これ一枚で分かる、今年のITビジネス・キーワード

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2011-01-08 09:35:35

 

 まずは、こちらをご覧ください。ちまたにあふれるITビジネスのキーワードとその関連をお客さまのニーズを起点につなげてみました。このチャートのPDFはこちらからダウンロードできます。
 
 たぶん、ここに掲載させていただいた多くのキーワードは、だれもがご存じのものだと思います。それらが、どういう関係にあるのかを図示してみました。ひとつひとつの解説はいたしませんが、全体の構造やなじみのないキーワードについて、少しだけ補足させていただきます。
 
 まず、先週のブログ「今年は何を売るべきか」でも紹介いたしましたが、リーマンショックをきっかけとして、「コスト削減」という言葉しか聞こえなくなってしまいしました。しかし、昨今の景気指標の改善を受け、新たな事業施策を展開するに当たり「リスク回避」や「変更への柔軟性」というキーワードが、聞こえ始めています。このような経営サイドからの要請が、ITに何を求めるだろうかと考えたのが、上からの流れです。
 これに対し、個人ユーザーが火付け役となって昨年ひとつのブームとなったスマート・フォンやタブレットが、今年は企業システムにも拡大し始めるものと考えられます。ガートナーは、これをコンシュマライゼーションと呼んでいるようです。この動きは、クライアント環境のユーザビリティや可能性を革新する一方で、セキュリティへの懸念やモバイル・ネットワークの高速・広帯域化へのニーズを押し上げることになると思います。また、IFRSへの対応にも各社本腰を入れ始めるでしょう。もはや勉強の期間は終わりました。システムの構築も含めた作業フェーズへ移行すると考えられます。このような業務サイドからの要請を下からの流れとして、整理してみました。
 
 あまりなじみのないキーワードにつきまして、以下に解説させていただきます。
 
RBA:Run Book Automation
 システムやネットワークの運用フローやプロセスを定義し、ワークフローに基づき、その構築やオーケストレーション、管理やレポートなどを自動化する機能です。仮想化により、物理資源の圧縮はできても、物理資源と仮想資源の混在により、システムの運用管理は、ますます複雑なものとなります。これを自動化しない限り、変更の柔軟性やコスト削減は、図れません。このような要請に応えようとするものです。
 
BPMとMDM:Business Process ManagemetとMaster Data Management
 国際会計基準の適用は、単なる会計ルールの変更ではありません。企業のビジネス・プロセスに変革を求めます。また、過去の集計としての会計だけではなく、将来の戦略を示すための予測データの提示も求められるようになります。その基本となるのが、ビジネス・プロセスとマスターデータを、この変化に対応して整理し整頓しようという取り組みです。そもそも、ERPは、このような企業の管理会計や戦略企画の道具として用いられるものですが、未だ多くの企業は、財務会計のための道具として使っているに過ぎません。IFRSへの対応は、そんな意識への変化をももたらすのではないでしょうか。
 
Anti-theft
 PCやクライアント・デバイスの個体認証と盗難防止のための機能です。クライアント・デバイスの革新は、その利用範囲も広げることになります。その結果、盗難のリスクも高まります。統計によると情報漏洩の8割が、置き忘れや盗難だそうです。となると、盗難防止は、暗号化やデスクトップの仮想化などとともに、ニーズが高まるものと考えられます。
 
クラウド・セキュリティ
 セキュリティの概念を変えざるを得なくなります。今までは、社内と社外の境界にファイヤーウォールを置き、外部からの侵入を防ぐ「境界防衛モデル」が主流でした。しかし、クラウドの普及により、プライベートとパブリックを連携させてシステムを利用するハイブリッド・クラウドになると、もはやこの概念は使えません。つまり、社内と社外の境界というものがなくなってしまうのです。従って、信頼できるサービスのみをつなげ、セキュリティを担保する「信頼連鎖モデル」へと変わらざるを得なくなるでしょう。

 先週のブログ「今年は何を売るべきか」も併せてご覧頂くと、もうすこし全体が見えてくるかもしれません。

 私は、主宰するITソリューション塾で、つぎのようなことをたびたび申し上げています。

 「キーワードを暗記する必要はありません。ディスプレーに映し出された単語を脳みそにコピペしたことで、知ったつもりになっている。そこに、いったい何の意味があるのでしょうか

 大切なことは、これらの言葉の背景にあるお客さまのニーズや仮題、その背景や歴史、言葉と言葉の関係を体系的に、構造的に理解することです。そうすれば、言葉は自然と記憶にとどまるものです。
 
 このような常識こそ、お客さまとの会話を支えるものす。また、提案や事業戦略を考える上での基盤となります。ぜひそんな視点で、このチャートをご覧ください。

■■■ ITソリューション塾[第6期] のご案内 ■■■

  ここで紹介させていただいたようなキーワードの背景にある構造や歴史を体系的に整理する。そんな目的で、「ITソリューション塾」を、以下の通り実施させていただきます。
 会場の都合もあり、定員は20名とさせていただきます。既にお申し込みも頂いており、席に限りもありますので、ご意向の表明だけでも早々に頂戴できれば、確保させていただきます。どうぞご検討ください。

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I 毎週水曜日、午後6時半から2時間、3ヶ月間みっちりとITの最新状況を勉強する。

これまでに無かったタイプの勉強会。これはまさに「塾」です!!

 期間:2011年2月1日(火)より4月20日(水)全10回
   原則毎週水曜日の18:30−20:30
   ただし、2月1日(火)は、会場の都合で曜日変更
   3月の月末2週につきましては、年度末のため休講
   
 費用:9万円(個人でご参加の場合は、消費税を免除させていただきます。)
*** 講義にて使用の「最新ITトレンド」のパワーポイントは、
*** ソフトコピーにて差し上げます。
*** スキルについては、PDFにて差し上げます。
 会場:東京・市ヶ谷 (アシスト社本社セミナールーム)

 内容:以下を予定しておりますが、変更がありますことを予めご了承ください。

講師は、斎藤とアプライドマーケティングの大越さんと一緒に進めさせていただきます。

 ■■−詳細は、こちらから

 最新のITトレンドを体系的に整理します。
・クラウド・コンピューティング 【概説】
・クラウド・コンピューティング 【各社の戦略】
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・オープン・ソース・ソフトウェアとソフトウェア・ビジネス
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 お問い合わせは、下記斎藤までお願いいたします。
saito@netcommerce.co.jp

 ご連絡をいただきました皆様には、詳細なご案内を送らせていただきます。
 早々のご意向表明をお願いできれば幸いです。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

1件のコメント
  • おっかけ

    >つぎのょうなことを
    昔であれば、手紙などで誤字脱字は恥ずかしい事とされていましたが、
    今日はタイプ、変換ミスがそれに当たりませんか?
    内容がすばらしいかどうかは別として、タイプミス、誤変換
    がある文章では書き手の姿勢が低く評価されてしまうのではないでしょうか?
    といって、なかなかタイプ、変換ミスは撲滅出来ないもの。
    それをどうするかに商売の芽はないのでしょうか?

    2011年01月10日