ボクはファイル名に日付を入れる派ですが、最近はフォルダ懐疑主義なので、次のようなファイル名をつけるようにしています。

    大項目+中項目+日付+詳細

    例えば会社であれば

    部署名+プロジェクト+日付+書類名+内容

    とか、

    プロジェクト名+区分+日付+書類名+内容

    など。
    日付の前につける項目名はなるべくだれでも思いつく一般的なものにして、詳細は日付以降に書きます。
    こうすることで1つのフォルダに入っていても、目的のファイルがすぐに見つかります。

    きちっとフォルダ分けしていれば…と思うかもしれませんが、フォルダは、細かく分ければ分けるほど、1つのファイルにたどり着くために何度もクリックしなければならなかったり、同じ内容のファイルが複数のフォルダに存在することになったり、メールに添付したりすると、どのプロジェクトのファイルかわからなくなったりするからです。

    複合機でスキャンした書類など、この方法でファイル名さえ変えておけば、いちいちフォルダに移動する必要もありません。

    まぁ…整理が苦手なものぐさなボク向きの方法なんですけど。

    2011年02月21日

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