Enterprise 2.0は次の主役になれるのか

soa 2007-05-10 14:57:28

 Enterprise 2.0(E 2.0)は、人々のワークスタイルを変革する力を持っているのだろうか。それとも、多くの組織を膠着状態に陥れるおなじみの惰性が働き、力を失ってしまうのだろうか。

 ZDNetのブロガーであるDion Hinchcliffe氏が、E 2.0は「次なる大きな波」なのか、あるいは「単なる一発屋」なのかという議論に参戦した。こうした議論に初めに火を付けたのは、最近の論説でE 2.0には見込みがないと切り捨てたTom Davenport氏で、それ以来、ブログ界でもこの話題に関する賛否両論が巻き起こっている(Davenport氏は実に影響力のある発言者だ)。

 Davenport氏は、E 2.0の「理想主義」は新技術を活用するだけでは実現できないと警告している。

組織の機構や専門知識の流れが階層化した原因は、これまで参加型の技術が存在しなかったという点にだけ求められるのではない。E 2.0ソフトウェアやインターネットをもってしても、組織の階級構造や社内政治は駆逐できないだろう。つまり、企業活動の前線で働く社員に最高経営責任者(CEO)並の影響力を与えるというアイディアは、実現しないのである。組織内で知識の流れが滞っているのは、権限に格差があったり、相互信頼が希薄であったり、意義を見いだせなかったり、経営側からの支援が欠如していたり、現代の会社員が忙しすぎたりするからだ。技術のみでは、これらの問題を解決し、あるいは劇的に改善することはできない。そうした変化をもたらせるテクノロジーがあるとすれば、それこそ魔法と呼んでもよいだろうが、E 2.0は魔法とはほど遠いものである

 Davenport氏が指摘した問題は、企業におけるSOAの成功を阻んでいるのと同じものだ。

 一方Hinchcliffe氏は、E 2.0ツールの超軽量性に加え、その導入の容易さと適応力が、こういった組織的なハードルを乗り越えるのに役立つのではないかと論じている。「扱いにくく、きわめて複雑かつ限定的で、膨大なリソースと特別なスキルを有していなければ、取得も運用も管理もできなかったツールに関するかぎり、Davenport氏の視点はまったくもって正しい」(Hinchcliffe氏)

(中略)競争のプレッシャーやフィードバックの繰り返しによってウェブが進化を遂げてきたのと同時に、ウェブサイトのデザインにも継続的に磨きがかけられ、ついには高い効率性を誇るコラボレーションおよびコミュニケーションモデルが生まれた。今日では、ユビキタス性にすぐれたブログやwikiばかりでなく、マッシュアップ、ローミングウェブデスクトップ、高度なカスタマイズが可能なSaaSアプリケーションなどがわれわれの身近にある。

 またHinchcliffe氏は、E 2.0プラットフォームが企業文化の溝に橋を架ける「変化要素」として機能するとも主張している。E 2.0プラットフォームは、「非常に民主主義的かつ平等主義的だ」と、同氏は言う。「E 2.0ツールはだれでも利用することができ、使い方は簡単で、すぐにメリットを得られる。組織の内部(および外部)にいるあらゆる人々とのオープンなコミュニケーションおよびコラボレーションを実現する根本的に活発なツールであり、普段なら組織内の新しい前向きな動きを阻害するバリアを、文字通り突き破ってしまう。(中略)組織的な溝を跳び越えるのも、組織内に浸透するのも、E 2.0ツールにとってはたやすいようだ。利用するのにほとんどトレーニングがいらない、社会性が実に高いなど、長所を挙げればきりがない」(Hinchcliffe氏)

 以前にも本ブログで述べたとおり、E 2.0技術は、サービス指向アーキテクチャへの移行を助ける役割も果たすのである。

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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