新人営業の皆さんへ 優秀な営業になるための方法をお教えしましょう

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2013-06-15 12:30:00

「営業として一人前になるためには、何を勉強しておけばいいでしょうか。」


営業職への配属が決まっている新入社員を対象とした研修で、こんな質問を頂きました。そして、こう答えました。


「全てです。」


「営業は、ものを売り、お金を得る仕事だから、製品や技術についての知識をつけ、説得やプレゼンテーションのスキルを学んで、お客様と交渉できなきゃいけない。そういう力を早く身につけて、1人で営業できるようになりたい。」


そう思っているのではありませんか。でも、それは間違えです。


営業は、モノやサービスを売る仕事ではありません。お客様に満足を提供する仕事です。


お客様は、貴方が与えてくれる満足に感謝し、その対価としてお金を払ってくれるのです。モノやサービスは、お客様の満足を実現する手段であり、お金をもらう手段にすぎません。


「どうすれば、お客様を満足させられるのか」これを追求することが営業の仕事ともいえるでしょう。


ではどうすれば、そんな能力を身につけられるのでしょうか。次の3つの提案をしたいと思います。


まずは、「ささやかな習慣」を身につけることです。


お客様に満足をお届けするためには、お客様についての深い理解が必要です。お客様はどういう業務をしているのでしょうか。規模や業界での順位はどうなっているでしょうか。どのような製品やサービスを得意としているのでしょうか。お客様の経営状態はどうでしょうか。貴方が担当する部門はどういう仕事をしているのでしょうか。情報システム部門は、どのようなシステムを使っているのでしょうか。組織はどうなっていますか。誰が何を担当し、責任者はだれでしょうか。今どんなことが課題となっているのでしょうか・・・

お客様を理解するためには、様々な情報を手に入れなければなりません。しかも、お客様の状況は常に変化しています。手に入れた瞬間から情報の陳腐化が始まります。その変化にも追いつかなければなりません。


このような情報を手に入れ、理解するためには、経営や業務についての知識が必要です。業界や経済、時事のニュースについても関心を持たなければなりません。財務諸表も読めなければなまりません。


ITについての知識も必要です。情報システムの基礎や歴史、開発や運用の仕組み、テクノロジーの最新動向。マーケティングやマネージメントについての知識も欠かせません。


確かに、プレゼンテーションやドキュメンテーションの能力も必要です。でも、お客様を理解できなければ、伝える方法をいくら磨いても、何の役にも立ちません。


「そんなに、やることがあるんですか。一生かかっても無理ですよ。」


そうです。無理です。できるはずありません。きっと一生できないでしょう。


営業の勉強に、ここまででいいはありません。取りあえずもありません。勉強しづけなければならないのです。


「ささやかな習慣」が、この問題を解決してくれます。毎朝一時間、勉強のために時間を作るだけのことです。たったそれだけです。電車の中で本や新聞を読む時間以外にです。休日もまた同様です。


知識は、常に積み上げであり、更新です。そのための習慣を身につけることです。営業力は、そんな土台の上に築かれてゆくのです。


次は、「想像力」を身につけることです。


打ち合わせの席で居眠りをしていたら相手はどう思うでしょうか。靴を脱ぎ、横柄な態度で相手の話を聞き流すようにきょろきょろしたり、内職をしていたらどうでしょうか。きっと、相手は貴方の存在を不快に思うでしょう。


貴方が知っているからと言って、相手が知っているとは限りません。それにもかかわらず、こちらの一方的な説明や資料を送りつけたとしたら、相手は困惑するはずです。


想像力を働かせてください。相手は、何を伝えようとしているのでしょうか。何に困っているのでしょうか。どこまでご存知なのでしょうか。どういう説明をすれば、分かってもらえるでしょうか。どのような話題ならば、興味を持っていだけるのでしょうか。どうすれば、喜んでもらえるのでしょうか・・・


そんな想像力を働かせながら、真剣に相手の話を聞いていれば、きっと眠くはなりません。気がついたことや相手の関心事についてメモを取り、分からなければ質問をします。相手の考えていること、相手の立場、相手の期待を想像することです。


自分から気の利いた説明をしようなどと思わないことです。まずは、想像力を働かせ、真摯に相手に向き合うことです。信頼はこういう態度から育まれてゆくのです。


最後は、「失敗の積み重ね」です。


新入社員の皆さんは、「若気の至り」という、期間限定の特権が与えられています。有効期限は、せいぜい28才といったところでしょう。お客様に満足してらおう、成功させようと、積極的にチャレンジしての失敗ならば、マイナス点になることはありません。叱られはするでしょうが、評価はプラスです。


この期間に失敗という自分の屍をどんどんと積み上げることです。気がつけば、それは高い山となり、あなたはその頂上に立って、遠くを見渡す力を身につけているはずです。


周りがどう考えるかではなく、自分はどう思うかで行動することです。その結果は、貴方自身が負わなくてはいけません。その覚悟は必要です。しかし、「若気の至り」期間中であれば、先輩や上司が、貴方の失敗を一緒に背負ってくれるでしょう。


「ささやかな習慣」、「想像力」、「失敗の積み重ね」。営業力を身につける、最も効果的な方法です。


もうひとつ、研修についてもつぎのことを理解しておいてください。


「研修で成長できるなんて、期待しないでください。」


研修は、皆さんに成長の切っ掛けを与える場でしかありません。研修で成長できるとか、知識が増えるとかを期待しても無駄です。皆さんの成長は、講師の責任ではないのです。


研修で気付いたこと、学んだことを実行してみることです。研修で分からないことを調べることです。関係しそうな本を読むことです。成長するかどうかは、皆さんがそれをやるかどうかです。全て自分の責任です。それを会社や周りの責任にしてはいけません。


お客様に満足を与えるためにどうすればいいのか。それが、営業という仕事のテーマです。このテーマを忘れず、ひたむきに追求すれば、いずれは周りも認める優秀な営業になっているはずです。


そのためのマニュアルはありません。直ちに使えるスキルなど、期待しても無駄です。


ここで提案したことをやるかやらないかです。それには決心がいります。努力が必要です。しかし、それを手に入れておけば、一生の宝物になることだけはお約束します。


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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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