統合レイヤーでクモの巣を取り払う

soa 2005-10-04 16:37:49

 複数のシステムを互いに接続し合ってクモの巣を張り巡らせたように全体を統合するポイントツーポイントの統合によって、「ほとんどのITアーキテクチャは融通性のない、不健康なものになっている。原因は、アプリケーションの1つが変更されるたびに、数百、数千もあるリンクをいったん解除して、またつなぎ直さなければならないからだ」という示唆に富んだ意見をChristopher KochがCIO Magazineで述べている。

 同誌が最近行ったアンケート調査結果によると、企業のCIOたちが、最も関心を寄せているテーマは「統合」だという。Kochはこうした状況について、幸いにも「張り巡らされたクモの巣を取り払って、ITシステムを劇的に改善することを可能にする、新しい手法が出現した(この手法は、統合にかかる費用の節約をも実現する)。その手法とはすなわち、アーキテクチャの『統合レイヤー』を利用することだ。この仮想的なレイヤーは、メッセージングとサービスという2つの要素で構成される」と述べている。

 メッセージングとサービスからなる統合レイヤーは、(ユーザーと接する)プレゼンテーションレイヤーと(データを格納する)データレイヤーの間に位置する。

 メッセージングは、「直接接続されているわけではないシステム同士でやりとりされる情報を変換、ルーティング、監視する」役割を果たす。だが、メッセージングはビジネス指向ではない。そこで、統合レイヤーのもう1つの要素であるサービスの出番になる。「サービスの概念は単純なものだ。ERPやCRMのような古いアプリケーションで行われるようなやり方ではなく、『クレジット情報を取得』とか『顧客レコードを抽出』というように、ビジネスの作業単位として処理を表現するべきだ、ということが根本にある。これは、80年代のオブジェクト指向プログラミングに端を発する、古くから存在する概念だ。サービスは、企業に存在するシステムやデータベースからデータやビジネスロジックを抽出して、それらを業務として意味をなす表現にまとめ上げる役割を担う」(Koch)

 ここでサービス指向アーキテクチャ(SOA)という言葉が登場する。この記事には、「(SOAは)統合レイヤーの開発の手引きをするための青写真だ。SOAは、その企業におけるビジネスのプロセスとフローのすべてを網羅したものだ」と書かれている。

 Forester ResearchのバイスプレジデントRandy Heffnerは、統合レイヤーによって「(変更のたびにいちいち)アプリケーション開発を行うような面倒臭いことをする必要はなくなり、ビジネスのポリシーを臨機応変に変更することができる」と説明している。「ビジネスサービスを準備して、ビジネスを設計すればよいのだ。ビジネスの設計は企業にとって非常に重要なものである。締め切りに毎日追われて作業をしている実装チームに任せておけるようなものではない」(Heffner)

 MotorolaのToby Redshaw(IT戦略/アーキテクチャ/e-ビジネス担当コーポレートバイスプレジデント)によると、このアプローチを使うことによって、統合にかかる費用が10分の1に減った事例もあるという。

 だが、統合レイヤーを実現するにはまず、IT管理業務を集約する必要がある。Blue Cross and Blue Shield of MassachusettsのチーフアーキテクトであるRick Sweeneyは次のように説明している。「SOAはテクノロジーではなく、フレームワークであり、青写真だ。コントロールの権限がなく、組織全体に適用される保証がない組織には、本物のSOAなど作れない。統合レイヤーを構築するやり方はごまんとあるだろうが、1つの企業内で、いくつもの違った方法を使いながらこれを構築することはできない」

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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