「問題」で満足し「課題」を追求しない残念な営業たち

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2011-06-25 07:30:00

  「なにか、お困りのことはありませんか?」

 もし、あなたが、こんな質問をされたら、相手に、どう応えるでしょうか。
 
 「突然、そんなことを言われても・・・」、「いゃあ、特にないですね。」、「そんなこと言われても困るよ。」・・・
 
 そんな回答をするのが、精一杯ではないでしょうか。では、次のような質問は、どうでしょう。
 
 「御社の問題は、こういうところにあると考えています。ですから、このような取り組みをされるべきだと思います。」
 
 もし、私なら次のように回答するでしょう。
 
 「有難うございます。なるほど、よく分かりました。社内で十分に検討の上、後日、改めて連絡させていただきます。」と申し上げて、きっと何もしないでしょう(笑)。私にすれば、「御社の問題」と言われても、「なるほどなぁ」と思うかもしれませんが、それを解決しなければならないほどに、差し迫っているとは思えないのです。大人ですから、礼儀はわきまえています。しかし、こちらには、それを積極的に解決しようという意欲はありません。
 
 お客さまの課題を見つけ、その解決策を提案に結びつけるのが、営業の仕事です。ソリューションとは、お客さまの課題を解決することです。しかし、これでは、解決すべき課題を見つけることが出来ません。つまり、仕事になりません。
 
 では、どうすればいいのでしょうか。その答えは、普段私たちが、漠然と捉えている「問題」や「課題」という言葉の本当の意味を正確に理解することで解決します。
 
 「営業活動とは、「問題」を見つけることから始めます。そして、これをお客さまの「課題」に変えてゆく取り組みです。
 
 ますます分からなくなったかもしれませんね(笑)。では、この違いを考えてみましょう。きっと、この違いが理解できれば、前述のふたつの会話が、どれほど、お客さまの「課題」を見いだすには、ほど遠い質問であるかが、分かると思いますよ。
 
 まず、「問題」についてです。「問題」とは事実のことです。お客さまの情報を整理することで、お客さまの現状が明らかになります。その現状が、お客さまにとって将来のリスクであり、不利益をもたらすものであるとすれば、それが、お客さまの「問題」です。

 ただし、お客さまは、その「問題」に気付いているとは限りません。あるいは、気付いていても、問題の重要性やこれに対処する必要性を感じていないかもしれません。そこで私たちは、お客さまに代わり、お客様の事実を整理し、分析することで、そこにある「問題」を明らかにすることから始めます。

 アカウント・プラン作りをされている営業の方も、多いのではないでしょうか。アカウント・プランとは、このようなお客さまの事実をわかりやすく整理し、そこにある「問題」を探す活動です。しかし、それは、私たちが、勝手に「大変だ!」と思っているに過ぎないのです。お客さまも同じように「大変だ!」と思っていただかなければ、お客さまは、行動を起こすことはありません。

 もうおわかりですよね。そう、お客さまの「課題」とは、「お客様自身が『なんとかしなくては大変なことになる』と認識した事実=問題」なのです。
 
 「課題」とは、お客さまの『現状』と『こうありたいと望んでいること』との間にあるギャップです。つまり、お客さまが、そのギャップを埋めたいという意志がそこにある場合、「問題」は、「課題」となります。

 提案活動を始めるに当たり、事実としての「問題」を私たちが、知っているだけでは不十分です。また、お客さまに、その事実を伝えるだけでも意味がありません。それを解決したいというお客さまの意欲を引き出す必要があります。もし、お客さまに解決したいという意欲がなければ、貴方の提案がどんなにすばらしいものであっても、お客さまは、決して受け入れません。

 お客さまの課題を明確にする取り組みとは、お客様に、「将来のリスクや不利益を抱えているという事実」=「問題」を認識させ、それを、「この問題を解決したいという意欲」=「課題」に変えてゆく取り組みなのです。
 
 私たちは、この「問題」と「課題」の違いを、正しく理解しておくべきです。独りよがりの「問題」をお客さまに押しつけても、お客さまが、それを自分の「課題」として、受け入れない限り、ビジネスは前に進みません。
 
 今日のあなたは、とてもうまく説明できたかもしれません。「これで分からないなら、分からない方がおかしい」と思うかもしれません。確かに、あなたはうまく事実=問題を伝えることが出来たかもしれませんね。しかし、どうでしょう、お客さまに、その問題を解決したいという意欲=課題を引き出すところまで、お客さまと会話できたでしょうか。あなたは、そのことを確認しましたか?
 
 課題発掘とは、お客さまの問題を見つける活動ではありません。お客さまに解決したいという意欲を引き出す活動です。
 
 もうおわかりですよね。なぜ、最初のふたつの会話が、お客さまの「課題」を見いだすには、ほど遠いかを。
 
 ところで、「意欲を引き出す・・・」とは、どういうことでしょう?これについては、いずれまた。


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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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