おまえ、俺のこと嫌いか?

八木大造(Daizo Yagi) 2007-09-04 12:15:25

 今思えば、あれは面接だったのかもしれない。どう考えても、そうに違いない。社内公募に応募して数日後の夜、ある役員との親睦会がセッティングされた。時間通りに会場に着いた筈が、到着するなり突然「遅いじゃないか!」と役員に一喝された。席に着くなり役員を中心に、仕事の話だけでなく、音楽や歴史、宗教に至るまで、様々な話題に目を回した。油断していると突然、大きな声で質問が飛んでくる。「おまえ、国家の品格、読んだか?」「おまえ、遺恨十年、一剣を磨くって意味分かるか?」答えに窮したり、モジモジしていると、大声で「もっと勉強しろ!」とやられる。「はい、読みました。はい、分かります。」と答えても後が大変だ。「おっ、そうか。じゃ読んで良かった所を3つ言え。」とか、「1分で意味を簡潔に説明してみろ。」とやられる。。。

 お酒が回り始めると更に状況が複雑になってきた。突然出される難問の間に、肩を抱き寄せられて「おまえ、俺のこと嫌いか?ん?」とやられる。その晩は、確か50回くらい、全員にこの質問をしていた。役員の目を見ると、本気で酔ってるようにも見えるし、演技をしているかのようにも見えた。しまいには突然、立ち上がり「用があるから俺は行く。おまえらは好きなだけ飲んでいけっ!」と言い残して、サッと消えてしまった。とにかく豪快だった。ボクは心と体が緊張でぐったりとしてしまった。

 2006年6月、人事部から公募で異動が内定したと連絡を受ける。後悔まではいかないが、今後の事をいろいろ考えているうちに、だんだん不安になってきた。「3ヵ月後、企画が採用されなかった場合、本当に元の部署に戻れるのかなぁ。」6月7日の朝、出社してメールを開くと、あの豪快な役員から送信時間が真夜中のメールが届いていた。あの人らしい激励のメールだった。「一、朝令暮改 二、八方美人 三、二枚舌 四、公私混同を恐れず行え。」そして、一篇の詩が添付されていた。(つづく)

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