「お客様の業務を知っている」からといってどれほどの役に立つのでしょうか

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2013-09-14 11:00:00

「お客様の業務なら、十分に知っているつもりです。」

あるSI事業者の流通業を担当する営業さんが、自信ありげに話されていました。

「お客様の業務を知らなきゃ、これからはやっていけない。製品や技術のことばかりでなく、もっと上流の業務について分かっていなきゃ、これからの営業は務まらない。」

そんな言葉をよく耳にしますが、本当にそうなのでしょうか。この営業さんも、同じお客様を長年担当され、確かにお客様の業務をよくご存知のようです。しかし、営業として成果を上げているかと言えば、「ほどほど」のようです。

「業務を知っている=優秀な営業」という等式は、必ずしも成り立つように思えません。

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では、営業にとつて、「お客様の業務を知っている」とは、どういうことなのでしょうか。「お客様の“未来の” 業務を知っている」と、修飾語をつけてみてはどうでしょう。

例え“今の”業務を知っていたとしても、そこからどのような提案ができるのでしょうか。

お客様の業務にはどのような課題があり、どのように改善すればいいのでしょうか。お客様の業界のこと、競合のこと、お客様の経営戦略のことを知らずして、お客様のあるべき未来の姿を描くことはできません。そこに至る道筋を示すことができなければ、魅力ある提案などできるはずはありません。

テクノロジーの未来についても、知っておかなければなりません。私たちは、お客様の未来の業務を実現するために、ITはどのような貢献ができるのでしょうか。それは、今あるテクノロジーや製品だけで、答えを出すことはできません。来たるべき未来をも見据えたITの活用を提案ができてこそ、お客様の“未来の”業務を支えられるのではないでしょうか。

営業は、お客様の“未来”に責任を持つ仕事です。お客様の業務の未来とテクノロジーの未来を知り、3年後、5年後にこうあるべき、と伝えることが、営業の仕事です。

お客様の良き相談相手であることもまた、私たちの目指すべき姿です。自分たちのこれからを相談できる存在になれば、自ずと仕事を任せていだけるようになるでしょう。性能や機能、価格や納期だけでは、差別化が難しい時代にあって、競争優位を築く重要な要件となります。

お客様の今(As is)の業務を知ることは、未来(To Be)を知るための土台です。しかし、どうすれば、もっと良くなるかを、お客様の業務や経営にまで拡げ、どうすればいいかを考え、調べ、仮説を立てお客様にぶつけて確認する、そういう心構えと行動の繰り返しが、未来を知る最良の筋道だと思っています。

「お客様の業務なら、十分に知っているつもりです。」

だからなんだというのでしょう。お客様をもっと良くするためにはどうすればいいのか。そこへの想い無くして、お客様の“未来の”業務を知ることはできず、良き相談相手として、受け入れていだくことはできません。

「そう言われても、簡単なことではありませんよ。」

という声が聞こえてきそうです。その通り、簡単ではないからこそ、差別化でき、競争優位を築くことができるのです。

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【ITソリューション塾・第14期】が、10月2日より開催されます。既に当初予定した定員を超えるお申し込みを頂戴いたしましたが、会場を拡げることができました。ただ、こちらもすぐに定員になることが予想されますので、早々にご意向だけでもお知らせいただければ幸いです。

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JUKU14

10月2日(水)から毎週水曜日18:30-20:30 全10回

今回もこれまで同様、テクノロジーやビジネスの最新トレンドを抑えつつも、
表層的なキーワードを追いかけるのではなく、トレンドが生みだされた歴史的背景や顧客価値など、
トレンドの本質を抑えることを力点に置くつもりです。

新たたテーマや改善点としては・・・

・仮想化をSDxの視点で捉え直しそのビジネス価値を整理する。
・SIビジネスに危機感が漂う中、現場価値の徹底追求と現物主義により、
顧客満足と高い利益を実現している「アジャイル型請負開発」の実践事例の紹介。
・ストレージとデータベースのテクノロジーの大きな変化が
ITのプラットフォームやアプリケーションの開発をどう変えるのか。
・ビッグデータの本質と新しい動きを踏まえたビジネスの可能性。
・セキュリティやガバナンスの原理原則とクラウド・ファーストに向けた取り組み。
・システム・インテグレーション崩壊とポストSI時代のビジネス戦略。

・・・など、これからの変化を先読みしつつ、その次の手を考えるヒントを提供したいと考えています。ご検討ください。

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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