Free Software Foundation(FSF)が、GPL(General Public License)の見直しに関して助力を広く求めている。
「コピーレフト」となることが知られているGPLのバージョン3.0は、2006年に策定され、公開される予定だ。マサチューセッツ工科大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)で来年1月16〜17日に開催される「International Public Conference for GPLv3」において、同ライセンスの検討/考察用の最初のドラフトが利用できるようになる。
イベントの案内にはRichard Stallmanの顔写真が載っていたが、FSFEuropeのGeorge C.F. Greveによれば、こうした過程の調整を担当しているのはEben Moglenだという。
Stallman自身がここで目指していることは、非常にはっきりしている。現在FSFが配布している文書からStallmanの目的を読み取ると、次のようなものになるだろう。
- 国際的なライセンス:現行のライセンスは、主に米国の法律を主眼に置いて作成されたものだ。
- 遡及的な互換性:バージョン2.0を閲覧し、コードを変更する自由を、今と同じように保護する必要がある。
- 予想される結果の明示:既存の権利保有者に害を及ぼしてはならない。
- 開発コミュニティとの対話:関係者すべての意見を検討することが重要。
1月のカンファレンスでは、同ライセンスで最初に提案されたバージョンの内容に従い、各変更の理由を説明する「根拠文書」も発表される。新ライセンスの第二版は2006年6月に、最終版は10月にリリースが予定されているが、これは9月および翌2007年の3月になる可能性もある。
今回わたしが興味を引かれたのは、同ライセンスで策定過程が重視されている点だ。願わくば、明確なゴールを設定した大規模で国際的な取り組みを進めていく方法を、モデル化してもらいたい。彼らがこうした理想を実現できるか否かは、時間が経てば明らかになるだろう。
(Dana Blankenhorn)
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