「なんでそんなこともわからないんだ!」の非常識に気付かないあなたのために

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2010-08-22 09:42:50

 「なぜ、もっと早く報告しないんだ。早くわかってたら、やりようがあったんだよ。だから、こんなことになるんだ。」
 
 ベテランの営業課長が、若い営業マンを前にして、言葉を噛み殺しながらも、怒りをぶつけている。
 
 その営業課長に話を聞くと、「彼は、確かに一生懸命です。でも、ちゃんと報告しないし、相談もしない。自分で何とかしようという気持ちは、立派だけど、これじゃあとれるものも取れませんよ。」
 
 つづけて、こんな話もしてくれた。
 
 「どうも、最近の若い者は、覇気がなくていけない。確かに、忙しく仕事はしていますよ。遅くまで仕事をすることもいとわないし、よく頑張ってると思う。でも、チャレンジしないというか、自分から進んで新しいことをしない。私の若いころはねぇ・・・」。
 
 こういうマネージャーが、部下の成長を阻み、組織の活力を殺いでいるんだなぁと思わずにはいられない。
 
 彼には、次の3つの点で自覚が足りない。
 
 1.報告しないのは、部下の問題と考えていること。
 2.チャレンジしないのは、世代の問題で、自分の問題ではないと考えていること。
 3.「頑張っている」、「忙しい」は、仕事が多いからで、別の意味があるとは考えていないこと。

 
 この思い込みが、問題なのだが、それに気づいていない。部下は、次のように言うだろう。
 
 「報告しない」のは、報告をしたくないから。
 
 ・報告をしても、結局は、自分のやり方を押し付けられる。
 ・こちらの話は、途中までしか聞かず、こうやればいいと指示される。
 ・日報やレポートを提出しても、まともなコメントなど返ってきたためしがない。

 
 チャレンジしないのではく、チャレンジしても無駄だと考えている。
 
 ・いつでも相談できる、助けてくれるという安心感がない。
 ・頑張れ、自発的にやれとは言うが、失敗は、許されない雰囲気がある。
 ・結局は、自分のやり方の枠に当てはめようとする。それ以外のことは、そんなことは言ってないぞと、はしごを外される。
 
 忙しいから「頑張っている」わけではない。忙しいふりをしているだけ。
 
 ・ちゃんと仕事をしています。余計な仕事をふらないでくださいね・・というメッセージ
 ・忙しくすることで、仕事をしている気持になりたい。自分を正当化したい。
 ・自分のことに没頭していたい。余計な干渉は受けたくない。
 
 マネージャーには過去の成功体験がある。自分はそれでうまくやってきた。誰に教えられたわけではない。自分で苦労して見出してきた。なぜそれができないんだという気持ちであろう。そんな思い込みが、部下の意欲をそいでいるという事実に気が付いていないようだ。
 
 プレーヤーとして優秀だから、マネージャーとなった。まだ未熟だから部下である。その視点が欠けているようだ。
  
 部下を自分の基準で評価し、できていないことを指摘し、「だからだめなんだ」と考える。減点型のマネージメントスタイルである。
 
 また、時代も違うことにも気付いていない。景気が良い時代は、お客様に足繁く通い、顔を覚えてもらい、要求には応え、トラブルにも直ちに対応する。そうすれば、仕事がもらえる時代だった。それができることが優秀であった。これもまた、間違えなくその時代の成功体験である。
 
 しかし、今は、それでは仕事は手に入らない。お客さまは、「今までのお付き合い」だけでは、発注はしてくれない。なからず、複数社との比較検討を求められる。その相手は、国内とは限りない。オフショアも同じ土俵の上にいる。もはやかつての成功の方程式は、通用しなくなっている。
 
 こんな現実に目をつむり、自分の過去の成功体験をいまだに金科玉条のごとく掲げ、その成功体験を基準にしているようでは、新たな成功を見出すことはできないだろう。
 
 部下の能力や今までの実績。あるがままの本人を基準にし、「彼にしては、よくやっているなぁ」、「こんなことができるようになったんだ」、「こんなことが得意なんだ」という視点を持つ。良いところ、成果を評価する。これが、加点型のマネージメントスタイルである。
 
 減点型のマネージメントスタイルを改め、加点型のマネージメントスタイルに転換する。これが、部下を活性化させる起点となるだろう
 
 また、自分の成功体験は、自分の名誉であり、歴史であり、自信として、心に刻むことである。ただし、その方法論は、もはや通用しないということも自覚すべきである。だからこそ、部下と一緒になって、どうすれば新しい成功体験ができるかを真摯に考えてみてはどうだろう。それを分析し、整理し、自分の言葉に置き換えて語ってみる。
 
 一生懸命だが、整理できない。そこに混乱や不安がある。マネージャーは、そんな彼らの言葉を第三者として冷静に聞き、整理をする。それができれば、部下はきっとあなたの言葉に耳を傾けてくれるだろう。
 
 マネージメントとは、技術者がそうであるように、専門のスペシャリティが必要だ。過去の経験の延長線上で、できるものではない。自分がその分野では、まだまだ素人であるということ。新しい時代となり、成功の方程式が変わったということ。その前提に立って、謙虚に学ぶべきである。
 
 その教師は、書籍や研修ばかりではない。今あなたの目の前にいる部下もまた、今の時代の教師である。彼らの話に真摯に耳を傾け、謙虚に質問する。日報にも真剣に自分の考えや意見をぶつけてみる。そうすると、部下も報告や相談を進んでするようになるだろう。
 
 一生懸命話を聞いてくれる人が、そこにいる。相談に乗ってくれる人がいる。そんなセーフティネットが、部下にチャレンジの意欲を与え、潜在力を引き出し、活力ある組織を生み出してくれるはずである。

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

15件のコメント
  • Chimacyu

    上司というのは部下をいかに成長させていくかなのに、ベテラン技術者にだけ難しい仕事を振り技術的に未熟な者には簡単な仕事しかさせない・・そういうマネージャーが増えているような気がします。
    納期が無いからというのも分からなくはありませんが、すべてはベテラン技術者にしわ寄せが行き、過負荷で体を壊したり耐えられずに辞めていったり、そういう結末を迎えるのは目に見えています。
    それでもマネージャー気取りなのだから性質が悪い。

    2010年08月31日

  • 斎藤昌義

    皆さん、コメント感謝いたします。

     若い人を増長させるというご意見、たしかにそうかもしれません。わたしは、むしろマネージメントに厳しく自分を律してほしいという思いから、あえてご批判を覚悟の上で書かせていただきました。

     また、若い人もいずれは、自分もそんな立場に立たされる時が来るはずです。反面教師として、自分はそうならないぞと、いったん背中に背負って、今できることを全力で取り組んでいただければと思っています。

     常識力は、老若にかかわらず、本来多くの人には備わっているものと信じています。そんな常識のある方にご覧いただければ、その真意にも気づいて頂けるものと思っています。そんなとらえ方をしていただければありがたく思います。

    2010年08月25日

  • 私は、いい内容だと思いました。共感できます。
    それにしても、人の間違いを見つけると「鬼の首でも取ったかのような」コメントが並ぶことにびっくりしました。

    2010年08月25日

  • 小社長

    上司も部下もどちらの言い分も間違ってはいないと思います。
    ですが会社のためにはならない人達なので、私ならどちらにも辞めてもらいます。

    2010年08月25日

  • 筆者がどういう方か、よく存じてませんけど、このような記事で、ますます若い人は他人に責任を転嫁することを助長するだけな気がします。
    どんなことがあっても報告することは業務上の義務であり、それを怠る方が悪いと思います。
    上司の意見に納得できなければ納得できるまで粘る、自分の考えを説得できるだけの力をつける、といった方向に向かないなら、何をやってもダメでしょう。
    ベテランIT営業といっても、この程度の認識なんですね。

    2010年08月25日

  • 斎藤昌義

    今回のブログ、誤字脱字のご指摘コメントで大賑わいになってしまいました。お恥ずかしい限りです。それだけ、多くの方にごらんいただいていることの裏返し。身が引き締まる思い。感謝。

    2010年08月24日

  • ブラクル

    >1.報告しないのは、部下の問題と考えいること。

    1.報告しないのは、部下の問題と考えていること。
    ^

    2010年08月24日

  • ヤス

    誤字脱字が多く、信頼に欠けます。
    マネージャーの在り方を言う前に文章のチェックをしてから第3者に公表してください。

    2010年08月23日

  • 斎藤昌義

    誤字ご指摘感謝します。
    また、いろいろとご感想嬉しく思います。
    いろいろのご意見、お考えを承ることで、視野を広げることが適るのは、ありがたいことです。
    ありがとうございます。

    2010年08月23日

  • あのね

    訂正!


     ・日報やレポートをあげても、まともなコメントなど返ってきたためしがない。

    だね。フフフ

    2010年08月22日

  • あのね

    私の指摘箇所は修正されましたね。お疲れさま。
    でも、誤植があるよと指摘されたら、まずソコだけを修正するだけではなくて、「他にもあるかも知れない」と考えるビヘイビアーを身に着けましょう。他も同時にチェックしてみるべきです。

    nokunさんも指摘されているように、こう誤植が多いと、記事の内容以前に読む気を無くします。
    列記して差し上げますので、訂正されると良いですよ。

    1.報告しないのは、部下の問題と考えいること。

    1.報告しないのは、部下の問題と考えていること。

     ・日報やレポートをあけでも、まともなコメントなど返ってきたためしがない。

     ・日報やレポートをあげでも、まともなコメントなど返ってきたためしがない。

    これもまた、間違えなくその時代の成功体験である。

    これもまた、間違いなくその時代の成功体験である。

    がんばってください^^;;

    2010年08月22日

  • なんだそれ

    勘違いリベラル?

    やりたくないからならないですむなら、会社は給料払いたくなくなっちゃうジャン。
    いい加減なことばっかり書いて恥ずかしくないのか?

    どんな社会を標榜してるのか、無責任。

    2010年08月22日

  • ぜんぜんわかってない記事だと思います。
    報告したくないからしないのは、報告しない側の責任で。
    仕事の方法云々は関係ないし。
    ”がんばっている”というのは別にほめてるわけでも無いし、本当にがんばっているとみている訳でもない。

    全体的に勘違いしてピントの甘い記事だと思いました。

    2010年08月22日

  • nokun

    誤植がありすぎて、わざとかと思うくらいです。
    そういう意味で、反面教師になります。

    2010年08月22日

  • あのね

    「なんでそんかこともわからないんだ!」じゃなくて「なんでそんなこともわからないんだ!」ですよね。こんな誤植に気付かずUPしてしまうなんて、それこそ「なんでそんなこともわからないんだ!」ですがな。。。急いで上書きすべし。

    2010年08月22日

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