なんで、あいつが、俺の上司なんだよ!

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2010-12-11 08:43:00

 「課長は、分かってないよなぁ。あれで、課長なんだからねぇ。」

 「社長は、ぜんぜん先が見えてないよ。これじゃあだめだよね。」

 「部長の考えは、もう古いんだよ。できるわけないじゃないか。」

  ・・・

  できないことの言訳として、「ダメ上司」を引き合いに出してみたところで、いったい何の解決になるのでしょうか。

 ダメな人間をダメだと言ってみたところで、いったいどんな進歩が、そこにはあるというのでしょうか。

  このような人達に共通する特徴は、

  ■ 問題の原因が、常に自分以外にあると考える。

 ■ 想像力の欠如、つまり、相手の立場や視点でモノを考えることができない。

 ■ 自分のやり方や考え方、ライフスタイルを変えたがらない。

 と言えそうです。

  「私は、自分の得にもならないこと、余計なことはしたくないんですよ。」という考えとも通じるものがあるように思います。謙虚さのない態度ともいえるでしょう。

  自分が課長だったら、自分が部長だったら、自分が社長だったら・・・そのとき自分は、どう考えるだろうかと考えてみてはいかがでしょうか。なぜ、彼は、こんなことを言うのだろうかを想像すれば、どこが同じで、何が自分と違っているかを冷静に、分析的にとらえることができるでしょう。

  なるほど、そういう前提に立てば、そんな考え方もあるなぁと考えてみる。そういうところに、新たな知恵や知識への気付があるかもしれません。

  相手のことを理解するとは、自分と同じところと違うところを見極めて、その違いの理由を知ることです。自分と対立することがあれば、それこそが、新しい発見です。その違いを克服することができれば、それは成長であり、進歩だと考えてみることはできないでしょうか。

  自分との違いを見極めずに、ちよっとした言葉の端を捕まえて、全てを否定し、相手の意見を一切受け付けないようでは、何の進歩もありません。

  まあ、これは、決して部下のことばかりではありません。上司もまた、部下の能力や状況について、想像することを放棄し、自分の基準に部下を当てはめて、「何で、あいつは、こんなコトが分からないんだ。」と嘆き、愚痴を言う。そして、理由や論理を説明して納得させようという努力を放棄し、「俺のいうとおりやっておけば間違えない。いずれわかるから、これでやりなさい!」と怒鳴ってみる。

  まあ、どっちもどっちという気がします。

  営業活動で、お客様との交渉は、大切な仕事のひとつです。交渉とは、次の3つのプロセスで行なわれます。

  まず、最初は、相手と自分の考えや要求の違いを明確にすることです。次に、その違いを埋める手段を洗い出すことです。最後に、手段の選択肢の中で、どれを採用するかを合意することです。この手順を踏んで、初めて交渉は成立するわけです。

  相手の目線から、自分や周りを見る。相手を否定することから始めるのではなく、違いを見極めるコトから始める。それができなければ、交渉を始めることができません。

  お客様の目線に立って考えることをせず、「なんで、あいつが、俺の客なんだよ!」と文句を言っているようでは、営業活動はできませんから・・・

  他人は、常に異なる意見や考えを持っています。同じ考えの人など、あり得ません。だからこそ、お互いが相手の状況や立場、考えを理解しようと努力しなければ、進歩も幸せもないように思います。たとえ、あなたの上司が、自分と違う意見を述べたとしても、その背後にある彼の考えや立場を考えずに、頭から否定しては、何の解決策も見いだせません。

  たとえ、あなたの上司が、本物の「ダメ上司」であったとしても、まずは、自分について考えてみることです。「自分はダメ部下にはなっていないだろうか」と。そして、相手の立場になって、考えてみることです。

  「なんで、あいつが、俺の上司なんだよ!」と声を荒げてみても、「自分は、不遜な人間です。成長はあきらめました。自分の得にならないことは、何もやるつもりはありません。」と相手には伝わるだけではないでしょうか。

  そういう人は、きっと「なんで、あいつが、俺の部下なんだよ!」と、あなたの上司に思われているかもしれませんね。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

7件のコメント
  • 定年退職

     もしそういった不満が蔓延しているのであれば管理能力の問題です。日頃、課内でのコミュニケーションができていない可能性が大であろうと思います。中間管理職である課長の仕事は課として追求すべき目的、達成にいたるまでの自分の考え方方法論を明らかにし、部下に異論があれば検討し自分の案よりも優れるものであれば取り入れる度量が必要です。更に、計画を示しそれぞれの部下に任務を割り振ったあとは達成状況の確認と障害を把握しできるだけ部下が動きやすい環境を整えてやることです。自分の権限を越えることも多いと思いますが部長なり次長なりの上司と交渉に少なくとも環境を整える努力をすることが必要です。上から言われたことをそのまま部下に伝えるようでは課長にした人事が誤りです

    2010年12月25日

  • まさぼう

    >愚痴を言っている人間が気に入らない言い訳として、それを叩いてみたところで、何になると言うのでしょうか。
    私もこれには賛成です。

    というか、本当にいいわけを言っているのかすら疑問のケースもあります。
    「情報が足りないよ!」と言うことのサインではないでしょうか?

    私はそうとらえてきました。
    いつも、部下に示す指示は正しいのでしょうか?
    あえて意図的にださない情報もあります。

    それは、情報をだしてしまうリスクについて考えてしまうからです。
    「誤解される恐れがあるなら、ださない」という判断もするはずです。
    なので、そのときには勝手に想像されて陰口を言われることも想定内です。

    でも、その事に部課が気づき、それを直接、「情報がたりないよ!」なんて本音で言えるほど、信頼関係ができる上下関係なんてまず難しいです。
    (通常は、相手の立場にたって理論的に相手に対して何かたりないかを説明し出すときは、やめる決断ができているときです。)
    ですので、愚痴を「逃げ」としてとらえていれば、残る社員はいつも使えない状態の部課たちになってしまいます。

    それに、「愚痴」は人がどこにこだわっているかを知るいいチャンスです。
    「あなたは何にこだわっていますか?」と質問してもたいてい答えられませんが、
    「あなたは何に我慢できませんか?」と質問すれば、答えが「愚痴」に出ています。

    上司にとっては、毒をはかせるのも、その人が何に特性があるのかも知るのも仕事に思えます。

    間違いを勝手な言い分として「愚痴」にとどめてサインを出しているうちを大切にしてはいかがでしょうか?

    むしろ、仕事に対して「愚痴」を言ってくれるほど本気に考えていると思わないのでしょうか?
    そして、「愚痴」というマイナスの大きな力を「プラス」の力に変える努力をするのが上司の仕事ではないでしょうか?

    人は通常同じことを伝えても思い通りに伝わらないことばかりです。
    このように相手が本気モードに入ってきたときに、「伝えない」と決めていた情報や、
    こちらの意図を伝えるいい機会だといつも思っています。

    「なんで、あいつが、俺の部下なんだよ!」と思っているならば、人事評価や方針でそれを伝えればいいはずです。
    それもキチンと言えない上司なら、やはり「なんで、あいつが、俺の上司なんだよ!」と思われてしまうのは、仕方がないとあきらめるしかないのではないでしょうか?

    そのくらいの覚悟をもって人の上に立つべきだと思います。

    2010年12月13日

  • XXXX

     愚痴を言っている人間が気に入らない言い訳として、それを叩いてみたところで、何になると言うのでしょうか。

     ダメだと自分が思い込んだ相手を叩いてみたところで、一体どんな意味がその記事にはあるのでしょうか。

     このような記事を書く記者に共通する特徴は、

    ■問題の原因は、常に自分が信じたとおりであると考える。
    ■想像力の欠如が自分自身にもあることを想定することが出来ない。
    ■自分の脳内と現実の乖離を認識する能力が欠如している。

    と言えそうです。

    「私は自分のメシの種になるのなら、余計な文章でもなんでも書きます。例えそれが事実とは異なっても」という考えとも通じるものがあるように思います。謙虚さのない態度とも言えるでしょう。

     自分が愚痴を言っていたら、そんな気持ちになったとしたら、そのとき自分はどう考えるだろうかと考えてみてはいかがでしょうか。なぜ、彼は、こんなことを言うのだろうかを想像出来れば、何が自分と違っているかを冷静に、分析的にとらえることができるでしょう。

    2010年12月12日

  • mino

    「声を荒げてみても」の「荒げて」は間違いです。
    正しくは「荒らげて」と「ら」が入り、「あららげて」と読みます。

    2010年12月12日

  • はまーん

    全くおっしゃるとおりです。私も7-8年前にこのことに気づきました。これに気づかなかったおかげで, ストレスを抱えてうつ病になりました。うつからの回復の過程の初期にこのことに気づき, 穏やかに対処することができるようになって回復も順調です。

    2010年12月11日

  • NeXT0728

    政治にも同じ事が言えますよね。

    政治に不満を言う国民の中には、ただ頼って求めるだけの人が多いです。

    野党は、与党のあげあしを取り、邪魔するだけで、自らの方針は持っていない。

    やはり、個性を潰している教育が、今の日本をこんな状態にしているのでは、ないでしょうか。

    2010年12月11日

  • のら

    そうですよね。いやなら、やめることもできますよね。会社なら。
    自分が選んだ仕事自体、あるいは、その道を選んだ自分自身を上司と思っても面白いかも。

    2010年12月11日

SpecialPR

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]