ガバナンスこそSOA成功の第一条件

soa 2007-05-29 17:09:08

 5月中旬にニューヨークで開催されたInfoWorldの「SOA Executive Forum」で、OracleのFusion Middleware担当ディレクターAshish Mohindroo氏をゲストに迎え、ポッドキャストの司会を務めた。同氏はフォーラムで講演も行っている。

 Mohindroo氏がポッドキャストの中で語ったSOAガバナンスについての論点は、明瞭かつ簡潔である。これまでの技術系プロジェクトはそれなりの管理作業がつきものだったが、SOAはまったく新しい側面を持っている。すなわち、SOAは理論的にはIT部門が所有するものではなく、企業全体が共有するものなのである。

 過去のエンタープライズプロジェクトは、単独の部署が完全な統括権を握って進められてきたが、SOAにはそうした部署間のバリアを打ち破る力がある。だがここで、新たな疑問も浮かび上がる。だれがサービスにアクセスする権利を持ち、サービスを管理し、コストを負担するのか? どうやってサービスを変更し、ポリシーを定義するのか?

 Mohindroo氏は、これらのオーナーシップに関する疑問を解決していかなければ、いざSOAを利用するとなったときに、部署間に緊張状態が生まれてしまうと述べている。同氏いわく、だからこそガバナンスが必要になるのだ。一般的な技術プロジェクトには存在する直接的もしくは集約的な管理体制を持たないSOAにとって、ガバナンスはマネジメントの基礎となる。「最初は限定的なプロジェクトであっても、そこから部署間の隔たりを廃し、企業全体で利用する規模にまでスケールアップさせるための道筋をつけるもの、それがガバナンスだ」(Mohindroo氏)

 ほとんどの企業がSOAの価値を認識するレベルには達しているものの、彼らのプロジェクトは大半がまだ発展途上にあると、Mohindroo氏は指摘した。利用可能なサービスのレポジトリを作るより、すぐにでもガバナンスを実現することのほうがよほど大切だという。

 Mohindroo氏は、「ガバナンスが実現されているということは、サービスがクリアしなければならないある種の基準が設けられていることを意味する。サービスは、一定の形で定義されなければならず、一定のSLA(Service-Level Agreement)を満たさなければならず、なおかつ、企業内のガバナンス組織が規定した仕様に従っていなければならない」と話し、いったんこうした基準が設けられれば、「企業は簡単にポリシーや定義を変更でき、個々のWebサービスにポリシーおよび仕様を手作業で最適用するという苦行を二度と経験しなくて済むようになる」と説明した。

 ポッドキャストでは、SOAとWeb 2.0の間に生まれつつある連係についても議論されているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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