SOAにROIは似合わない

soa 2007-03-15 16:26:20

 SOAに関するものであれ、ほかのITプロジェクトに関するものであれ、ROIを試算することの意味をMacehiter Ward-DuttonのNeil Macehiter氏が実にうまく言い表している。ROIの計算公式はすなわち、支出を正当化するため事後に作り出されたものである場合が多いというのだ。

 したがって、確かにROIはプロジェクトのおおよその価値を示すことはできるが、その妥当性と正確性にはしばしば疑問が残る。SOAのようなあいまいなコンセプトに数学を適用すると、事態がさらに混乱してしまう。ウェブサイト「Datamation」の最近の記事が、「SOAのROIを計算することは可能なのか」という問題を提起している。これまでも多くの記事やカンファレンスの講演、ポッドキャストなどで扱われてきたテーマだ。

 同記事は、GartnerのアナリストRandy Heffner氏がある調査報告書で、「SOAのROIを把握しようとするありとあらゆる試みは、強い疑いを持って見なければならない」と主張したと書いている。

 Heffner氏は、「SOAを販売するのではなく、開発している各ソリューションを販売する」のだから、SOAをとらえるにはもっと大局的な視点を持たなければならないと話す。自動車を製造するときは、組み立て終わった完成品ではなく、自動車の各部品のROIを計算するのと同じことだという。

 SOAはベストプラクティスの集合体であり、哲学であり、ビジネスの進化を促す力である。SOAは基本的に目に見えないもので、ビジネスを長期間営んではじめて得られる成果なのだ。

 多くの場合、SOAの導入は「戦略的な賭け」になると、Heffner氏は指摘する。だが、ビジネスに関する進歩的な決断はしばしば確実な根拠のないまま下されており、戦略的な賭けの要素が多々含まれるものだ。例えばAppleは、「iPod」および「iTunes」への投資という戦略的な賭けを敢行している。「戦略的な賭けに打って出なければならないときが、必ずやってくる。『これならある程度は売れるはずだ』という確証を得られることもあるだろうが、まったく先が読めない状況も起こりえる。それでも、『やってみよう。いや、やるしかない』と言わざるを得ないときがあるのだ」(Heffner氏)

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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