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企業におけるクラウド戦略とGoogleAppsの活用(1)

山崎靖之 栗原傑享 中田寿穂

2010-11-12 14:47

一昨年頃から企業ITでのクラウドコンピューティングの利用が現実のものとなり始めており、すでに従来型のオンプレミスの企業ITとクラウドを融合させた成功事例も出てきている。サイオステクノロジー株式会社(以下、サイオス)では、パブリッククラウド・サービスが提供され始めて間もない時期から、実務に使えるIT基盤としてのクラウド導入に取り組んできている。このブログでは、私たちサイオスが、企業(または学校法人、自治体など)のお客様に対して提供している、Google社が提供するパブリッククラウド・サービスGoogle Appsとサイオスが独自で提供するサービスについて数回に分けてご紹介する。また、ITマネージメントの視点から企業が考慮すべきクラウド戦略についても触れていきたいと考える。クラウドコンピューティングという新たな潮流を企業ITに活用していく上で少しでも参考になれば幸いである。

■IT投資なくして企業の成長はなし

リーマンショックを境に世界中を襲った不景気の波は、企業経営に膨大なダメージを与えた。これを受けて企業のIT投資額は大幅な縮小を余儀なくされた。2010年になり、この流れにも若干の改善は見られるが、まだまだ厳しい状況は継続している。
また、仮に景気が回復して元の状態に戻ったとしても、この厳しい経済状況で学んだ各企業は、IT投資に対して吟味する厳しい目は変わることがないだろう。 
つまり、無駄な投資はせず、何が企業にとって有効な投資なのかを熟慮してIT投資を決断する意識である。 
一方で、今や企業経営はIT無しでは成り立たない現実もあり、競合に勝つためにも戦略的なIT投資は必須である。要するに、限られたIT投資予算を効率的に且つ、企業の競争力向上に直接寄与する使途を迫られているわけである。
ここで重要なのは、企業のIT投資項目の中から、効率化してコストダウンを図る項目と企業競争力向上に向けた戦略的IT投資項目を仕訳し、IT投資額全体は抑えつつ、企業にとって効率的なIT投資を実現することである。
これらを解決する重要な要素としてクラウドコンピューティングが注目を集めている。

■企業におけるIT投資

クラウドによる効率化により戦略的なIT投資を実現するという話しの前に、企業におけるIT投資について振り返ってみる。
企業におけるIT投資はどのように管理されるべきか、また組織的にどのような構成で成り立っているのかについて触れてみよう。

ITの観点から見た場合には、企業内には、大きく分類して以下の利害関係者が存在する。
  ・経営者(経営層)
  ・利用部門
  ・IT部門

各利害関係者の役割としては、経営層が経営戦略を立案し、各利用部門が経営戦略を実現するための事業戦略を策定する。これら戦略を実現するために、利用部門とともに、IT部門が、あるべきITの姿を明らかにし、ITを構築・運用する。
この一連の流れを管理する概念として、ITガバナンスとITマネージメントが存在する。ITガバナンスは、経営戦略と整合性のとれたIT戦略の立案や、経営層と利用部門に向けた対外的な管理を行う。一方、ITマネージメントは、IT戦略を実現するためのIT部門の内部管理に重きを置いた管理である。IT投資マネージメントは、ITマネージメントの属する管理の一項目である。
また、IT投資マネージメントでは、IT投資を以下の4つの項目に分類する。では、このようなIT投資マネージメントの項目においてクラウドがどのような変化を齎すのであろうか?■クラウドコンピューティングの優位性

ここで、クラウドコンピューティングがどのようなものなのかについては敢えて言及はせず、クラウドコンピューティングの優位性について整理しよう。
優位性として挙げられる項目としては以下のとおり。

  ・システム環境構築スピードの速さ
  ・初期コストの最小化
  ・スケーラビリティ
  ・業務の変化に柔軟に対応可能
  ・運用コストの低減
  ・ビジネスプロセス改善・向上への集中
  ・"所有する"から"利用する"へのコスト構造の変化

上記の優位性は、自らが膨大なシステムを構築し、それを所有することで、そのシステムの運用も自らが実施していた従来のスタイルから、すでに用意された膨大なファシリティを利用するスタイルへと変化することで生まれるメリットである。 

 ■IT投資の分類からみたクラウドコンピューティングの効果

・社会的責任の遂行
セキュリティやコンプライアンスの対応については、現時点で課題が無いわけではないが、クラウド提供事業者が 標準サービスとして、企業が必要とするセキュリティやコンプライアンスに対する機能を提供することで解決される。また、企業独自の機能が必要な場合でも、クラウド提供事業者の標準サービスと連携して、企業独自の機能を付加することで解決することは可能である。社会的責任という意味では、著しく変化する外部環境に応じて、常に安定したサービスレベルを維持することも重要であり、このニーズに対しては、変化に応じたスケーラビリティを確保する事で対応が可能となる。

・業務遂行
基幹システムに代表される企業内で利用するシステムや、特定の外部企業との間で利用するシステムなど、ある程度利用ユーザー数や運用の前提が固定化し易いシステムが多いので、急激なトラフィック増加などに対する心配は少ない。しかし、多くの業務システムの運用に必要なハードウェア、ネットワークリソースは膨大となるケースが多く、システム全体の運用コストはIT投資額の多くを占めている現実がある。クラウドコンピューティングにより、”所有する”から"利用する”へ転換することでIT運用コスト削減に大きく寄与する。 

・競合優位性
サービスインまでの時間を短縮できる効果は計り知れない。また、ビジネスニーズの変化に対する動的な拡張や、急激に増加するトラフィックにも耐えうるスケーラビリティはオンプレミスでのシステム環境では実現できない大きなメリットである。これらはビジネスチャンスを逃さないためにも重要な優位点である。 

・インフラ
従来は、すべてのインフラストラクチャーを所有し、構築・運用していたが、これらに費やしていたIT投資額は劇的に削減が可能となる。
これらの効果は、IT投資を会計視点から見ると、資産計上(CAPEX:Capital Expenditure)から運用費用計上(OPEX:Operating Expense)に変化することを意味し、企業経営上のメリットがあることは言うまでも無い。■Google Appsから始めるクラウドコンピューティング
ここまで企業におけるIT投資とクラウドコンピューティングの優位性について紹介したが、では、どのような業務をクラウド化する事が望ましいでしょうか?
企業で利用されるITシステムは様々なものがある。この中でパブリッククラウドを適用して効果が上がるのは、コラボレーションソフトウェアである。これに代表されるのがGoogle Appsであり、弊社も強力に推進している。なぜ、コラボレーションソフトウェアなのか、その理由は、パブリッククラウドとして提供されるサービスは、契約すれば誰でも利用ができる機能である。よって、この機能を利用する事で他社との大きな差別化は難しい。これは、多少の要求差異があったにしても、各企業が求める基本的な機能が高水準で備えられていればよいわけだ。しかし、現実を見てみると、従来型のオンプレミスで構築された企業のコラボレーションツールは、電子メールを筆頭として、大規模なITインフラとその運用には膨大なコストを費やしている。現在使用している自社のコラボレーションツールよりも高機能なクラウドサービスを、ITコストを抑制しつつ導入できるというところに大きなメリットがあり、ここで削減できたIT投資予算を新たな戦略的なIT投資に回すことも可能になる。
Google Appsの機能については、下記を参照。

サイオスでは、多様なユーザーニーズにお応えできるよう、Google Appsと連携する付加サービスを提供している。これらの概要については、次回にご紹介させていただく。

 (サイオステクノロジー株式会社 執行役員 山崎靖之)

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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