Googleは、特異な企業文化を持つ会社だ。
オープンソースと同様、同社は試行錯誤することを根本に置いている。成功する場合もあれば、失敗に終わることもあるという具合に。
一方、Microsoftはあたかもプロレス団体のごとく、飛び抜けた人材を雇い入れては、檻の中に閉じこめる戦略を採っている。またYahooは、米国ラジオ業界のスターであるHoward Stern氏のように、あらゆるメディアの王となることを目指している。1人の偉大な男――この場合はSteve Jobs氏――に依存するAppleのやり方は、どちらかと言えば平凡だ。General Electricにおいては、そうした偉大な男がすでに5世代(くらい)にわたって覇権を握っている(「偉大な男による支配」記録をこのまま更新し続けられるとよいが)。
Googleの身上は挑戦である。あるときは社内で、あるときは社外で、彼らは常に何かを試そうとしている。正しい鍵を穴に差し込んだときのように、ときにはそれがぴたりとはまって、ブッシュ大統領個人から「グーグルさん」と呼ばれるまでの知名度を獲得したこともある(記者会見での質問に、「『The Google』は地図を見たりするのに便利だね」と答えてしまい、失笑を買った)。大統領は、彼にとっては流刑地と変わりないワシントンから、クロフォードにある自分の牧場を「Google Maps」で眺めているそうだ(わたしも自分の家を探したことがある。読者の大半も同じだろう)。「Blogger」なども、そこそこの成功を収めた(あまり成功していないとも言える)。ほかの優先事項に埋もれてしまい、(膨大なコストがかかっているわけではないものの)穀潰し的存在に堕ちてしまった、「Froogle」や「Google News」といったものもある。
YouTubeに代表される大きな買い物をしたかと思えば、JotSpotなどの小さな獲物も捕まえる。
JotSpotは、今いちばん旬な技術の1つ、wikiを扱う会社だ。Googleに買収されるとは、創立者のJoe Kraus氏もさぞかし興奮しているだろう。Evan Williams氏も、Bloggerを売却したときは小躍りしていた(同氏は現在はほかの仕事に就いている)。
このように、Googleは成功と失敗を繰り返してきた。しかし、(何より重要なことに)同社は挑戦を止めない。そうした戦略が変わることがあるとすれば、財政上の理由からそうしなければならないときくらいのものだろう。運悪くその日にGoogleplexを訪れていないことを祈る。
(Dana Blankenhorn)
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