障害を持つ人々にこそオープンソースを

opensource 2006-12-14 17:17:21

 2006年、オープンソースは次の2種類の市場で大きな存在感を示した。

 

     

     

  • 黒字転換を目指してソリューションに投資している企業向けの市場

     

     

  • 何百万人ものユーザーがコストを負担し合う大衆市場

     

     

 

 障害を持つ人々の市場(下の写真は、Assistive Technologiesの製品)は、これら双方の市場のように、オープンソースの恩恵にあずかることはできていない。視力や聴力を失ったり、自由に移動できなくなったりすれば、人はとたんにマイノリティになってしまう。何らかの対策への投資が絶対的に必要になるのに、そうした投資を行う能力も大きく低下してしまう。

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 さらに悪いことに、障害を持つ人がみな同じマイノリティであるとは限らない。個人が抱える問題が、その人の市場ニーズを決めるのである。どの程度見えないのか、どの程度動けないのか――マイノリティと言っても、千差万別なのだ。

 その結果、補助的で適応力があり、アクセスしやすいマーケットは細分化されてしまう。細分化した各分野は市場のごく一部を占めているだけなので、オープンソースのメリットを享受できない。

 これが、マサチューセッツ州で「Open Document Format(ODF)」がMicrosoftに敗北した理由である。画面拡大製品のメーカーがサポートしているのはMicrosoftのフォーマットだけで、ODFには対応していなかったのだ。これでは、オープンソースは障害者を差別しているなどと中傷されかねない。

 同様の事態が、「Microsoft Vista」をめぐっても起こりつつある。Vistaは、かつてないほど障害者に親切な作りだと言われている。だが真実は、Vistaの利便性が向上したのではなく、オープンソースプロジェクトの利便性が劣っているということに尽きる。

 クリスマスに1つだけ願いを聞いてもらえるならば、来年はこうした状況が打開されることを望む。オープンソースが実現するコスト削減効果は、肉体的にハンデを負っている人々にこそもたらされるべきであると思うのだが、そうした未来ははたしていつ頃やってくるのだろう。

 2007年3月にカリフォルニア州ノースリッジで開催される「California Technology & Persons with Disabilities Conference」が、未来への第一歩になるかもしれない。同カンファレンスの出展者リストには、オープンソース企業も多数含まれている。

(Dana Blankenhorn)

 

 

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