金融危機、フィリピンへの影響は?

若井 直樹(Naoki Wakai) 2008-12-19 10:46:15



この時期、フィリピンではクリスマスの準備におおいそがしだ。住宅地では、子供たちが一軒一軒訪問し、玄関先でクリスマスソングを歌って協会への寄付を集める小浮が目立つ。また、クリスマスのデコレーションも、各家庭ごとに異なるが派手なものから地味なものまで、通りを行く人の目を楽しませてくれる。会社でもクリスマス・パーティーのシーズンで、あちらこちらのレストランやホテルは予約で一杯になる。そして24日と25日は休日となり、家庭で聖夜を過ごす。今年は、PEZA企業、すなわち経済特別優遇措置をうけている日本企業などは、24日から翌年の4日まで休日とするように指示されている。これからとても長い休みにはいることになる。

さて、今回の金融危機の影響はフィリピンでは、外資系企業を通じて現れている。ほとんどの日経企業でIT支出が凍結された。特に日系企業では、事態が深刻のようだ。ヤフー・ニュースでは、「部品メーカー7社への取材では、早いところでは9月後半、遅いところでは12月に入ってから、いずれも減産態勢に入っていた。前年比または計画比で23割減らしている企業がほとんど。今後さらに減産幅は拡大するとの見方が多かった」と報じている。

フィリピン国内経済はどうかというと、比較的好調だ。「レクト社会経済企画長官は17日の年末説明会で、第4四半期の経済成長率は強力な個人消費と石油価格の値下がりにより少なくとも4.6%に達する見通しだとする考えを示した。レクト氏は、これが達成されれば今年の国内総生産(GDP)成長率は、政府の修正予想4.1%〜4.8%の範囲内に収まるとしている。 同時にレクト氏は、今年の平均インフレ率は9%〜11%という中央銀行(BSP)予想の下限である9%になるだろうとの見通しを示した。国家統計局
(NSO)の最新データによると、11月のインフレ率は10月の11.2%から9.9%と1桁台に戻った。インフレ率は8月に17年ぶりの高水準となる 12.5%を記録した後、9月には11.8%に下がった」と報じられている。実際、ガソリン価格もリッターあたり36ペソ程度をキープしており、一時の高騰で50ペソを超えたことを考えると通所価格を維持している。

一方、私の住む地域では。広い住宅、立派な住宅の多くは、海外で仕事をしている家族か外国人が所有している。今月、マンションの契約期間が終了したタイミングでアラバンのすぐ近くの地域に一軒家を借りることにした。その建屋の近辺は、90%近くが日本人と婚姻している家族が住んでいるという。この地域でも、売りに出されている物件の多くは海外で仕事をしているフィリピン人ないしは外国人が所有しているらしい。つまり、金融危機が引き金となって、キャッシュを必要としていると言うことのようだ。

実際、高額物件を扱っている不動産ブローカーと話をしてみたが、もう少しすれば買い時が来るという。つまり、そういったオーナーの多くが物件を急いで売ろうとし、その結果は物件の売値が下がってくる。あと半年から一年くらいだろうと目星をつけている。

2009年も好調を維持するように祈りたい。そして、日本経済が回復することも同時に祈る気持ちだ。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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