IT業界から最も憎まれている男(1/2)

opensource 2006-06-21 18:31:29

 オープンソースに関する話題を追いかけるようになって2年近く経過したが、さまざまな問題に対して正しい意見を唱えているにもかかわらず、Richard Stallman氏は世界の誰よりも憎まれているように感じる。

 念のため記しておくが、Stallman氏は、GNUと「フリーソフトウェア」運動の立役者ではあるが、オープンソースの生みの親ではない。生みの親の親、といったところだろう。Stallman氏は、わたしがしばしば「4つの自由」と言い表すものを作り上げた人物だ。4つの自由とはすなわち、取得の自由、使用の自由、変更の自由、要望の自由の4つである。

 新しく記述したコードを交換提供して他者の自由を確立するという、義務とも換言できるこの最後の自由を、多くの人々は不快なものとして受け取った。そしてその反感に対する反動が、「オープンソース」運動の起源なのである。ただ、こうした制約からビジネスを解放するためには、4番目の自由は犠牲にするほかないと考える企業は少なくなかった。

 4番目の自由が犠牲になった例が、BSD系のライセンスだ。BSDコードに対する変更は、開発コミュニティと共有する必要はない。だがその結果はどうだったろう。結局のところ、BSDライセンスをベースとするプロジェクトは、Stallman氏が提唱したGPLプロジェクトほどの支持は得られなかった。BSDプロジェクトに取り組む企業は、他社との連携を進めていく意向で、顧客もBSDライセンスを好んでいると主張する。しかし、BSD開発コミュニティは、BSDプロジェクトの向上に自発的に時間を割く開発者による支援を、実際には得られていない。そうした開発者が圧倒的に多いのは、やはりGPLなのである。

(2/2へ続く)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

SpecialPR

  • ビジネスの継続的な成長を促す新たなITのビジョン

    多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!