Vivisimo:メタデータを用いた検索結果ナビゲーション

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2006-10-23 00:59:23

 ここ数回、エンタープライズサーチについて解説をしているが、今日のテーマは検索結果ナビゲーションだ。最近情報共有で注目されているのは「ポータルページのデザイン」ではなく「検索結果ページのデザイン」である。検索結果ページが最も広告価値の高いページであることは皆さんも知ってのとおりだ。検索キーワードという具体的な目的を持ったユーザーに対してピンポイントで視聴率の高いコンテンツを提供できる貴重な画面。いわば、GoogleのAdwords広告の一番上の部分に何を載せるのか、という議論である。

■検索結果をタテヨコ2軸で絞り込む

 そんな検索結果ナビゲーションに活用できる面白い技術が世にでているので紹介しよう。Carviewという車のコミュニティサイトがある。自動車好きの方であれば知っているかもしれない。このCarviewの検索ボックスから検索をしてみると面白い結果になる。例えば、「ストリーム」で検索するとこんな画面になる。

stream.jpg

 「ストリーム」で検索された検索結果が一覧されているが、左部と上部にタテ・ヨコ2軸で検索結果を絞り込むことができるようになっている。タテ軸は検索結果をクラスタリングした結果のテキストで分類されている。クラスタリングとは、類似するキーワードを含むサイトをグループ(クラスター)に分類することを言う。「ストリーム」の例であれば、179のコンテンツが検索結果として引っかかったが、そのうち「新型ストリーム」関連のサイトが30、「ウィッシュ」関連のサイトが29、「燃費」関連のサイトが15、というようにグループに分類できたというわけだ。

 更にヨコ軸を見てみると「カタログ」「ニュース」「ユーザーレポート」とコンテンツの種類が並んでいる。コンテンツの種類は各サイトがどのコーナーに掲載されたコンテンツかということで分類されている。このタテ軸とヨコ軸を組み合わせることで、「『燃費』に関する『ユーザーレポート』は...」と検索結果を絞りこんでいくことで、179の検索結果を一つ一つ見ていくのではなく、瞬時に見つけたい検索結果にたどり着くことができるわけだ。

■メタデータはデータより大事?

 「燃費」や「ユーザーレポート」といったコンテンツに付随する属性情報のことをメタデータと呼ぶ。エンタープライズサーチにおいてはこのメタデータが強力な威力を発揮する。GoogleのWeb検索では「リンク数」というメタデータを活用して「大海から1滴」を探し出すのに成功した。しかし、エンタープライズでは「リンク数」というメタデータは活用できないため、それ以外にどのような「メタデータ」を活用して検索精度を上げるかが重要となってくる。

 コンテンツからメタデータを抽出する技術は幾つか世に出ている。CarviewではVivisimoという米国のベンチャー企業の技術を用いて、コンテンツからメタデータを抽出している。当社リアルコムはVivisimoの国内におけるパートナーをしており、エンタープライズでの活用事例も幾つか関わっている。ある製造業では研究所のデータベースの検索結果をVivisimoでクラスタリングしている。また、ある金融機関では営業スタッフが必要な情報をタテヨコ2軸で整理するといったケースもある。Googleなどの検索エンジンとセットで導入されることが多いようだ。

 Vivisimoに代表されるメタデータ抽出の技術は今後のエンタープライズサーチにの注目分野となるだろう。Vivisimo以外にもこの分野のベンチャー企業は幾つかあり、EndecaGrokkerがユニークな技術を展開している。各社のサイトにデモサイトがあるので、ぜひ一度触ってみて欲しい。

 さて、これまで何回かに渡り、エンタープライズサーチについて述べてきたが、次回はちょっと切り口を変えてエンタープライズのアーキテクチャに関する話をお話したい。

吉田健一@リアルコム

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