「SOA恐怖症」は克服できるか

soa 2006-08-21 15:16:02

 多くの企業IT部門がSaaS(Software as a Service)に恐怖を感じているとする、Phil Wainewright氏によるZDNetのブログ記事に触発されたInfoWorldのDave Linthicum氏が、興味深い考えを付け加えた。Linthicum氏いわく、IT部門は同様にSOAも嫌悪対象としている風潮がある(SOA恐怖症と言ってもよい)。

 Wainewright氏のブログには、「IT部門がSaaSの導入をおそれているために、企業の3分の2でSaaSソリューションの利点を活用する機会が失われている」と主張する、CrownpointのJim Howard氏の発言が引用されていた。

 もう何年も前から、アウトソーシングの興隆に対する反発として制御力の低下を懸念する声が上がっていたが、そうした傾向が新たに登場したSaaS分野でも見受けられるようになったのである。

 Linthicum氏は、セキュリティや制御権、パフォーマンスなどの観点から、企業アプリケーションの保守管理者がSOAに反発するケースが増えていると見ているそうだ。

SaaSとSOAに共通する問題は(両者の性質はある程度まで重複しているとわたしは考えている)、どちらの技術も今日のITとはかけ離れた慣習に従っており、その働きを根本から変えてしまうという点にある。IT部門に属する人々は、こうした変化が日常業務の遂行にとって脅威になるととらえているのだ。新しく登場するアプローチは、必ずしも真実とは言えないのに、当事者にとっては絶対的な真実であるように思える理由によって、忌避されることが多い。新しいアプローチに移行するためには、それまでの管理体制を崩さなければならないというところも、拒絶反応につながってしまう。一般的に言って、そうした過程を歓迎する人は少ない。

 Linthicum氏の主張に付け加えたい点があるとすれば、SOAを困難な統合問題や膨れあがったIT予算に対する万能薬として誇大宣伝しているベンダーの姿勢に、人々が疑念を抱くのは健全なことであるという点だ。Linthicum氏の指摘したとおり、IT部門の面々は、「魔法の弾丸」という売り文句にうんざりしている。SOAは漸進的なプロセスであり、ただちに事業利益を生むものではないので、経営陣が期待している成果がすぐに上がらなかった場合は、自分のキャリアが危機に瀕することになってしまうのだ。

 このほかにも、基本的な問題は導入の現場にあるという。SOAはIT関連の取り組みではなく、企業全体に影響をおよぼす取り組みである。社内の一部門のみならず、組織のさまざまな部門の協力と予算を必要とするものだ。この種の取り組みにはありがちなことだが、IT部門からしてみると、部外者が望んでいることは的を射ていない場合が多いし、ビジネスの状況が急に変化したことで、優先事項もがらりと変わるケースがしばしば現れる。IT部門はこうした背景から、ひどい目を見ることがあらかじめわかっているSOAプロジェクトには関わりたくないと、尻込みしてしまう。

 SOA恐怖症を克服するための最適な方法は、エンドユーザーとIT部門双方の話に耳を傾け、教育活動を積極的に行うことに尽きると、Linthicum氏は述べている。「SOAに対する拒絶感をすぐに払拭できるかどうかはまだわからない。だが、実際に腰を上げ、成功事例を積み上げていかなければ、疑念の雲が晴れる日はやって来ないだろう」(Linthicum氏)

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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