営業なんて必要なの?

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2009-12-27 11:59:39

 口に出しては言わないが、ソリューション・ベンダーやシステム・インテグレーターの経営者の多くは、そう考えているに違いない。

 いや、百歩譲って、「請求書の処理、クレーム対応、まあ、お客様に顔を出してご機嫌取り・・・とにかく、しっかり事務処理して、お客様との良好な関係を維持するためにやってくれればいい」ではないだろうか。

 いないのも困るが、所詮は、コストオーバーヘッド。あまり経費を使わないでほしい。

 「新規案件を取ってくるのは、営業の仕事」としている会社も少なくないが、たぶん本心は、期待されていない。じゃあ、何のためにそんなミッションを与えているのかといえば、「事務処理やトラブル対応だけでは、営業のモチベーションが下がるから、前向きなこともやらせておいたほうがいい。」という精神衛生上の配慮からである。

 IT業界には、こんな言葉がある。「士農工商"営業"」。一番偉いのは、スタッフ、次がPM、次にSEやサポート、そして最後が、営業となる。

 「これからは、営業力を強化しなければならないと考えているんですよ。」。ソリューション・ベンダーやシステム・インテグレーターの経営者は、ほぼ口をそろえて、そういう言葉を口にするが、ここで言う営業力とは、「営業職の仕事」ではない。つまり、会社として、営業力をどう強化するかである。決して、営業職への期待や施策ではない。

 景気がいいときは、営業などいなくても仕事は舞い込んで来る。しかし、不況ではそうはいかない。ITベンダーに人がいても、技術があっても、お客様は買いたくない。だから、嫌がるお客さまの気持ちを何とかするための汚れ役を「営業」に期待する。不況の時の「営業頼み」とは、この程度の期待にすぎない。

 確かに、営業という仕事は、営業職だけが担うものではない。しかし、営業職が、その中心的な役割を担うべきという発想が欠如している。というか、そんなことを営業職の人たちに期待していないのである。

 この業界の営業職とは、この程度の存在なのである。

 ある通信キャリアの研究所で研究者として仕事をしていた方が、子会社のシステム・ベンダーの営業として転籍となった。彼は、酒の席で「斎藤さん、営業なんかにされちゃいましたよ。はははは・・・」。悲しそうだった。その話しを聞いて、私は、もっと悲しかった。

 IBMを辞めて、彼らと同じ目線が持てるようになって、この実態に気づくことになった。

 IBMという会社は、実に営業の地位が高く、プライドも高い。オレが会社を背負っているんだというくらい意気軒昂である。しかし、その一方で重い責任も負わされている。数字はもちろんのこと、お客様との関係を維持することは当然のこと。それが、評価や給与に直接連動している。社内にもそのコンセンサスがあるから、SEもサポートも営業に従うのが当然と考えている。

 世間から見れば、大風呂敷で、尊大で、強引な営業である。しかし、その一方で、仕事に熱く、お客様にも篤かったのではないかと思っている。少なくとも、昔はそうだった・・・

 営業職を英語では、Sales Representativeという。Representativeとは、代表者であり、国会議員の意味もある。つまり、会社を代表する責任を持った職種であり、販売活動についての一切の責任を持つ社長の代理人という含意がある。

 日本の業界に、その理解はないようだ。

 「ちょっと、言い過ぎじゃないか。」と思っていただければ、これほど嬉しいことはない。そんな人たちが、これからのIT営業の役割を考え、どう育成すればいいかを考えればいいと思っている。

 New Normalの話しを書いた。ITビジネスが、大きな地殻変動を始めている。こんな時代だからこそ、営業もまた、役割を変えてゆかなければならない。

 「ソリューション・ビジネス能力モデル」研究会を立ち上げた。現在、22社、30名の方々にご賛同頂いている。先日、24日に今年最後の打ち合わせを行った。大手元請企業の役員もいれば、下請けの中小企業経営者も同席している。

 みんな、真剣であり、切実である。

 どこかの国の悪しき平等主義のようにならないように、志のある人たちが、真剣に考えてくれればいいと思っている。

 もし、ご興味があれば、お問い合わせください

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 営業さんばかりでなく、SEやコンサル、あるいは、マネージメントや経営者の皆様にもご参加いただければと準備しています。ぜひご参加をご検討いただければと願っています。

 この塾は、毎週火曜日の18:30−20:30。全10回にわたり開催します。初日は、1月19日(火)を予定しています。既に2期、開催しました。参加者の意欲も出席率も高く、ご満足いただいているようです。

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 次回の「ITソリューション塾」では、最新の動向を反映し、今までの内容の大幅に見直しました。主な改訂箇所は、以下の通りです。

1.クラウドを基礎編と戦略編の2回に分けます。

  • 基礎編では、概念や定義、テクノロジーやビジネスへの影響などを体系化して解説します。
  • 戦略編では、国内外の各社のクラウド・ビジネス戦略を分析し、自分達のビジネスにどう活かせるだろうかを考えてみようと思います。

2.ネットワーク・セキュリティについては、脅威やリスクの体系化と共に、対策にも着目し、どのようなビジネス展開があるかを考えて見ます。

3.国際会計基準については、この基準の意義や本質だけではなく、システム・ビジネスとして、どのようなチャンスがあるかをしっかり掘り下げてみようかと思います。

4.プロジェクト管理(PMBOKなど)についても整理し、その基本を学んでいただこうと考えています。

5.営業スキルについては、この2回の経験を踏まえ、改めて内容を取捨選択し、毎回独立したトピックとしてではなく、系統的に話しをさせていただけるように改訂する予定です。

 最新の動き、さらには、新たな整理とドキュメント。とにかく、いっそう分りやすく、即実践で使えることを目指し、内容を進化させる予定です。

 どうぞ、ご参加いただければとぞんじます。また、御社の営業、SE、コンサル、マネージメントの皆様にご紹介頂ければと存じます。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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