Collective Intelligence

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2006-12-22 20:44:26

ここ2週間、師走の忙しさでブログ更新できませんでした。ゴメンナサイ。

 さて今日はここ数回テーマにしている集合知の3つ目のポイント、「自然と知識が溜まること」について述べていきたい。

■Collective Intelligence=自然と知識が溜まること

 企業内で集合知を実現しようとすると、一番問題になるのがこの問題だ。インターネットの世界ではユーザーが無限にいるので、1%の物好きがいてもWikipediaが作れる。しかし、1000人の企業で1%の10人が知識を出したところで意味がある結果にならない。皆仕事をしているのだから、仕事の合間をぬって好き好んで知識を出したりはしないわけだ。

 そこでポイントになるのが、「どうしたら知らず知らずのうちに知識が溜まる仕組みを作れるか」である。Webの世界で言えば、Page Rank。Web同士がリンクしあっていると勝手にサイトの重要性をあぶりだす。これが正に「Collective Intelligence=自然と溜まる集合知」である。

 それではエンタープライズではどのように実現するのか。例えば、ある商社では、メールと連動したWikiの仕組みを、チームの共同作業に利用している。この商社では、プロジェクト毎に関係者限りのメーリングリストが作られ、メーリングリストを使って日常業務がやり取りされる。ところが、このメーリングリストの内容は自動的にWikiに吸い上げられナレッジとして蓄積されるのだ。

 こうすることで、プロジェクトの知識が自然と蓄積され、メンバーが過去の議論の経緯を見たり、プロジェクトに途中から入った人が過去の経緯を参照したり、過去の類似プロジェクトの経験を探し当て担当者に問い合わせをすることができるようになる。

 更に同社では、このWikiの仕組みがKnowWho(誰が何を知っているか)DBと連動しており、業務をすればするほどその人がどんな業務に詳しいかが自然と蓄積されるのである。企業内で集合知を成功させるには、如何にユーザーに知られずに自然と知識を溜めるか、にかかっている好例である。

■BlogとSNSとWikiの使い分け

 これまで数回にわたり企業内の集合知について書いてきたわけが、最後に「企業内においてBlog・SNS・Wikiってどうなっていくのか」というテーマについて、私なりの見解を述べたい。次の絵が、Blog・SNS・Wikiを活用した21世紀型組織のイメージである。

blogs.gif

1)個人と組織の情報発信:個人ブログ・組織ブログ

 企業内におけるブログの用途は、個人ブログと組織ブログに集約されていく。個人ブログは個人のインフォーマルな情報発信の場、組織ブログは組織のフォーマルな情報発信の場である。個人、組織はそれぞれブログを通じて全社に情報を発信していく。

 組織ブログは業務上必要であり情報発信業務の効率化につながるため利用が進む。しかし、個人ブログについては、単にブログを立てただけでは書く意欲が沸かず、盛り上がらないことも多い。そこで、前回紹介した電話帳のような「生活必需品」アプリケーションと連携して展開することで、ブログを書くインセンティブが高めることが必須になるだろう。

2)人と人を組織をつなぐ:SNS KnowWho DB

 個人ブログ、組織ブログが整備されると、それらブログ間のつながりがSNSとなる。ブログとSNSが別々に存在するのではなく、ブログとSNSが融合して1つの形にとなるわけだ。

 企業内におけるSNSの用途はいわゆるKnowWho(誰が何をしっているか)DBとして位置づけられる。「社内でこのテーマに詳しい人は?」「このお客様担当している人は?」と、社内の人脈を手繰って、人と人をつなぐ時にSNS KnowWhoが威力を発揮する。

3)第二・第三の組織のコラボレーション:プロジェクトWiki・コミュニティWiki

 Wikiは、既存の組織を横断したプロジェクトやコミュニティにおけるコラボレーションのツールとして利用される。プロジェクトWiki、コミュニティWikiのイメージである。プロジェクトやコミュニティは、環境の変化にあわせて新しくたてられ、使命が終われば消えていく。

 プロジェクトWiki・コミュニティWikiでは、メールと連携して日々のコミュニケーションを行ったり、ファイルの共同作業に利用することで、自然とナレッジが蓄積されることがポイントとなるだろう。

 以上、企業内のBlog、Wiki、SNSの使われ方の方向性について整理してみた。異論、反論もあられるとおもうので、是非ご意見いただきたい。

 さて、次回はようやくアーキテクチャの話ができそうである。

吉田健一@リアルコム

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