もうNotesユーザーにSPSは不要!Lotus Quickr登場

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2007-01-31 01:09:05

 前回に続いてLotusphere報告ということで、今日は「Lotus Connections」と同時に発表された「Lotus Quickr」について述べたい。正直言うと「Lotus Connections」よりも「Lotus Quickr」の方がエンタープライズにとって大きなインパクトをもたらすと思っている。「Lotus Quickr」が投げかける波紋について考えてみよう。

■チームコラボレーションサイトを作る

 「Lotus Quickr」はいわばチームでの協同作業を支援するコラボレーション&コンテンツマネジメントツールだ。コンテンツマネジメントというと「高価な業務専用システムで難しそう」というイメージがあるかもしれないが、QuickrはWeb2.0の感覚で気軽にコラボレーションをしつつ、コンテンツを便利にかつセキュアに扱うことができる機能が備わっている。

 Quickrを使うと、コラボレーションを行うチームまたはプロジェクト毎にコラボレーションサイトを作ることができる。サイトのイメージはこんな感じである。

quikr.gif

 (詳細はIBM Lotus Quickrのページへリンク)

 このコラボレーションサイト内では、チームブログやWikiによる情報共有やタスクの進捗管理を行うことで、コラボレーションを加速できる。同時に、チームで作成したMS Office文書や音声・動画等のファイルをチームメンバーで共有することもできる。共有するファイルに対して、チームメンバーがコメントを加えたり、属性情報をつけたりすることも可能だ。このようにQuickrは、チームで協同作業をするのに必要な一通りの機能を備えているといってよい。

■WindowsやOfficeとシームレスに連携

 しかしQuickrのすごい所は、これからである。Quickrには様々なコネクタがあり、コネクタを利用することによって、日常使っている様々なツールとQuickrを連携させ、自然とQucikrにコンテンツを蓄積することができるのだ。

 幾つかのコネクタの例を紹介するとこのようなイメージだ。

●Lotus Notes Connector

・Notes上の添付ファイルをQuickr上に保存できる。

・Notesメールの添付ファイルをQuickr上に保存しURLリンクだけを送信できる。

●Microsoft Office Connector

・MS OfficeからファイルをQuickr上に保存できる。

・MS Officeからファイルを保存するときに属性情報(メタタグ)を付与してQuickrに保存できる。

・MS Officeの文書にチェックイン/チェックアウトの機能で共同編集できる。

・MS Officeからワークフローの承認を回すことができる。

●Windows Explorer Connector

・QuickrのコンテンツをWindows Explorerに表示できる。

・PCからドラッグ&ドロップでファイルをQuickrに登録できる。

・右クリックメニューで様々なアクションが行える。

 こうしたコネクタを使えば、Windows ExplorerやMS Office、Notes等を日々使っていると自然とファイルがQuickr上にたまっていくことになる。コンテンツマネジメントというと嫌な顔をする人でも、これだけ簡単であればユーザーへの展開も容易というものだ。

 Quickrは、コネクタ群とコンテンツ蓄積機能を含むパーソナル版と、それらに加えてコラボレーション機能を含む標準版の2種類で展開する。そして、パーソナル版はNotesユーザーには無償で配布される。つまり、Notesユーザーは、無償でNotes、Office、Explorerと連携した簡易コンテンツマネジメントツールを手に入れることになるのだ。

■Quickrの真の意義

 さて、皆さんこのQuickr、どういう意義があるかお分かりになったであろうか?この機能、どこかで見覚えないだろうか?そうMS Office Sharepointである。つまり、NotesユーザーにとってSharepointが不要になるのである。

 MS Office Sharepointは、ファイルの共同編集やワークフロー、バージョン管理機能を持つ、MS Office製品の拡張である。マイクロソフトは今後のコラボレーション効率化やコンプライアンス遵守のためにも、Officeとファイルサーバーに加えてSharepointが必要だと力説してきた。

 これに対してNotesユーザーは、既存のNotesでは上記機能を実現できておらず、仕方なくShaprepoint移行を行うユーザーもいた。しかし、NotesからSharepointへの移行はコスト・リスクが膨大になり現実的ではない。

 こうした中でQuickrが登場したことは、Notesユーザーにとって朗報である。無償でSharepointと同等の機能が手に入るわけで、もうSharepointへの移行を議論する必要がなくなったのである。

 Notes+Quickr VS Sharepoint。この戦いから目が離せない。

 


 

吉田健一@リアルコム

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