秘密の勉強法

斎藤昌義(さいとう まさのり) 2013-11-09 07:00:00

「どうやって、勉強しているんですか?」

ITソリューション塾やITトレンドの講義をしていると、こんな質問を頂くことがあります。なるほど、私がかなりの勉強家であるのか、あるいは、何か魔法のようなテクニックを持っているのかと、勘違いされているのだなぁ、と苦笑いです。

「自分の仕事は完璧にこなしたい」。多くの皆さんがそう思っているのではないでしょうか。もちろん、「完璧」など、無理な話です。だからこそ、少しでも「完璧」近づけるように全力を尽くして頑張っているのです。

私もまた、多くの皆さんと同じです。人に教え、アドバイスを差し上げることを生業としているものとして、素材を集め、それを整理し、わかりやすい資料を作ることは、必要な努力なのです。

プログラマーが、プログラミング言語を学び、最新のプログラミングやフレームワークの情報を収集し、ノウハウを磨くべく努力していることと何の違いもありません。

営業がお客様の経営や業績、お客様の業務、業界、人脈について情報を収集し、どこにビジネス・チャンスがあるかを探し、提案や交渉のスキルを磨くことと、同じことなのです。

そういう皆さんと共通していることは何かと言えば、昨日より今日、少しでも成長したいという想いかもしれません。あるいは、新しいことを身につけなければ、仕事を干されてしまうと言う強迫観念かもしれません。いずれにしろ、誰かに「やれ!」と言われてやっているのではなく、「今の状態に留まりたくはない」という自発的な衝動が、自分を突き動かしていることは、確かなようです。

では、そんな私がやっている「勉強」の方法について、ご参考までに少し紹介させていだきます。

 ランダム・アクセス

これといったジャンルを決めず、自分の興味の赴くままにいろいろとつまみ食いをしています。タイトルにだまされて、がっかりという内容も少なくはありません。そういうものでも、取りあえず目を通し、つまらなければ、また次にゆきます。そんなことをやっているうちに、これは!という情報に出逢うことがあります。そのときには、その情報に関連した情報をネットで探して、情報の深掘りをしています。

ランダム・アクセスのインデックスを与えてくれるのは、TwitterやFacebookです。関心や興味、専門の異なる人々が発信する様々なTLは、情報の存在を知る切っ掛けを効率よく与えてくれます。もちろん、つまらない話題も少なくはありませんが(笑)、それ以上に、魅力的な情報への切っ掛けを得られることが貴重です。そういう人たちが「友達」となっていることも、重要なのかもしれません。子どもの頃、母親から「いい友達とつきあいなさいよ」と言われたことを今改めて実感しています(笑)。

他にも、仕事での会話や呑みの席での話題、雑誌や新聞など、情報のインデックスが提供される機会は、数多くあります。そういうものに、積極的に参加し、関わることでインデックスを増やし、情報への入口を増やすようにしています。

 アクティブな関与

セミナーやイベントから得られる情報も少なくありません。しかし、単に受動的に関わるのではなく、質問をする、ディスカッションに参加することで、得られるものは何倍にも膨らみます。特に、質問は極めて効率のいい情報整理術です。

セミナーやイベントに参加すると、私はどんな質問をしようかと常に考えながら話を聞くようにしています。話された内容を聞きながら「なぜ?」をメモに書き留めながら質問を作ってゆきます。講師の話の中で、その説明が出てくることも多いのですが、そんな事を考えながら話を聞いてゆくと、頭の中がとても良く整理されてゆきます。それを後で文章や資料にまとめると、話された以上にいろいろなものが見えてくることがあります。

また、こういうセミナーやイベントの主催者や運営側に関与することにも意欲を燃やしています。聞く側では得られない、深い議論や幅広い情報を手に入れることができます。こういう立場に立つ人は、情報の発信や共有に並々ならぬ意欲を持っている人が多く、お互いの相乗効果は、一方通行の話では得られない厚みと幅を与えてくれますし、創発の喜びを体験することができます。

アウトプット思考

アウトプットのために、情報を収集するということです。

情報は流れであり、カタチをとどめていることはできません。また、様々な情報の流れにぶつかり、元の流れも変わってしまいます。これをカタチにして残すためには、努力が必要です。

「どういう表現にすれば相手に理解してもらえるだろうか?」

「この文章での説明をどういう絵にすれば直感的に理解してもらえるだろうか?」

「この情報を理解してもらうためには、どんな情報を事前伝えれば、いいだろうか?」

などなど、他の人にわかりやすく伝えるためにはどうすればいいかを意識して、情報を読むようにしています。そして、情報に接しながら、自分の言葉で、あるいは、殴り書きの絵を描きながら、だんだんカタチを具体的なものにしています。

また、気付いたこと、中途半端ながらも整理できたことをFacebookに発信することも、アウトプット思考の有効な手段です。とにかく自分の言葉を他人の目に触れさせてみるのです。他人の目に触れさせるためには、それなりの思考の整理が必要です。そこにコメントを頂くことで、自分の思い違いや思考の浅さに気付かされることもあります。また、新たな解釈や関連づけを手に入れることもでき思考が深まります。

こういう思考方法をしていると、何が枝葉で、何が幹なのか、つまり、物事の本質のようなものが見えてきます。

次の写真をご覧頂くと、そんな「アウトプット思考」のプロセスが、ご理解いただけるかもしれません。

 photo

意識して時間を作る

こういう作業をするためには、時間がかかります。それをひねり出さなくてはなりません。私は、これが仕事ですから、日中でも情報収集のために時間を使うことはあります。それでも限界はあります。そこで、ひとつ決めていることは、早朝の情報収集です。

目標は5時起床です。しかし、最近は4時台に目を覚ますことも多く、少々困っています(笑)。ただ、自然と目を覚ますまでの時間がその人にとっては最適な睡眠時間と信じ、無理して二度寝はしないようにしています。

まず起きれば、湯船につかりながら30分ほど本を読みます。その後、コーヒーを飲みながらネットに向かいます。結局は、1時間から2時間、情報収集や整理のためにまとまった時間を作るようにしています。これが私の情報収集のコアタイムです。

後は移動中のスマホ、タブレット、書籍での情報収集です。講義や講演の休憩時間も、次の話のネタをネットで探しています。

夜は、呑まなければなりませんからゆっくり時間が取れません。だから結局、早朝しか時間がとれないのです。

早朝を情報収集や整理に使うという習慣は、社会人になった頃からのものです。もう30年くらいづけています。IBM時代は、半端なく忙しかったですから、自分のための時間は、早朝しかありませんでした。そんな制約が、こういう習慣を持たせてくれたのだと思います。

「どうやって、勉強しているんですか?」のご質問に答えるとすれば、こういうことかもしれません。少しは、参考なりますでしょうか。もし、何かヒントになるものがあれば幸いです。

意欲も手段も、結局は自分で見つけるしかありません。ここに紹介したことが唯一の方法ではありません。結局は、成長への意欲、好奇心、世のため人のための志・・・そういうものが自分にふさわしい方法を試行錯誤の中から与えてくれるのではないでしょうか。

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