先日、中間選挙の投票を済ませてきた。
わたしが住んでいるジョージア州では、Dieboldの電子投票機(写真参照)が利用されている。開票作業が正確に行われることを期待したいが、そううまくはいかないかもしれない。先週HBOが放送した特別番組では、同社の投票機と電子投票制度(後者がより重要だ)はいずれもクローズドソースであり、ハッキングが容易だという指摘がなされた。
現在利用されているDieboldのシステムでは、選挙権が盗まれても証明できない。また、盗まれていないことも証明できない。きわめて危険な状態である。
それでは、これをオープンソースに移行したら、事態は改善するのだろうか。
自分で自分の首を絞めることになりかねないが、ここは敢えて否と言おう。
プログラムがオープンソースであるとかクローズドソースであるとかといった問題は、制度の透明性には何ら関係がない。透明性こそが、今のわたしたちに必要なものだ。透明性の高いコンピュータ投票システムとは、投票者に受領証を発行し、その複製を保管して、集計結果と照らし合わせるシステムを指す。一連の作業は、投票の運営側と投票者の双方がチェックできるようにしておく。
クレジットカードの決済システムなどは、まさにこうした仕組みで機能しているが、そのほとんどがクローズドソースである。だが、技術的な詳細はきちんと公開されているし、監査も行われている。また、すべての関係者にとって、システムの精度を保つことがメリットになるようになっている。
一方で、機械的なシステムなら問題なく動くというのは皮肉なことだ。30年以上も前、高校に通っていた頃、そうしたシステムを利用した投票を初めて経験した。4台の巨大で不格好な機械が、廊下をゴロゴロ運ばれていったのを今も思い出す。前面にあるレバーを操作して背面のカウンターを動かす、ごく単純な装置だった。投票後は後ろ側のふたを開けて、結果を集計する。
わたしが選挙に勝ったというのに、当時はだれひとり不満を漏らさなかったものだ。
(Dana Blankenhorn)
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