「信頼されない営業」になるための5つの方法

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2010-01-29 09:14:28

 営業研修の冒頭、受講者に自分の思い描く「理想の営業像」について語っていただくようにしている。そのとき、必ず聞く言葉は、「お客様に信頼される営業」である。 

 しかし、お客様に信頼されるようになるということは、簡単なことではない。むしろ、「信頼されない」ままでいるほうが、はるかに楽だ。 

 無理して、信頼されようとはせず、素直に自分の実力を受け入れ、信頼されないままにする。いや、信頼されないように努力したほうが、潔い。 

 もちろん、嘘をついたり、犯罪まがいのことをすれば、簡単に信頼されなくなる。しかし、これでは、会社にもいられないし、生活もできなくなってしまう。そのあたりをうまくすり抜けながら、確実にお客様の信頼を失う方法について、考えてみようと思う。 

第一条 お客様の話しを知ったかぶりでごまかす

  お客様が、こんな質問をしたとしよう。

  「うちもクラウドへの対応を考えようと思うんだけど、どうすればいいかなあ?」

  これに対して、あなたは・・・

  「クラウドですか?そんなものは、単なる流行言葉で、気にする必要なんかありませんよ!」

  と答える。そうすれば、あなたは一気に信用を失うことができる。

  お客様とて意外としっかりと勉強しているものだ。ある程度のことが分った上での質問と心得ておくべきだろう。そんなときに、クラウドと仮想化の区別もできず、SaaS、PaaS、IaaSの区別も分らないまま、強気でしらを切り、「そんなことより、こんど、こんな製品を出したんですが・・・」と自分の知っていること、都合がいいことに話しを向ける。

  お客様は、「こいつは、何もわかってないんだなぁ」と、それ以降相談されなくなるだろう。

 第二条 美しくない資料を作る

  お客様が、「概算の費用を教えてくれない?」とあなたに依頼する。当然金額を間違えるわけにはゆかないから、Excelで細かいオプションも含めて費用計算する。その作業で作ったExcelシートを体裁も整えず、あて先も書かず、すべての細かい項目もそのままに、お客様に提出する。 

  提案書を出してほしいといわれる。しかし、ページごとにタイトルの位置や大きさがばらばら。フォントもコジックと明朝を同じページに混在。きれいをカラフルと混同し、いろいろな色を多用する。

  図表の縦横の位置が、そろっていない。文字が背景色に隠れて、なんと書いてあるのか良く分らない。

  それを「おかしい」と思わずに、そのままお客様に提出する無神経。お客様に「なに、これ?」と常識を疑われることは、間違えない。

 第三条 見積金額を間違える

  見積り金額を間違え、後で修正する。高い金額を安く修正するなら、「なんとか、がんばって、安くしました。」という言い訳でごまかすことができるかもしれない。しかし、お客様は、間違えを見抜いている。しかし、自分に不利な話しでもないので、この芝居に付き合ってくれるかもしれない。

  しかし、安いものを高くする場合は、そうは行かないだろう。

  どちらにしても、お金や数字への感性が低い相手は、心配であり、不安である。こんな相手と、商売の話しをしたいとは思わないだろう。

 第四条 競合他社の批判する

  「A社は、とんでもない会社ですよ。X社で、こんな失敗をしでかして、大変なことになっているらしいんですよ。」

 「あの製品には、この機能がありませんから、使い物になりませんよ。」

  他社の批判は、自分の自信のなさの裏返しである。自信がないから、相手を貶(おとし)め、自分の存在を高めようとする。しかし、自分が高くなったわけではない。

  本当に事実なのだろうか。たとえ事実であったとしても、それが目の前にいるお客様にとって関係があるのだろうか。また、機能や性能の良し悪しは、どう使うかとの関係で決まる場合も多い。単なる○×の比較で、どちらがいいと決められるほど簡単なことではない。

  そんなことも考えず、善意の第三者であり、専門家である顔をして、講釈をたれる。たぶんのその腹の底は、直ぐに見抜かれてしまうだろう。

 第五条 お客様に話をさせない

  自分の言いたいことだけを話し、お客様の話しを聞こうとしない。

  お客様が話しをしていても、馬耳東風。聞いてる振りはするけれども、理解しようなどという了見は持ってはいけない。

  自分の売りたいものをどうすれば魅力的に伝えられるか、分り易く伝えられるか・・・それだけを考え続け、お客様の話のタイミングを見計らって、一気呵成に自分の言いたいことを繰り出す。

  なるほど・・・とうなずくのもあり。聞いている振りをし、「なんと真剣に聞いてくれている人だろう」という好印象を与えておくのも、ひとつのテクニックだ。しかし、本当のところは、何も聞いていない。ただ、自分が話し始めるタイミングを推し量っているだけにする。

  お客様の話を最後まで聞かず、途中でさえぎり、それはこういうことですよ・・・と説得にかかるのも効果的。

  お客様から、「こいつには、なにを話しても無駄だなぁ」と思わせることができる。

  さて、皆さんは、以上のうちのいくつを実践されているだろうか?もし、ひとつでもできているのなら、信頼を失いかけていると、自信を持てばいい。3つ以上実践している人は、すばらしい。間違えなく、お客様に愛想をつかされている。

  それでも、そう簡単に会社はあなたをやめさせることはできないから、どうぞご安心ください。 

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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