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「どうすれば人に来てもらえるか」
俺は自分に問うように、考え込む。
冷性パスタはすっかり俺の胃に入りこみ、あとはデザートを待つだけだ。須藤さん同様熱いコーヒーを口に含む。冷たいパスタの後の熱さに俺の胃は刺激され、俺の脳にも伝わった。
「先ずどんな人に来てもらいたいかが重要。ターゲット設定だ。それは普通のビジネスでも同じだけれど、このセカンドライフ内では特に重要だ。なぜなら人数制限……SIM(島)に入れる上限が100人と決まっているからね」
「それ以上入るとSIMがパンク…止まってしまう?」
「そう。だから先ずはターゲット設定。変な話ファッションの島にゲーム好きのアバターが100人いても無駄だよね。それどころか、逆にファッションに興味のある人が島に入れなくなってしまう。それは非常に困るし無駄以外の何ものでもない。だから、島に来て欲しい人をイメージする事が重要。匠君のターゲットはどんなユーザーだい?」
「……まだ決まってはいないけれど、とりあえず会社を作って、例えば自社で売っている製品をとりあえず展示って言うのはどうでしょう?」
「それで人が来ると思うかな?ユーザーにとってそれが何の役に立つか。どう面白いのかを考えないと。他にも面白いSIMはどんどんと出来ているからね。今の案だと僕の予想では滞在時間15分、そしてリピーターはなしだ。どんな人に来てもらいたいかをはっきり決めないと、どんな人からも相手にされないただの風景の一つだよ」
ズバリという須藤さんにさくらは小さく笑う。
なるほど、確かに展示だけって言うのは面白くない。自分だって素通りする。分かってはいるけどさ。
その時、楽しそうに俺と須藤さんのやりとりをみていたさくらが一言。
「私は自社製品を置くのもいいと思うわ、でもそれって一般ユーザーが買うものなのかしら?」
その問いに、またも俺の頭が固まった。
そうだ、そんな事も忘れていた。
(このブログの著者でもある大槻透世二さんがSecond Lifeでの「ものづくり」を紹介する「Second Life 新世界的ものづくりのススメ」。第22回は、『スクリプトの構造--テクスチャアニメーション3』。こちらもご覧ください)
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