オープンソースは政治の「道具」?

opensource 2007-03-12 16:24:01

 2006年、マサチューセッツ州でオープンソースが政争に利用されたことはまだ記憶に新しい。このときは、「OpenDocument」フォーマット(ODF)を州の標準形式として採用するかどうかという、技術的な問題に焦点が当てられていた。

 今度は英国で、政治家がオープンソースを駆使する様子が見られている。ただしマサチューセッツとは異なり、ここではオープンソースが政治を完全に代弁している。

 10年ぶりに政権奪取の大きなチャンスをつかんだ保守党が、「ボトムアップ」や「トランスパレンシー(透明性)」などのポピュラーな用語を使って施政方針を語り、オープンソースの概念を分断争点のとして持ち込んでいるのだ。

 影の大蔵大臣を務めるGeorge Osborne氏は、オープンソースを採用するすることで6億ポンド(約11億5000万ドル)のコスト削減が可能になると述べているが、同氏のほんとうのねらいは、政府事業に関する労働党の秘密主義を打倒することである。

 同氏はソフトウェア調達どころか、ソーシャルネットワーキングサイトを利用して政治活動を組織および促進したり、インターネットの活用によって政府の決定に透明性を持たせたりといった計画まで発表している。

 Osborne氏の考えは、英国第三の政党であり、学校でのオープンソースソフトウェア採用を提唱してきた自由民主党からも支持された。次の選挙でいずれの政党も議席の過半数を取得できなかった場合、党同士の連携が不可欠になるが、こうした流れから考えれば、自由民主党が保守党に肩入れする可能性はきわめて高く、保守党にとっては意味のあることだと言える。

 ZDNetのRupert Goodwins氏は、Osborne氏のIT問題に対する姿勢を「イケてる」と評価したが、わたしは経験上、政治家が「イケてる」ことを口にするときは、彼らが垂らしている釣り糸のどちら側に釣り針がついているのか、よくよく気をつけて確かめることにしている。釣り上げられのは、ほかのだれでもなく、わたしたち自身かもしれないのだ。

 保守党のオープンソースびいきは、結局のところよい兆候なのか、あるいはそうではないのか。政治の世界ではおなじみのいかさまなのか、それとも、オープンソースはほんとうに現代社会の問題を解決する政治的手段になりつつあるのか。Barack Obama氏やRudy Giuliani(もしくは、大統領選への出馬が噂されるFred Dalton Thompson氏)が、すぐそこのサーバファームを見学に訪れたりする日が、いつかはやって来るのだろうか。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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