セカンドライフはエンタープライズに活用できるか

吉田健一(Kenichi Yoshida) 2007-02-15 10:18:26

 セカンドライフが熱い。ロイター、トヨタ、日産、IBM、DELL等の企業が次々とセカンドライフに進出した。先日のLotusphereでもセカンドライフ内で「バーチャルLotusphere」を開催し、IBM社員と思しきアバター(分身)からLotusに関する情報提供が行われた。そしてついに先日、スウェーデン政府がセカンドライフ内に大使館開設を決定。猫も杓子もセカンドライフである。10年前、何の利益になるかわからぬまま企業や政府がこぞってホームページを立ち上げた時のことを彷彿とさせるブームである。

■セカンドライフとは何か

 セカンドライフとは、米国のリンデンラボが運営する3次元映像で描かれたバーチャルワールド。自分の分身=アバターを操作し、仮想世界の中で生活する。すでに利用者は200万人を突破している。

 セカンドライフ内には独自通貨リンデンドルが流通しており、リンデンドルはUSドルに換金できる。ユーザーは土地の所有・交換・売買や3Dモデリングによる「コンテンツ=建物や物」の製作・所有・交換・売買も可能だ。航空機製造会社を作って稼いでいる人もいるし、不動産売買で億万長者になったものもいる。

 「なんだ、インターネットのマルチーユーザーゲームね。」

 と思われるかもしれないが、ちょっと違う。こればっかりは体感していない人には伝えにくいのだがこれはゲームではない。「3次元のブラウザ」「3次元のMixi」とでも言った方がよいかもしれない。

secondlife.gif

 文字と音声と立体空間がなせるエクスペリエンスは、2次元のウェブになれきってしまった感覚とは全く異なり、衝撃的である。あくまでPCの画面経由なのだけれども「リアル感」が違う。

 例えば、どこかで誰かが会話をしていれば、遠くに人だかりが見える。近づくと彼らの会話が聞きもれてくる。面白そうであれば、話に割ってはいる。話がつまらなければ、別の場所にテレポート...これだけでも、これまでの2次元のコミュニティとは全く異なる様相を呈している。「マトリックス空間」か、はたまた「電脳世界」か...

■セカンドライフはエンタープライズに活用できるか

 現在セカンドライフで行われているビジネス活動は、初期のウェブがそうであったように、主に消費者向けのマーケティング活動や情報提供・サポート関連に関するトライが中心である。

 一方で、企業内コラボレーションのツールとしての可能性も十分にある。例えば、複数メンバーが遠隔地から参加する会議であれば、チャットやIMではなくセカンドライフ上のミーティングの方が臨場感が出るかもしれない。オンライン研修も、Web上のeLearningより受講者とインタラクティブに進められる。

 顧客接点に関しても、3Dで臨場感をもってインタラクションしたほうがいいシーンには使えると思われる。例えばオンラインセミナーや顧客サポートには有益だろう。

 実際、IBMはセカンドライフ内で大量に土地を購入し、社員ミーティングを開催したり研修を行ったりしている。製品に対するサポートデスクをセカンドライフ上で開始している。面白い所だと、東京で貸会議室を運営しているミーティングプラス社は、セカンドライフ内で貸し会議室サービスを開始した。借りる人がいるかどうかは微妙だが...

 「エンタープライズ2.0」というにはちょっと遠いが、実験してみる価値はありそうだ。皆さんの会社でも、オフィスを立ち上げてみたら如何だろうか?

 


 

吉田健一@リアルコム

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