日本ソフトウェア産業応援歌、、、、

若井 直樹(Naoki Wakai) 2008-04-29 17:04:35

 2006年の3月にJETROが発表した報告書によると、2005年時点でフィリピンにおけるコールセンターの座席数はすでに約7万席に達しており、2000年から2005年のCAGR(年平均成長率)は116%とされている。コールセンター産業の売上は、対GDP比で1.6%を占め、すでにフィリピンでもっとも期待される産業の一つとなっている。マカティ市では、100?を超える不動産物件はほとんどコールセンター企業が押さえてしまうため既に満杯になっているという。私の住むモンテンルパ市やセブ市を始め主要都市に多くのコールセンター企業が進出している。

 情報技術(IT)アウトソーシング大手のトランスコスモスは25日、フィリピンのマカティ市にあるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)関連企業ロジコールと資本提携を結んだと発表した。今月中旬にロジコー社の株式51%の取得を完了、正式に子会社化した英語対応のコールセンター事業に本格参入し、国際アウトソーシング市場のシェア拡大を狙う。東南アジア地域では4カ所目の拠点となる。フィリピンへの進出を決めた理由として、「これまで日本で培ったノウハウを生かし英語市場に参入する上で、政府がBPO事業を積極的に支援し、優秀な人材が集中するフィリピンがベストと判断した」と説明している。またロジコールとの提携は、セールスアウトバウンドの高い実績があり、投資委員会(BOI)やBPOの業界団体フィリピン・ビジネス・プロセッシング協会(BPAP)の推薦を受けている点が決め手になったようだと、報じられた。

 一方、インド大手IT インテグレーターが、米国景気後退のあおりを受けて軒並み伸び悩んでいる中で、生き残りをかけて世界にますます触手をのばそうとしている。中国では、大手銀行の開発案件を、規模と技術力に勝るインド大手IT インテグレーターが受注している。そのために、現地での大量採用をリスクをいとわずやってのける。日本においても、国内大手システムインテグレーターである伊藤忠テクノサイエンス(CTC)とインドIT第3位のウィプロ・リミテッドが国内および海外におけるSIビジネス分野で包括提携することに合意したと報じられている。

 先日、日本のエンベデッド・ソフトウェア開発企業をリサーチしていたときに、あるM&A会社からこんな話を聞いた。「日本市場でもエンベデッド・ソフトウェア開発会社を買収したいというニーズは非常に高いんです。でも、小規模企業が多くどこもエンジニアが経営しているような会社ばかりで適当なのが見あたらないんです。こんな状況ですからインド企業に案件持って行かれちゃうんですよね」、なるほど。相変わらず業務アプリケーションの分野のカスタム開発で生き延びているのが、日本のソフトウェア開発企業なのだろうか。伊藤忠テクノサイエンス(CTC)の選択は、非常にリスキーでデメリットの方が大きいと評価する人も大勢いる。しかし、日本のソフトウェア産業が乗り越えなければならない試練ではないかと思う。しかも日本ソフトウェア市場にしめる輸出の占める割合はどの程度か考えてみればよい。ハードウェア産業は、何年も経験してきた当たり前の事象がソフトウェア産業では未経験なのだ。

 日本市場においてだけでなく、トランスコスモスのように世界に打って出るソフトウェア企業がもっと増えることを期待したい。各国のパートナーと対等に渡り合っていける人材をソフトウェア産業が生み出せなければ、明日はないかもしれない、いやその程度の覚悟が必要ではないだろうか。

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