クラウド時代:ソリューション・ベンダーを事業仕分けする

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2009-11-30 12:56:04

 事業仕分けが、注目を集めていますが、正直なところ、こんなことをしなければならないなんて、本当に残念でなりません。言うなれば、政府や行政の税金の使い方への不信や不満が、いかに大きかったかの裏返しといえるでしょう。

以前のブログでこんなことを書きました
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 山本七平氏の著「論語の読み方」に「『由(よ)らしむべし、知らしむべからず』の曲解を正す」という一節があった。

 「由らしむべし、知らしむべからず」とは、「民には、なにも知らせてはならない、信頼させて、だまってついてこさせるべきだ」と解釈され、戦時中の日本になぞらえ、批判されてきたと語っている。

 しかし、正しくは、「民衆からは、その政治に対する信頼をかち得ることはできるが、政治の内容を知らせることは難しい。」ということであるという。
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 この言葉を改めて思い出します。まさに「曲解」が、あたりまえとなっていたのです。そして、結果として、国民の信頼を失ってしまったのです。

 もし、政治に信頼さえあれば、その予算の使い方については、お任せしましょうということになり、「事業仕分け」など必要ないわけです。まあ、理想ですが・・・

 さて、私も長年IT営業の現場に立ち、お客様と信頼関係を築き、それを維持することが、いかに大変なことなのかを感じています。

 「斎藤さんが、そういうなら、お任せしますよ。」この関係を維持することは、容易なことではありません。

 それは、お客さまのご要望に誠実に応えるだけでは、不十分なのです。

 ITは、光の速さで進歩しています。その進歩が、ITの常識をあっという間に変えてしまいます。新しい言葉が、話題になり、また、直ぐに消えてゆきます。そのトレンドを見逃さず、その根底にある変化の本質を理解することも、営業にとっては、大切な仕事なのです。

 「不作為」という言葉があります。「あえて積極的な行動をとらないこと」です。IT営業にとって、この「不作為」もまた、お客様からの信頼を失う、大きな要因となっています。

 「持つIT」から「使うIT」へのパラダイム・シフトが、始まっています。

 情報システム部門は、ますます厳しくなるIT予算の中で、ユーザーへのサービス・レベルを維持しなければなりません。もはや「持つIT」だけに頼っていられる時代ではないのです。

 しかし、いまだ多くのソリューション・ベンダーが、「持つIT」の枠組みから抜け出せないでいる。この現実を、皆さんも感じられているのではありませんか?

 今までの実績や信頼関係に胡坐(あぐら)をかき、新しい時代の変化が、今の課題をいかに解決してくれるのか。あるいは、今の「持つIT」から、これからの「使うIT」への橋渡しは、どうすればいいのか、あなたのパートナーは、ちゃんと説明してくれているでしょうか?

 もし、あなたのパートナーが、これにちゃんと答えられないとすれば、それは、彼等の不作為の結果なのかもしれません。とすれば、それは、「事業仕分け」の対象です。

 来年度予算を策定する時期になりました。これから景気は、回復に向かうでしょう。しかし、情報システム部門の予算については、そう簡単に回復(?)することはないでしょう。あなたのパートナーは、この現実に、どう応えてくれるのでしょうか。

 いまだ、「持つIT」だけを前提に提案してくるようであれば、「いまどき何を・・・?」でしょう。「事業仕分け」で、「削減」または、「見直し」と判定すべきかもしれません。

 もはや「クラウド」は、IT業界の専門用語ではありません。経営者も、その意味を理解し始めています。この前提に立って、予算を考えなければなりません。

 情報システム部門もまた、いままでの「持つIT」だけを前提とした情報システム戦略を根本的に見直す時期に来ています。その作業を進めてゆく上で、あなたのパートナーは、役に立っていますか?

 今このときこそ、彼らとの付き合い方を見直す絶好の機会かもしれません。 

*こちらも、はっとさせられますね。

クラウドが後押しするアンチIT購入

 

[緊急のお知らせ]-----------------------------------------------

クラウド・ビジネス戦略策定支援セッション」を開催します!

日時: 12月16日(水)10:00-17:00

場所: 東京・九段下

 クラウドの一般論を理解することが目的ではありません。皆さんの会社の事業戦略スタッフの視点で、これからのビジネス戦略、製品戦略に必須の突っ込んだ情報やアイデアを提供します。 

システム・インテグレータやソリューション・ベンダーの経営者、営業責任者、マーケティング担当者の皆様が対象ですが、情報システム部門の方にもお役に立つと思います。

こちらから、お申し込みいただけます。

開催趣旨 ----------------

 既に多くの企業が、クラウド時代に向けた取り組みを始めています。しかし、その一方で、その具体的な施策に頭を悩ましている方も少なくないようです。

 そんな皆さんを対象に、言葉の断片をつなぎ合わせるだけの解説ではなく、ユーザーが、そして、企業が、クラウドにどう取り組むべきか、そして、そのベンダーは、それにどのような対応をすべきかなど、少し突っ込んだ検討をしてみようと思っています。

 定員が限られています。ご関心ある方は、どうぞ、お早目のエントリーを

内 容 ------------------

1.クラウドを体系的に理解する

 クラウドとその周辺にある言葉の断片を拾い集めても本質は見えてきません。そこで、これらを関連付け、体系的に整理します。また、クラウド・ビジネスを考える上で、関係の深い周辺技術の動向についても詳しく解説します。
・クラウド・コンピューティング体系: 定義と課題
・クラウド時代のリッチクライアント(クラウドとAjaxの不可分な関係)
・クラウドとSOAの組み合わせがSIの今後を変える
・クラウドのアキレス腱、セキュリティ問題とは

2.ビジネスに与える影響と事業戦略について考える

 クラウドの普及が、お客様の意思決定にどのような影響を与えるのか。これに対し、私たちは、どのような対策をとるべきかを検討します。また、クラウドプレーヤー各社の動きや各種統計についても検討します。
・クラウド・ビジネスの動向を整理する
・ITビジネスへの影響と課題
・想定しうるビジネス戦略

3.自社のビジネス戦略のアイデアを整理する

 1,2の知識を参考に、クラウドへの今後の取り組みや戦略について、各自、整理してみます。
・整理するためのフォームを提供
・個別のアドバイス

------- どうぞ、ご検討ください。

 

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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