シリコンバレーでの起業

徳田浩司(Koji Tokuda) 2006-03-28 12:15:56

今回、ご縁あってZDNetでブログを開始することになりましたFusion ReactorのCEO、徳田浩司です。現在、主に日米企業向けにコンサルティングを行っていると同時に、米国で一からコンサルティング事業を立ち上げた起業家でもあります。ITや金融ビジネス、ベンチャーサポート、M&A、投資関連業務、金融人材ヘッドハンティングなど、日夜、日米企業の成功を支援すべく、様々なソリューションを提供していますが、特にこのブログでは、皆さんの関心が高いと思われるセキュリティ、コンプライアンス、ベンチャー動向などを取り上げていく予定です。

初回ということで、今回はこれまでの私の経歴と起業に至った経緯を紹介させてください。2004年夏に商社系金融子会社を最後にサラリーマン生活から足を洗い、米国カリフォルニア州シリコンバレーに活動の拠点を移しました。通常の企業派遣で米国赴任するのと異なり、誰のサポートもなく海外に乗り込んできたので、まったくのゼロから、単独でビジネスをスタートしたのです。金もコネもなく、あるのは学生時代にボディビル部の主将として鍛えた体力と根性だけ。非常に無謀な挑戦でしたが、試行錯誤を繰り返しながら、徐々に仲間とクライアントを増やし、忙しい毎日を送れるようになってきました。

私はもともと、普通の銀行員生活をスタートとして、子会社のシンクタンク、ベンチャーキャピタル、商社系の金融子会社などを通じて、IT関連やベンチャー企業のインキュベーションおよび投融資業務などを行っていました。そのため、米国の本場シリコンバレーに渡ってビジネスを営むのは自然の流れでした。

ただ、過去に銀行系シンクタンクでコンサルタントの経験はあったものの、コンサルタントになることを目指していたわけではありませんでした。サラリーマン時代には制約が多くなかなか思うようにできないことだらけで、貪欲な私は思ったことをやろうと思い、独立・起業、米国移住という形を取ったのですが、当初はそれを実現するだけのリソースを持ち合わせていませんでした。いいネタと技術を持つ企業家たちのサポート役という形で様々なことを同時に複数手がけているうちに、気がついてみるとコンサルタントという職業になっていたのです。

ご存知の通り、シリコンバレーはITやバイオなどテクノロジーのメッカで、有能なエンジニアが世界中から集まっています。バブルがはじけ、インドや中国などの国への分散化が進んでいるとは言え、世界のハイテクのハブであることに変わりありません。私自身は理科系出身ですが、研究者でもなく、社会人のキャリアの大半はファイナンスです。私のようなバックグラウンドで、いきなりシリコンバレーでコンサルティングをしようなどと考える人間はいないかもしれません。

一方、競争は厳しいもののチャンスはたくさんあって、十分生きる場所を見出すことのできる場所だということを実感しています。日本ではコンサルタントで食って行くにはどうしても看板が必要で、相手方に価値を認めていただき、フィーをいただくのはなかなか大変です。もちろん米国でも看板はあるに越したことはありませんが、必要性を感じてくれれば看板なしでも採用してもらえます。自分はコンサルタントであると米国企業を訪問すれば、先方から、「お前は誰に向かって仕事をするのか?」「何ができるのか?」「フィー体系はどうなんだ?」と必ず聞かれ、最初に契約を結ぼうという流れになります。そもそも雇用形態も非常に柔軟で、コンサルタントを雇う習慣もあるため、自宅で仕事をしているコンサルタントが周りにもたくさん存在します。

私のように、40年も日本にどっぷりとつかり、長年金融界で働いた人間は当地には非常に少なく、同じ経験をした人間が誰もいないから、逆説的に仕事になりました。自分のやりたいことで雇ってくれるところがどこにもなく、「誰もやっていない=市場がない」、ではなく、「誰もやっていない=無限のビジネスチャンスだ!仕事は取り放題」と捉えたことが、良かったのだと思います。いつもは非常に慎重な性格なのですが、決断するときは勝手な楽観主義であることが役に立ちました。楽観的であることは、起業家には重要な性格ですね。立ち上がりは大変でしたが、私にとっては日本よりも米国でビジネスを始める方がはるかにやりやすかったと言えます。米国への移住と起業には、勇気が不安に打ち勝ちました。

日々環境の変化に合わせ、時には朝令暮改で即応しているため、将来一体自分がどのような姿になるか見当がつかないのも実情です。ただ、ベンチャーなど様々な企業とともに汗水たらして、ともに成功することを目標とし続けることに変わりはありません。社名の「Fusion Reactor」とは、大学の卒論のテーマであった「核融合炉」を意味します。それぞれは小さく力がないものでも、様々なリソースを融合させることで巨大なエネルギーを生む、ということです。今後、シリコンバレーの業界動向を報告するとともに、自分が感じたことや、悪戦苦闘する姿を書き綴っていきたいと思うので、よろしくお願いいたします。

(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

1件のコメント
  • つちや

    御無沙汰しています。
    法政大学ボディビル部OBの土屋です。
    アメリカでの健闘、成功を祈念します。
    小生いまだにバーベルから離れられません・・・・。

    http://ameblo.jp/hiroponlovesmico/
    僕のブログですが、未だ独身のため歌い手さんの追っかけなど
    しております。年取って相当軟派になりました(笑)

    ※東大B&WOBのブログでこちらを知り、
    早速コメントいたしました。

    2009年05月13日

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