先日までサンフランシスコで開催されていたOracle主催の巨大イベントでは、SOAが話題の中心の1つになった。
Oracleは、「SOA Suite」および「Fusion Middleware」製品ラインの強化、拡大に引き続き力を入れ、メインフレーム市場も視野に入れているという。シニアバイスプレジデントを務めるThomas Kurian氏は、同社の意図を、新旧さまざまなアプリケーションをサポートできる「サービス体制」を敷くことにあると説明した。また、OracleのFusion Middlewareは、新たに登場したビジネスプロセス管理インフラストラクチャ市場でも、十分戦っていけるだろうとも述べている。
「大きなSOA」を促進していくというOracleの宣言と対照的なのが、数週間前のイベントで明らかにされたMicrosoftのメッセージだ。
MicrosoftはSOAに対し、企業全体を巻き込む「トップダウン式」の大げさなアプローチではなく、ビジネス上の問題を1つずつ解決していく漸進的なアプローチを採用すると主張した。同社の関係者いわく、「企業全体で利用する技術に大規模な投資を行う際にトップダウン式アプローチを適用すると、一定期間内に結果が出ないことが多くなる」のだという。
期せずして、大きなSOAと「一口サイズのSOA」という対照的なコンセプトを2社の最大手ベンダーが打ち出したわけだが、さてどちらがすぐれたアプローチなのだろうか。ボトムアップ式にもトップダウン式にも、それぞれ長所と短所がある。2つのやり方を組み合わせてSOAを構築できればよいのだが、企業主導のトップダウン式アプローチに対する支持を組織内で取り付けるのは、ほとんどの組織にとって難しいことだと考えられる。SOAが本格的に普及するにつれ、こうした議論はますます白熱していくはずだ。
(Joe McKendrick)
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