オープンソース標準という“流行り”

opensource 2005-10-28 00:38:36

 IBMとCisco Systemsが協力し、オープンソースのストレージ標準を策定すると発表されたが、このニュースの背後には今日の大きなトレンドが存在している。

 すなわち、「標準」だ。

 どんな技術にもまだ発展の余地はあるが、現在では、そうした進化も何らかの基準に基づかねばならない段階に来ている。この基準は、共有可能なものでなくてはならない。

 共有を可能にするビジネスメカニズムこそが、オープンソースである。

 特にライセンス体系に関連した、オープンソース開発コミュニティにおける衝突の大半は、共有可能な標準をどこまで規定すればよいのかという問題とからんでいる。共有するものとそうでないもの、壁の向こう側にあるものと外部にさらされているもの、その境界線はいったいどこに引けばよいのか。

 最新のケースを例に挙げてみよう。IBMとCiscoがオープンスタンダードの策定を目指して設立したAperiという団体には、Computer Associates International、Engenio Information Technologies、Fujitsu、McDataといった企業が参加している。一方、EMCやSun Microsystems、SymantecおよびHewlett-Packardなどは、現時点では参入していない。

 ここで明らかなのは(こうした例の常でもあるが)、企業はみずからが立つ立場によって、事象に対する態度を決定しているということである。Sunは、さまざまな分野でオープンソース標準策定を押し進める旗振り役だ。それなのに、なぜ今回の取り組みには加わっていないのか? これは同社の方針とは無関係で、Aperiに参加しても自社の野望は達成できないと、Sunが確信していることによる。

 どちらの陣営が勝機をつかむのかは、時とともに判明するだろう。だが、今回の一連の動きから学ぶべきことは明らかだ。オープンソースは、プロプライエタリの威力を大幅に削ぐ、ビジネス上の武器なのである。だが多くの企業は、いまだにこの武器の戦略的使用を試みている。

 言い換えるなら、オープンソースへの取り組みは企業方針ではなく、むしろ主義主張(そして関心)に近いということになる。一方企業のビジネスでは、公より私が優先されている。

 別にこれを非難する気はない。だが、利己主義的な目的でオープンソースに関わる者、オープンソースを企業戦略とする者は、こうした単純な真実を常に思い起こす必要があるのではないだろうか。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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