いきなりで恐縮だが、地球上の生物で最も美しいのは「猫」である。少なくとも私はそう信じている。
丸い顔に輝く瞳、濡れた小さな鼻、やわらかくとがった耳。
しなやかな身体、感情を豊かに表現するしっぽ、ふにふにの肉球。
甘えたしぐさ、どこまでも透き通った鳴き声。
猫ったらもう、見れば見るほど萌え萌えな生きものなのである。あんまり萌え萌えすぎて、私は自宅に2人、オフィスに8人も猫を囲い込んでいる。猫ハーレムだ。ちなみに、猫を「〜人」と数えるのは、敬愛する町田康先生に倣ってのことである。うん、愛する家族に対して、「〜匹」なんてぞんざいな呼び方をしてはいけません。
閑話休題。
仕事の場においても、やっぱり私が愛するのは猫。
そう、Siam(Public Beta)→Cheetah(10.0)→Puma(10.1)→Jaguar(10.2)→Panther(10.3)→TIger(10.4)と、代々猫科動物の名前を冠してきたMac OS Xこそが、私のビジネスの相棒である。
10年程前からオープンソース関連の仕事、ことに入門書籍の執筆を多く手がけてきた関係で、とにかくいろいろなOSに触るだけは触ってきた。LinuxはSlackwareもRed HatもDebianも、果てはMandrakeとかYellow Dogなんてのも使ったし、*BSD系はFreeBSDもNetBSDも弄った。本業の開発案件ではSolarisも使うし、趣味でBeOSをメインにしていたこともあった。Windowsだって、3.1とか95の時代からVistaに至るまで、ある程度きっちりお付き合いしてきてはいる。
だがしかし。
もうね、Mac OS Xじゃないと、私、仕事できないっス。
すいませんすいません、典型的なマカーでごめんなさい。
確かにね、OS Xにもいろいろと不満はあるんですよ。
Core2Duo積んでると思えないぐらい動きがモッサリしてたりとか。
HFS+以外にファイルシステムの選択肢がないとか。
もっと具体的で身近なとこだとこのBlogはMovable Typeなわけですが、Safariだとカテゴリの追加がうまくできなかったりとかね。
でも、そんなささいなことを全部帳消しにして余りあるほど、現在のOS Xは使いやすい。私は自分がいかに典型的なマカーで、Macをどれだけ偏愛しているか自覚しているつもりだが、
「Macってなんだかオシャレ〜」とか
「Macってなんだかハイソ〜」とか
そんな理由で偏愛しているわけではないのである。
実用重視。
ひたすら自らの仕事に対して実用性を追求していったら、必然的に愛機がMacになっていた、ただそれだけのことなのだ。いや、最初は確かに「なんかMacかわいい」って思ってPerformaを買った気もするが、今はもうただひたすらに仕事に不可欠な道具、それに尽きる。もちろんどんな道具だって「慣れ」れば生産性は上がるわけだが、そもそも慣れるまで使い込むのが苦じゃないのって、道具としてとても重要なことだったりはしまいか。
そんなわけで、このBlogでは、Macでしか仕事できない私という半猫人(© 柳瀬尚紀)の日々を、できるだけ皆さんの仕事の役にたちそうなネタを盛り込んで綴っていきたいと思っております。拙稿をきっかけにMacにSwitchする人や、少しでもDifferentなカンジにThinkされる方が増えてくれれば幸いです。更新は不定期の見込みではありますが、どうか皆様、末長くおつきあいいただけますよう。
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