もうひとつの商標問題――「オープンソース」

opensource 2005-09-03 00:41:20

 ZDNetに寄稿しているDan Farberが、示唆に富むすばらしい記事を書いた。いわく、SugarCRMという企業が、一昔前のシェアウェアのような製品を「商用オープンソース」と呼んで提供しているという。

 わたしも当時をよく覚えている。あのころ、任意のプログラムの簡易版は無料で使用できたが、完全なものを利用したい場合は料金を支払わねばならなかった。

 Farberは、SugarCRMのCEOであるJohn Roberts(リンク先の写真左Robertsだ。ほかの2人は、同社の共同創立者Cliff OrumおよびJacob Taylor)と話をしたそうだが、Robertsは事の経緯について実に率直に語ってくれたという。Robertsはウェブページにで、次のような発言をしている。

世界中のCRM開発者の英知を統合し活用することで、SugarCRMは現代のほとんどのプロプライエタリソフトウェアやホスティング企業の製品よりも、はるかに革新的なCRMアプリケーションを生み出した。

 これはまさに、George Orwell的オープンソースというほかない。オープンソースの称号を冠して、オープンソースプロセスであるオープンソース開発コミュニティの努力の結晶を利用しているというのに、いざとなるとその自由な利用を制限し、人々に料金を支払わせるのである。ここでの「商用」という語句は、その後に続く「オープンソース」の概念を完全に無意味化している。

 Danはこうした商標の一般利用に関してすぐれた議論を展開しているが、わたしはあえて、ここ最近本ブログで取り上げた話題に固執したいと思う。「オープンソース」という語句を、商標的に使用していいものか? そして例えばそうしたとき、それはどんな意味を持ち得るというのか?

 一部の人々の意図は別として、それになんの意味もないのなら、オープンソースという言葉を使い続けることは果たして正しいことなのだろうか。というより、そんなことが可能なのだろうか。

 それからもう1つ、今話題にしているのは、俗にミッションクリティカルと言われるCRMソフトウェアの開発についてだということを忘れてはならない。そうした製品の開発に、オープンソースプロセスを利用できるだろうか。今回の一件を鑑みるに、残念ながら否と回答するしかなさそうなのである。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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